日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
108 巻 , 12 号
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総説
  • 浅野 光一, 梅野 淳嗣, 松本 主之
    2011 年 108 巻 12 号 p. 1967-1976
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    近年,ゲノムワイド関連研究をはじめとしたゲノム研究はめざましい進歩を遂げている.炎症性腸疾患(IBD)の領域においても,現在までに約100の関連遺伝子領域が同定され,その結果disease pathwayを想定することが可能となった.しかしながら,IBDの遺伝的要因に未解明の点が多いこと,人種差や環境の差異により疾患関連遺伝子の影響度も異なることなども明らかになってきた.これらを解明するため,同定されたIBD関連遺伝子領域のさらなる詳細な解析に加え,まれな遺伝子多型やコピー数多型の解析,さらに腸内細菌叢などの環境要因と遺伝子との間の相互作用など,さまざまな遺伝的要因に関する研究が続けられている.
今月のテーマ:潰瘍性大腸炎診療 Up-to-Date
  • 鈴木 康夫
    2011 年 108 巻 12 号 p. 1977-1982
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎においては大量ステロイド投与にもかかわらず改善を認めないステロイド抵抗症例,ステロイド投与後寛解に至るもステロイドの離脱困難なステロイド依存症例が存在し,それらは合わせて難治性と定義され,潰瘍性大腸炎治療上難渋する症例群である.以前からcyclosporineやazathiopurine/6-mercaptopurineの投与が試みられ有効とされてきたが,最近,tacrolimusやintensive cytapheresis,そしてinfliximabの治療が開始され,難治症例に対する有効性が期待されている.また,潰瘍性大腸炎の難治化にcytomegalovirus感染性腸炎の合併が注目されている.
  • 高橋 成一, 木内 喜孝, 遠藤 克哉, 志賀 永嗣, 下瀬川 徹
    2011 年 108 巻 12 号 p. 1983-1995
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎の寛解維持療法は,ステロイドを使用せず,サリチル酸製剤をアドヒアランスを考慮し長期に継続することが重要である.それでも易再燃性やステロイド依存性を示す場合は,チオプリン製剤が用いられる.インフリキシマブで寛解導入された症例では,特に中止すべき理由がなければ,8週間隔の維持投与が継続される.大腸癌死を減少させるために,8年ないし10年以上経過した全大腸炎型または左側大腸炎型の潰瘍性大腸炎には,サーベイランス内視鏡検査を行う.色素内視鏡と狙撃生検が今後の標準的手法となる可能性がある.
  • 杉田 昭, 池内 浩基, 舟山 裕士, 木村 英明, 飯合 恒夫, 二見 喜太郎, 板橋 道朗, 小金井 一隆, 佐々木 巌, 渡辺 守
    2011 年 108 巻 12 号 p. 1996-2002
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/12/05
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎に対して,初期に行われた大腸全摘,回腸人工肛門造設術,または結腸全摘,回腸直腸吻合術と,現在主流を占める大腸全摘,回腸嚢肛門吻合術,または回腸嚢肛門管吻合術症例の長期予後を,多施設共同研究(厚生労働省難治性炎症性腸管障害に関する調査研究班)によって検討した.対象は初回手術後5年以上経過した集計例552例で,術後長期経過例の排便機能は回腸嚢肛門吻合術,回腸嚢肛門管吻合術,直腸温存術ともに良好であり,術後合併症のなかでは痔瘻,腸閉塞,肛門狭窄の頻度が高かった.永久回腸人工肛門造設術症例を含めた各手術群で,日常生活,仕事,食事の制限はなく,旅行も可能で,術後妊娠,出産例もあり,術後長期を経過した本症手術例のquality of life(QOL)は良好であった.術後長期にわたるQOLは良好であることから,手術適応を十分考慮して適応のある症例には時期を失せず,手術を行うことが重要である.
原著
症例報告
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