日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
103 巻 , 2 号
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総説
  • 石井 直明
    2006 年 103 巻 2 号 p. 143-148
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/02/06
    ジャーナル フリー
    近年飛躍的に進んでいる老化研究の結果から,老化のメカニズムがインスリン·シグナル伝達経路やカロリー制限が関係する「エネルギー代謝」と,ヘリケースやテロメアが関係し,細胞老化やガン化につながる「細胞分裂」に集約されてきた.この両者は一見,つながりがないように思えるが,エネルギー代謝の副産物として産生される活性酸素による傷害が細胞分裂の停止や細胞死,ガン化に関与することや,インスリン·シグナル伝達経路が細胞分裂を制御しているという報告があることから,老化の基本的なメカニズムが1つのネットワークの中に描かれる日が近いことを感じさせる.
今月のテーマ:肝臓に対する肝移植
  • 市田 隆文
    2006 年 103 巻 2 号 p. 149-155
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/02/06
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対する肝移植の最大の目標は高癌化状態にある背景の病的肝臓と合わせて,正常な肝臓に置換することである.したがって,適切なドナーが存在すれば脳死であれ生体肝移植であれ,積極的に推し進める医療である.しかし,肝細胞癌の生物学的特徴を把握しないで肝移植を行うと,早期にグラフト肝臓や肺,骨などへ腫瘍の出現(新規転移もしくは既存の転移巣の拡大)を認め,予後不良と成る.そのために,ミラノクライテリアなどの適応指針が上梓されている.ただし,これらは欧米の脳死肝移植を主体とした検討で,生体肝移植を中心として発展してきたわが国にそのまま当てはまるとは到底思えない.わが国の肝細胞癌治療の現状を考慮しつつ,内科医の立場から肝細胞癌の生体肝移植の適応を考えると,肝不全進行例はもとより,ミラノクライテリアを逸脱した再発性肝細胞癌も十分にその適応と思われる.
  • 菅原 寧彦, 幕内 雅敏
    2006 年 103 巻 2 号 p. 156-161
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/02/06
    ジャーナル フリー
    肝細胞癌に対する肝移植では,腫瘍数,最大径,血管浸潤の有無が予後を決定する.欧米における脳死肝移植では,基本的にミラノ基準を満たすものを適応としている.本邦での脳死肝移植でも同様の基準であるが,脳死ドナーが少ない状況が続いており,治療手段としては限定的な役割にとどまっている.本邦では,生体肝移植がほとんどであり,全体では2003年12月まで,2669症例が施行された.肝癌に限ると,2004年12月まで,425例行われ,1年,3年生存率は,それぞれ,81%,69%となっている.2004年1月より肝細胞癌でもミラノ基準を満たすものであれば生体肝移植が保険適応となり,今後はますます症例数が増加していくことが予想される.
症例報告
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