日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
112 巻 , 4 号
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総説
  • 岡 志郎, 田中 信治, 茶山 一彰
    2015 年 112 巻 4 号 p. 649-660
    発行日: 2015/04/05
    公開日: 2015/04/05
    ジャーナル フリー
    大腸ESDは,2012年4月に「早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術」として,早期大腸癌を適用として保険収載されたが,機器の開発・改良や手技の工夫によりその技術的ハードルは徐々に低くなっている.大腸ESDの適応基準は「一括切除が必須であるがスネアによる一括切除が困難な腫瘍性病変」であり,大腸ESD標準化検討部会より提唱された適応が広く受け入れられている.現時点における大腸ESDの主な手技的課題は,高度線維化合併とスコープ操作性不良例への対策である.将来的に大腸T1(SM)癌に対する完全摘除生検手技としての役割が大腸ESDに期待される.
今月のテーマ:大腸鋸歯状病変へのアプローチ
  • 菅井 有, 山本 英一郎, 木村 友昭, 山野 泰穂, 鈴木 拓
    2015 年 112 巻 4 号 p. 661-668
    発行日: 2015/04/05
    公開日: 2015/04/05
    ジャーナル フリー
    鋸歯状病変は,過形成性ポリープ(HP),鋸歯状腺腫(TSA),SSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)に主に分類される.HPの分子異常にはKRASおよびBRAF変異がある.TSAは左側大腸に好発し有茎性形態を示す.TSAにはBRAF変異とKRAS変異を機転とする2つの経路があるが,いずれも癌化の際の分子病型はMSS(microsatellite stable)型とされる.一方SSA/Pは右側大腸にしばしばみられ,無茎性病変が多い.SSA/Pの分子異常は,BRAF変異,CIMP(CpG island methylation phenotype)が特徴的であるが,MSI(microsatellite instability)はSSA/Pの癌化の際にみられることが多い.Annexin A10(ANXA 10)がSSA/Pに特異的であることが報告された.ANXA 10はMSI陽性大腸癌にも特異的に発現しており,MSI陽性大腸癌の分子マーカーになる可能性がある.大腸鋸歯状病変の臨床病理像および分子異常の特徴が明らかになることで,早期の治療ターゲットとして癌の予防や早期治療が可能になるものと思われる.
  • 八尾 隆史, 村上 敬
    2015 年 112 巻 4 号 p. 669-675
    発行日: 2015/04/05
    公開日: 2015/04/05
    ジャーナル フリー
    現在,大腸鋸歯状病変は過形成ポリープ(HP),鋸歯状腺腫(TSA),sessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)に分類されている.TSAは明らかな腫瘍性異型を示す病変であるが,HPとSSA/Pは明らかな腫瘍とは判定できない病変である.SSA/PはHPと同様の細胞から構成されるが,HPではみられない不整な構造と不規則な核腫大をともなう.それぞれの診断基準は一応確立されているが,これらの中間的病変や種々の鋸歯状成分が混在した病変の本質の解明と臨床的に意義のある分類の確立が,今後の課題である.
  • 山野 泰穂, 田中 義人, 松下 弘雄, 吉川 健二郎, 高木 亮, 原田 英嗣, 中岡 宙子, 檜森 亮吾, 吉田 優子, 田中 大貴, ...
    2015 年 112 巻 4 号 p. 676-682
    発行日: 2015/04/05
    公開日: 2015/04/05
    ジャーナル フリー
    近年,大腸鋸歯状病変は大腸癌の前駆病変として注目を集めているが,その一方で臨床診断,取り扱いに関しては混沌としている.そこでわれわれは,大腸鋸歯状病変に対して拡大内視鏡所見を基盤とした病理および遺伝子学的検討を行うtranslational researchを行った.その結果,開II型pit,病理診断:SSA/P,遺伝子解析:BRAF変異,CIMP positiveの高い相関を得ることができ,かつそれ以外のpit構造をともなった病変は病理・遺伝子学的にも発育進展した病変であった.以上から,現状ではこのような拡大所見を呈する病変を治療対象と考える一方で,さらに解明すべき余地があると考える.
症例報告
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