日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
105 巻, 10 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
総説
  • 浮田 實
    2008 年 105 巻 10 号 p. 1441-1446
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/08
    ジャーナル フリー
    各種画像診断法の発展にともない,腹腔鏡検査の適応は狭くなってきている状況にあって,日本消化器内視鏡学会は2006年10月に腹腔鏡ガイドライン3版において,現状における適応と禁忌を明確に示した.本稿では,前段でガイドラインに基づいた具体的な適応症例と応用領域を解説した.後段では現状を克服して,今,腹腔鏡検査が新しい手法と位置づけがなされようとしている時代を迎えているとの認識に立ち,細径腹腔鏡の応用と,NOTESへの進化とトレーニング·センターの設置の必要性について述べた.
今月のテーマ:腹腔鏡検査の今日と明日
  • 泉 並木
    2008 年 105 巻 10 号 p. 1447-1452
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/08
    ジャーナル フリー
    C型慢性肝炎から肝硬変·肝癌は一連の流れの疾患である.C型慢性肝炎の進展度を正確に把握するために腹腔鏡の価値は高く,赤色紋理や溝状陥凹など特徴的所見に関する重要な情報を得られ,肝発癌の予測にとっても有用である.さらに肝細胞癌を発症した場合,経皮的局所治療が困難な症例がある.腫瘍が肝表面近傍に存在する場合や,胆嚢や腸管に腫瘍が接している場合などは腹腔鏡によって安全確実な治療が行え生命予後も良好であった.腹腔鏡検査とそれを用いた治療はC型肝炎の病態把握や肝細胞癌の治療に有用である.
  • 小橋 春彦, 山本 和秀
    2008 年 105 巻 10 号 p. 1453-1461
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/10/08
    ジャーナル フリー
    近年腹腔鏡の役割は診断から治療へ変化してきた.しかし腹腔鏡下肝生検は,不均一な分布を示す病変や色調変化の評価,十分な大きさの組織を選択的に生検可能,腹腔内病変の観察など,他の検査では困難な独自の診断能を有し,今日なお重要な診断法である.腹腔鏡が最も有用な疾患として,B型·C型慢性肝炎から肝硬変への進展度評価と進行予測,自己免疫性肝疾患(自己免疫性肝炎,原発性胆汁性肝硬変など),代謝性肝疾患(非アルコール性脂肪肝炎,Wilson病など),薬物性肝障害,腹腔内疾患(結核性腹膜炎,腹膜中皮腫,Fitz-Hugh-Curtis症候群など)が挙げられる.代表的な疾患の腹腔鏡診断を写真とともに概説する.
座談会:腹腔鏡検査の今日と明日
症例報告
feedback
Top