日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
112 巻 , 10 号
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総説
  • 瀬戸 泰之, 山下 裕玄
    2015 年 112 巻 10 号 p. 1769-1775
    発行日: 2015/10/05
    公開日: 2015/10/05
    ジャーナル フリー
    食道胃接合部癌が増加していると考えられている.食道胃接合部の診断は内視鏡による食道柵状血管の下端とする基準が優先される.食道胃接合部癌は食道胃接合部上下2 cm以内に中心をもつ腫瘍とする西分類がわが国では汎用されている.外科治療においては,暫定的ながら胃中下部のリンパ節郭清は不要とのアルゴリズムが示された.内視鏡治療では,いまだ治癒基準が確立されておらず(特にバレット),今後の課題となっている.世界的にはあらたな分子標的治療薬も含めた集学的治療の重要性が示唆されている.
今月のテーマ:食道胃接合部癌の診断と治療
  • 後藤 修, 矢作 直久
    2015 年 112 巻 10 号 p. 1776-1784
    発行日: 2015/10/05
    公開日: 2015/10/05
    ジャーナル フリー
    食道胃接合部は複雑なリンパ流やBarrett食道の存在などのため,食道や胃から独立した領域として考えられている.食道胃接合部の内視鏡診断基準は国際間で乖離があり,解剖学的特性や視認性を考慮した定義の統一が望まれている.食道胃接合部に発生する癌には食道扁平上皮癌,胃噴門部癌,Barrett食道癌が含まれ,臨床的にはそれぞれの診断ストラテジーに従って範囲および深達度診断が行われている.リンパ節転移の可能性が極めて低いと考えられる病変に対しては内視鏡的切除が有効な治療法と考えられるが,食道胃接合部に焦点を絞った転移リスクの判定に関しては十分なエビデンスがないため,食道胃接合部ワーキンググループによるデータ解析が待たれる.
  • 黒川 幸典, 瀧口 修司, 森 正樹, 土岐 祐一郎
    2015 年 112 巻 10 号 p. 1785-1790
    発行日: 2015/10/05
    公開日: 2015/10/05
    ジャーナル フリー
    食道胃接合部癌のリンパ行性転移は縦隔側と腹側の両方に見られ,縦隔リンパ節を郭清するためのアプローチ法としては,食道浸潤長が3 cm以内のSiewert II・III型の腺癌に対しては開腹経裂孔アプローチ,その他の腺癌や扁平上皮癌に対しては右開胸アプローチが標準的と考えられる.一方,腹腔内リンパ節を郭清するための胃切除術式としては,扁平上皮癌やSiewert I・II型の腺癌に対しては胃局所切除(胃管)や噴門側胃切除で十分と考えられるが,その他の腺癌に対しては胃全摘が必要と考えられる.正確なリンパ節転移割合を元に至適郭清範囲を決定するため,多施設共同前向き研究が現在進行中である.
  • 須藤 一起, 本間 義崇, 加藤 健
    2015 年 112 巻 10 号 p. 1791-1799
    発行日: 2015/10/05
    公開日: 2015/10/05
    ジャーナル フリー
    日本では食道胃接合部癌は頻度が比較的少なく,治療の標準化が進んでいない.扁平上皮癌は局所進行癌,進行再発癌ともに食道扁平上皮癌に準じた治療が選択されている.局所進行腺癌は胃癌に準じて,リンパ節郭清をともなう切除術および術後S-1療法が選択されているが,開胸手術を必要とする場合は術後補助療法では治療強度が保てない可能性がある.一方,欧米では術前術後化学療法や,術前化学放射線療法が用いられているが,局所再発割合は日本よりも多いとされる.さらなる改善を求めるには,遠隔転移の制御を念頭に,治療戦略を構築する必要がある.進行再発食道胃接合部腺癌は,胃癌に準じた全身化学療法が施行されている.
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