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特に食道離断術および内視鏡的硬化療法の影響を中心に
西脇 英樹, 浅井 毅, 吉川 和彦, 山下 隆史, 曽和 融生, 梅山 馨
1987 年 84 巻 4 号 p.
833-839
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
食道静脈瘤に対する食道離断術や内視鏡的硬化療法の胃粘膜血流動態におよぼす影響について検討するため, 肝硬変合併食道静脈瘤患者および健常群5例を対象として内視鏡下に電解式組織血流計を用いて胃体部, 前庭部粘膜血流量を測定し, 門脈圧, 肝機能成績, 胃病変との関連について検討した.
肝硬変症では健常群に比し, 胃体部, 胃前庭部粘膜血流量は低値を示し, 特に, 食道離断症例では術後早期では胃粘膜血流量は低下を示すが, 長期例ではやや回復傾向がみられた. また, 内視鏡的硬化療法例では肝機能高度障害例が多く胃粘膜血流量も食道離断症例に比べ低下する傾向にあつた.
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稲垣 貴史, 森瀬 公友, 森島 泰雄, 原 一夫
1987 年 84 巻 4 号 p.
840-850
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃癌所属リンパ節の免疫組織化学的検討を行なつた. リンパ節傍濾胞域において, 癌転移陽性リンパ節は癌転移陰性リンパ節に比べLeu2a陽性細胞 (Leu15陰性) の有意な増加が認められ, 癌と関連した宿主防御反応と考えられた. また, Leu7陽性細胞は分化型癌では有意な増加を認めたが, 未分化型癌では, 癌転移陰性リンパ節と差はなく, 癌の組織型の違いによる宿主反応の違いと考えられた. さらに, 癌転移巣周囲には interleukin-2 receptor (IL-2R) 陽性細胞の集簇を認めたが, IL-2R陽性リンパ球は少数で, 大多数は interdigitating reticulum cell および macrophage であつた. これらIL-2R陽性細胞の増加は癌と関連した宿主免疫応答と考えられた.
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荒川 哲男, 佐久間 裕之, 佐藤 博之, 福田 隆, 重本 達弘, 中村 肇, 山田 博明, 中村 厚, 根引 浩子, 樋口 和秀, 北田 ...
1987 年 84 巻 4 号 p.
851-856
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
tetragastrin が内因性PGにいかなる影響をおよぼすかを, ヒトの胃液を用いて検討した. その結果, 酸分泌と胃液中へのPGE
2の遊離は, tetragastrin (4μg/kg, s.c.) 注射後同様の亢進を認め20~30分後に peak となつた. また, tetragastrin 注射前値と後60分間を比較すると, 酸分泌およびPGE
2は注射後に著明に亢進し, PGE
2/H
+分泌比は低下傾向を示した. そして, tetragastrin 注射後の酸分泌量とPGE
2遊離量とは正の相関を示した. 以上のことから, tetragastrin はヒトにおいて, 酸分泌刺激作用とともに胃内腔へのPGE
2遊離を促進する作用を有することが判明した. このことは, tetragastrin と胃生理機構との関係を知る上で重要な知見と考える.
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田中 洋輔, 真辺 忠夫, 戸部 隆吉
1987 年 84 巻 4 号 p.
857-862
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
胃酸流入に伴う空腸の gastrin 放出抑制能力について検討した. 曠置空腸瘻犬を作成し, 食事刺激による gastrin 放出を行つたのち空腸瘻より塩酸を注入して末梢血中 gastrin 値の推移を観察し, 同じ空腸瘻犬を用いての食事のみの対照実験と比較した. 同時に末梢血中 secretin, VIP値も測定した. その結果, 食事刺激後の gastrin の増加総反応量は塩酸注入により有意に抑制された. 塩酸注入にて secretin, VIP値は有意に上昇した. 胃酸流入に伴う gastrin 放出抑制機構において, 空腸が十二指腸と同様の役割を果たしうる潜在能力を持つことが想定された.
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レクチン組織化学的研究
伊藤 正高
1987 年 84 巻 4 号 p.
863-867
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
酸分泌刺激に対するヒト胃腺壁細胞の形態変化を, 壁細胞の細胞内分泌細管膜に結合する
Dolichos biflorus agglutinin (DBA) をマーカーとして, 組織細胞化学的に計数化することを試みた.
健常成人男子11名を対象とし, 酸分泌刺激剤投与前後の胃粘膜を, 内視鏡下に生検採取してDBA染色を行い, 光顕的及び電顕的に検討した.
壁細胞のDBA染色性は, 酸分泌刺激後に増強した. このDBA染色性の変化を, 測光顕微鏡を用い光吸収率として数量化した. 刺激前の吸収率 (spot size 20.9μmφ, 波長365nm) は平均38.3%であるのに対し, 刺激後には51.6%と有意に上昇した (p<0.01). この変化は, DBA結合部位である細胞内分泌細管膜の面積が, 刺激後増大することに起因することを電顕的に確認した.
本法は, ヒト固有胃腺壁細胞の形態変化を光顕レベルで識別し, しかも簡単に計数化しうる方法である. 酸分泌機能を形態学的に補捉し, 解析する新たな方法として今後の発展が期待される.
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山下 裕一, 白水 和雄, 磯本 浩晴, 諸富 立寿, 黒肱 敏彦, 町 淳二, 掛川 暉夫
1987 年 84 巻 4 号 p.
868-877
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
経肛門的な直腸内超音波断層法による直腸癌壁深達度を切除例80例について検討した. 直腸癌80例の術前超音波診断と病理組織診断との対比を行い, 超音波診断でのuSM癌3例中2例66.7%, uPM癌7例中3例42.9%, uA
1またはuSS癌13例中4例30.8%, uA
2またはuS癌46例中36例78.3%, uAiまたはuSi癌11例中6例54.5%, 全体として63.8%の正診率を得たが, 23例の過大評価例と6例の過小評価例があつた.
一方, 組織学的検討から過大評価を惹起する原因として, 癌周囲の炎症細胞浸潤が指摘された. しかし, 癌の組織型および癌周囲組織に対する浸潤増殖様式 (INF) と正診率との間には一定の傾向は認められなかつた.
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林 紀美子, 伊東 進
1987 年 84 巻 4 号 p.
878-888
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
guanase の組織化学的証明法に関する至適条件を確立し, あわせてヒト組織における分布について検討した. 1) 至適条件: 2.5% glutaraldehyde 溶液で15分間固定した後, xanthine oxidase (XOD) 溶液に15分間浸漬する. 0.005M guanine 溶液1.0ml, XOD溶液1.0ml (1mg/ml), NBT溶液0.1ml, 0.2M, pH7.8 phosphate buffer または bicine buffer 11.0mlを含む基質混液に37°C, 2時間浸漬後包埋する.
2) 組織内分布: 肝細胞質, 小腸粘膜上皮, 腎•近位尿細管に活性を認めたが, 他組織には活性を認めなかつた. 本法は, 肝, 腎, 小腸などにおける guanase の生理的意義の究明に有用と考えられる.
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14C-sucrose および32P-orthophosphate の胆汁排泄に対する影響
申 東桓, 阪上 吉秀, 溝口 靖紘, 宮島 慶治, 武田 弘, 関 守一, 小林 絢三, 山本 祐夫, 森沢 成司
1987 年 84 巻 4 号 p.
889-893
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
結核死菌感作モルモットに Propnibacterium acnes 加熱死菌を静注すると肝組織にはリンパ球を主とする免疫担当細胞の浸潤, 集積が出現する. さらに, 特異抗原である精製ツベルクリンを追加静注すると, 催胆汁うつ滞因子が産生されて, 免疫学的に in vivo で肝内胆汁うつ滞が誘導される. この肝内胆汁うつ滞誘導機構をしらべるため, 肝細胞をほとんど通過しないで tight junction (paracellular pathway) を経由して胆汁中に排泄されるとされている
14C-sucrose および
32P-orthophosphate の胆汁への排泄について検討した. その結果, 免疫学的に肝内胆汁うつ滞を誘導したモルモットでは
14C-sucrose および
32P-orthophosphate の胆汁中の排泄には影響が認められなかつた.
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富田 昭, 西原 利治, 大西 三朗
1987 年 84 巻 4 号 p.
894-903
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
B型慢性肝炎13例 (HBe抗原陽性9例, 陰性4例) を対象として, Double filtration plasmapheresis (DFP) を行い, 生体の免疫応答に阻害的に作用すると考えられる血中HBs抗原, HBVの低減を試みた. その結果HBe抗原陽性の2例ではDFP施行後に transaminase の上昇を経てDNA-p活性の陰性化, HBe抗原価の著減あるいは陰性化が観察された. またDNA-p活性低値例ではDFP施行後に血中HBV関連マーカーが著明に上昇する傾向を認めた. 一方, HBe抗原陰性例ではかかる変動を認めなかつた. このようにHBe抗原陽性例を対象としてDFPを施行すると, HBVの増殖が惹起されるとともに生体の免疫応答が改善される可能性があり, DFPはB型慢性肝炎の免疫療法への応用が期待された.
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山口 尚, 新谷 史明, 高橋 渉, 鈴木 範美
1987 年 84 巻 4 号 p.
904-908
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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胆汁中の胆汁酸とカルシウムに注目し, これらの混合溶液によるモデル胆汁を調製し, これを限外濾過 (分画分子量1000) にて高分子相と低分子相とに分画し, それぞれについてカルシウム濃度と細菌性β-グルクロニダーゼ活性抑制効果を測定した. 抱合型胆汁酸は高分子相に存在し, 強いカルシウム捕捉能を有したが, コール酸特にタウリン抱合型コール酸では弱かつた. またβ-グルクロニダーゼ活性抑制効果はデオキシコール酸, ケノデオキシコール酸でタウリン, グリシン抱合型とも同程度に高く, コール酸では低い傾向にあつた. 胆汁中の胆汁酸組成からみてビリルビンカルシウム石例中では反応性カルシウムの存在比例が高くなりやすく, β-グルクロニダーゼが活性を発揮しやすい条件を備えていると考えられた.
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斎藤 英胤, 三浦 総一郎, 金 真淑, 小松 弘一, 沢口 健太郎, 渡辺 守, 朝倉 均, 土屋 雅春
1987 年 84 巻 4 号 p.
909-914
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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住永 佳久, 安田 是和, 田中 昌宏, 小西 文雄, 宮田 道夫, 柏井 昭良, 金澤 暁太郎, 斎藤 建
1987 年 84 巻 4 号 p.
915-919
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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加藤 多津子, 張 正和, 富松 昌彦, 橋本 悦子, 久満 董樹, 小幡 裕
1987 年 84 巻 4 号 p.
920-924
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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曽田 光彦, 森岡 正信, 幡 千栄, 福原 敬, 小林 正伸, 真栗 真, 竹森 信男, 浅香 正博, 桜田 恵右, 松嶋 喬, 宮崎 保
1987 年 84 巻 4 号 p.
925-929
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
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安藤 秀樹, 本井 智子, 渡辺 文時, 宮崎 寛, 大越 裕文, 尾泉 博, 青山 南圭, 嵐山 恭志, 藤田 由美子, 高橋 弘, 清水 ...
1987 年 84 巻 4 号 p.
930-934
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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橋本 光代, 竹内 和男, 中島 正男, 福地 創太郎, 渡辺 五朗, 秋山 洋, 海上 雅光, 原 満
1987 年 84 巻 4 号 p.
935-939
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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松岡 義博, 岡部 信郎, 前田 信敏, 山本 勉, 藤田 晃一, 奥村 恂, 八尾 恒良, 中村 順二
1987 年 84 巻 4 号 p.
940
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
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森田 雅範, 岡崎 和一, 田村 智, 鍵山 惣一, 坂本 芳也, 中田 博文, 中澤 慶彦, 山本 泰朗, 山本 泰猛, 伊藤 憲一, 美 ...
1987 年 84 巻 4 号 p.
941
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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桑原 亮彦, 斉藤 貴生, 小林 迪夫
1987 年 84 巻 4 号 p.
942
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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東 健, 柳沢 孝二, 井口 秀人, 川井 啓市
1987 年 84 巻 4 号 p.
943
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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特に肝硬変症, 急性肝炎について
平岡 俊仁, 小坂 大策, 幸田 忠裕, 梶山 梧朗, 竹野 弘, 今川 勝, 石田 正典
1987 年 84 巻 4 号 p.
944
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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中川 国利, 大和田 康夫, 大内 清昭, 松原 修二, 佐藤 寿雄, 矢島 義昭
1987 年 84 巻 4 号 p.
945
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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仲島 信也, 黒木 哲夫, 倉井 修, 西口 修平, 斉藤 忍, 塩見 進, 針原 重義, 小林 絢三, 山本 祐夫
1987 年 84 巻 4 号 p.
946
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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西原 利治, 松浦 靖, 岩村 伸一, 松永 洋一, 藤川 正直, 栄枝 弘司, 大西 三朗, 伊藤 憲一
1987 年 84 巻 4 号 p.
947
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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正常人について
玉沢 直樹, 米田 政志, 阿部 泰久, 牧野 勲, 武部 和夫
1987 年 84 巻 4 号 p.
948
発行日: 1987年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー