日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
112 巻 , 9 号
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総説
  • 堤 幹宏
    2015 年 112 巻 9 号 p. 1623-1629
    発行日: 2015/09/05
    公開日: 2015/09/05
    ジャーナル フリー
    2011年に,わが国のアルコール性肝障害の診断基準が改訂され,アルコール性肝障害の病型が,①脂肪肝,②肝線維症,③アルコール性肝炎,④肝硬変および⑤肝癌に分類された.一方,欧米でも,2010年に米国肝臓学会がアルコール性肝障害に関するガイドラインをまとめ,アルコール性肝障害を,①脂肪肝または単純性脂肪肝,②アルコール性肝炎,③肝線維症あるいは肝硬変を有する慢性肝炎の3病型に分類し,次いで,2012年の欧州肝臓学会のガイドラインでは,①単純性脂肪肝,②アルコール性脂肪肝炎,③進行性肝線維症,④肝硬変の4病型に分類された.わが国と欧米におけるアルコール性肝障害の病型の差異と問題点を明らかにした.
今月のテーマ:アルコール性肝障害を再考する
  • 堀江 義則, 海老沼 浩利, 金井 隆典
    2015 年 112 巻 9 号 p. 1630-1640
    発行日: 2015/09/05
    公開日: 2015/09/05
    ジャーナル フリー
    本邦におけるアルコール性肝硬変(Al-LC)の全国調査では,近年はアルコール消費量は漸減しているにもかかわらず,Al-LCの肝硬変の成因に占める割合は急速に増加している.糖尿病(DM),高齢,女性はAl-LCの危険因子であり,DM,年齢,男性はAl-LCからの肝発癌の危険因子と考えられる.重症アルコール性肝炎(AH)は禁酒後も肝腫大が持続する病態で,消化管出血,腎不全などの合併症をともなう予後不良な疾患である.重症AHの死亡率は52%と高いが,中等度AHにおいても死亡率は15%あり,早期からの治療介入が必要である.アルコール健康障害対策基本法に基づいた社会全体での飲酒量低減の取り組みが必要である.
  • 杉本 和史, 竹井 謙之
    2015 年 112 巻 9 号 p. 1641-1650
    発行日: 2015/09/05
    公開日: 2015/09/05
    ジャーナル フリー
    アルコール性肝障害(ALD)は脂肪肝からアルコール性肝炎,もしくは肝線維症を経て肝硬変,肝癌への進展様式をとる.非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は,脂肪肝とアルコール性肝炎に類似の組織像を呈する脂肪性肝炎(NASH)を含む.ALDとNAFLDは病因論的に対極に位置するとの認識のもと,NASH発症に関わる成因の探索が行われた.しかし,多くの因子群が複合的に連関し,複雑なクロストークを形成して肝障害惹起に関わるという点でALDとNAFLDには共通点があることが明らかにされた.共通する病態基盤の考察,そこから生まれる差異への洞察が,それぞれの病態と発症機序を理解するうえで重要である.
  • 泉 並木
    2015 年 112 巻 9 号 p. 1651-1656
    発行日: 2015/09/05
    公開日: 2015/09/05
    ジャーナル フリー
    わが国ではウイルス由来の肝癌が減少しているが,非B非C型肝癌が増加し,この中にアルコール性肝障害(ALD)由来の肝癌も含まれる.全国集計でもアルコール由来の肝癌が増加し,欧米に近づいている.加齢や血小板低下,糖尿病合併が肝発癌のリスク因子になり,HBc抗体陽性の場合に肝発癌が多いという報告がある.近年遺伝子多型が肝発癌に関与するという報告が多く,特にPNPLA3の関与が指摘されている.経過中に良性多血性結節がみられる場合があり,肝癌との鑑別が重要で,Gd-EOB造影MRIや造影超音波が有用である.ALD由来の肝癌では進行した状態で発見される場合が多いが,早期に発見された場合には比較的予後は良好である.
症例報告
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