日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
101 巻 , 6 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
総説—第45回大会から—
  • 金子 榮藏
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 6 号 p. 571-577
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    およそ30年間に及ぶ内視鏡関連偶発症の全国調査から偶発症の内容, 頻度などを明らかにし, とくに問題の多い前処置, ERCP, 大腸内視鏡などについて対策を述べた. 最近の動向としては, 胆嚢摘出術以外の腹腔鏡下手術, 粘膜剥離法などの偶発症頻度が高く新しい手技を実施する場合には慎重な対応が求められる.
    検査に当たってはインフォームドコンセントをはじめリスクマネージメントの視点から安全な検査を目指すことの重要性を強調した.
今月のテーマ : わが国のC型肝炎の現状
  • 八橋 弘
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 6 号 p. 578-584
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    日本は, HCV感染率では高罹患国でないにもかかわらず, 世界中の中で日本ほどHCV感染による肝発癌のリスクが高い国はない. HCV感染者における肝発ガンのリスク要因としては, アルコールや性差などの多くの因子が考えられるが, その中でも年齢の因子が大きく関与していると思われる. すなわち, 日本のHCV感染者に肝癌が多い理由としては, 1) HCV感染による肝癌好発年齢が60歳代である, 2) 現在の日本のHCV感染者が60歳以後の高齢者に大きな集団を形成している, という二つの要因が現在重なっているからと考えられる.
  • 泉 並木, 朝比奈 靖浩
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 6 号 p. 585-590
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    わが国ではインターフェロン (IFN) が効きにくいゲノタイプ1b型で高HCV RNA量の難治性C型慢性肝炎症例が60%以上を占める. 2001年12月からリバビリン (RBV) ・IFNα2b併用が, 2003年12月からペグIFNα2a単独の治療が健康保険適応になった. しかしRBV併用は24週間のみ, ペグIFNは単独でのみ使用できる. 海外ではRBVとペグIFN併用による48週間の治療により全症例で50%を超えるウイルス排除が得られ, 標準的治療法となっている. 現状のわが国ではゲノタイプ1b型の難治例に対する著効率はRBV+IFNα2b併用で20%, ペグIFN単独48週間では17%であり, 欧米と同様のRBV+ペグIFN併用による48週間の治療が行える日が待たれる.
原著
  • 尾田 典隆, 小野 祐子
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 6 号 p. 591-597
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    Yamamoto-Kohama(Y-K)分類は口腔扁平上皮癌の浸潤様式を評価する組織分類であり, 予後因子に相関する有用な組織学的指標とされている. 食道扁平上皮癌においてもその有用性が期待されることから, 食道癌手術症例の生命予後とY-K分類との関係を検討した. その結果, びまん性浸潤を示す4D群で有意な累積生存率の低下を認めた. さらに扁平上皮の分化マーカーであるインボルクリン蛋白に対する免疫組織学的検索では, 比較的予後良好なpStageIIに比してpStageIIIで陰性例が増加した. 食道扁平上皮癌の高悪性群選別にY-K分類やインボルクリン免疫染色が有用な補助的マーカーである可能性が示唆された.
  • 重戸 伸幸, 清水 慎一
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 6 号 p. 598-608
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    慢性型ITP61例のHelicobacter pylori 陽性率と除菌効果を検討した. 61例中53例 (86.9%) がH. pylori 陽性であった. 44例に除菌療法を施行し28例 (63.6%) に成功した. 除菌成功28例中20例 (71.4%) に除菌有効で15例 (53.6%) には寛解が得られた. その効果は1年以上 (最長2年) 経過した現在も続いている. 次にITPと上部消化管病変の検討では, H. pylori 陽性53例中胃潰瘍2例 (3.8%), 十二指腸潰瘍1例 (1.9%), 胃癌1例 (1.9%) を認め, 53例全例に慢性萎縮性胃炎を認めた. 特に粘膜萎縮が限局した症例は除菌後ITPの寛解が得られた.
症例報告
  • 前田 憲男, 村井 理恵, 中澤 敦, 鈴木 修, 水野 嘉夫, 山本 友喜人, 清水 興一, 日比 紀文
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 6 号 p. 609-615
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    症例は50歳女性. 慢性関節リウマチにて加療中, 2カ月以上続く下痢と体重減少を認め入院. 腹部は膨満し, X線上, 横行・下行結腸の著明な拡張像を認めた. アミロイドーシスによる慢性偽性腸閉塞症と診断しTPN管理を行ったが改善を認めず, ネオスチグミンの反復投与により症状の改善が得られた. 急性偽性腸閉塞症に対するネオスチグミン投与の有効性は知られているが, 慢性例においても試みる価値があると思われた.
  • 高田 弘一, 堀田 彰一, 目黒 高志, 井上 善之, 中村 英明, 丸谷 真守美, 加藤 貴司, 森田 高行, 長嶋 和郎, 河野 豊, ...
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 6 号 p. 616-621
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    症例は52歳, 男性. 平成12年1月よりC型慢性肝炎にて当院外来にて経過観察していた. 平成14年1月腹部造影CTにて肝S7に肝血管腫を疑わせる腫瘍性病変を認めた. 同部位は4カ月後には腫瘍径が約4倍に増大していた. 画像上肝細胞癌は否定的で, 鑑別診断として肝炎症性偽腫瘍, 混合型肝細胞癌および胆管細胞癌 (CCC) が考えられた. 同腫瘍に対して肝右葉切除を施行した. その結果, 腫瘍内部に出血壊死をともなう低分化型CCC stage IVAであった. 術後3カ月後に癌性胸腹膜炎を合併し, 化学療法を施行するも効果なく永眠された. CCCにおいて出血壊死をともなうことはまれで, また, 画像で腫瘍の急速な増大を捉えられた貴重な症例と考え報告した.
  • 元好 朋子, 阪上 順一, 片岡 慶正, 伊藤 令子, 高田 龍介, 金光 大石, 保田 宏明, 光藤 章二, 岡上 武
    原稿種別: その他
    専門分野: その他
    2004 年 101 巻 6 号 p. 622-628
    発行日: 2004年
    公開日: 2005/05/13
    ジャーナル フリー
    症例1は57歳女性, 症例2は39歳男性, ともに悪心嘔吐を主訴に受診. 精査にて膵頭部から十二指腸下行脚に腫瘤様陰影を認めた. Groove pancreatitisを疑い保存的治療を開始し, 約1カ月後病変は消失した. 自験例は慢性膵炎の診断に至らず, 従来の報告より肛側に炎症の主座をもつ点でgroove pancreatitisとしては非典型的であったがこのような症例も保存的治療を試みるべきと考えた.
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