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三池 忠, 山本 章二朗, 田原 良博, 蓮池 悟, 船ヶ山 まゆみ, 前原 直樹, 田中 弘之, 秋山 裕, 千々岩 一男, 下田 和哉
2014 年 111 巻 7 号 p.
1376-1383
発行日: 2014/07/05
公開日: 2014/07/05
ジャーナル
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症例は49歳,女性.2007年10月に発熱,下血を発症.炎症反応高値,貧血,肝胆道系酵素の上昇を認め,腹部CTにて肝腫瘤,右下腹部腫瘤を認め当科紹介.経皮的肝腫瘤生検にて
S. constellatusを検出し,肝膿瘍と診断.腹部血管造影にて小腸腫瘍が疑われ,11月に小腸部分切除術を施行.病理診断は小腸GISTであった.小腸GISTに肝膿瘍を合併したまれな症例であり,文献的考察を加えて報告する.
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馬場 洋一郎, 内山 智子, 濱田 賢司, 石原 禎子, 田中 宏樹, 磯野 功明, 齋藤 知規, 向 克巳, 村田 哲也, 味岡 洋一
2014 年 111 巻 7 号 p.
1384-1390
発行日: 2014/07/05
公開日: 2014/07/05
ジャーナル
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45歳女性.持続する腹痛にて当院入院となり,精査の結果,S状結腸に全周狭窄をともなう4型病変が認められた.鉗子生検と腹水細胞診により低分化型癌と診断され,外科的切除が行われた.術後,急速な腹水増加と全身状態の悪化により,症状出現後6週間で死亡した.剖検を含む組織学的検討において,本症例は予後不良で高悪性度病変である極めてまれな,rhabdoid featureを呈する大腸未分化癌であることが確認された.
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伊早坂 舞, 安達 雄哉, 飯田 智哉, 三橋 慧, 田中 道寛, 近藤 吉宏, 鈴木 隆, 田沼 徳真, 笠井 潔
2014 年 111 巻 7 号 p.
1391-1398
発行日: 2014/07/05
公開日: 2014/07/05
ジャーナル
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症例は60歳女性.職場健診にて胃の異常を指摘され当科初診.上部消化管内視鏡にて胃体下部から角部小彎,前壁にかけて,隆起性病変と隣接する褪色調粘膜と襞集中像を認めた.生検より前者からは胃腺癌を,後者からはmucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫の病理所見を得たため,MALTリンパ腫と胃癌の衝突腫瘍と診断した.腺癌に対し内視鏡的粘膜剥離術を,MALTリンパ腫に
H. pylori除菌治療を行い,結果,胃を温存したまま治癒切除,寛解を得ることができた.
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東 慶之介, 辻 重継, 辻 国広, 吉田 尚弘, 冨永 桂, 竹村 健一, 山田 真也, 稲木 紀幸, 車谷 宏, 土山 寿志
2014 年 111 巻 7 号 p.
1399-1407
発行日: 2014/07/05
公開日: 2014/07/05
ジャーナル
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症例は60歳代男性.腹部大動脈周囲のリンパ節腫大をともなう進行胃癌に対して胃全摘術が施行され,その後化学療法が行われていたが,突然の呼吸困難感が出現し緊急入院となった.画像上リンパ節転移は縮小していたが,原因不明の肺高血圧症の急激な進行を認め死亡し,剖検にてPTTMと診断した.原因不明の進行性の肺性心に対してはPTTMも鑑別診断にあげるべきであり,病勢のコントロールが良好であっても念頭におく必要がある.
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林 学, 鈴木 智浩, 松橋 暢生, 市井 統, 田井 真弓, 江尻 豊, 箱崎 半道, 大平 弘正
2014 年 111 巻 7 号 p.
1408-1415
発行日: 2014/07/05
公開日: 2014/07/05
ジャーナル
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症例は70歳男性.1991年に回腸の神経内分泌腫瘍(NET)で切除の既往あり.術後20年目の2011年に多発肝腫瘤を指摘された.肝腫瘍生検にてNETを認め,回腸NETの肝転移と診断し,肝動注塞栓術,オクトレオチド徐放剤,ラジオ波焼灼術による治療を行った.消化管NETは術後長期間を経て再発することが知られてはいるが,20年後に再発した例はまれであるため文献的考察を含めて報告する.
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楠本 聖典, 浜田 暁彦, 日下 利広, 山口 大介, 吉岡 拓人, 中井 喜貴, 松原 進, 畦地 英全, 藤井 茂彦, 國立 裕之
2014 年 111 巻 7 号 p.
1416-1423
発行日: 2014/07/05
公開日: 2014/07/05
ジャーナル
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症例は64歳,男性.下痢,発熱,意識障害で発症し急性腎障害と肝障害を認めた.腹部CTでガス産生性肝膿瘍を認め緊急ドレナージを施行したが改善せず,血液培養で
Clostridium perfringensを認めた.ドレナージチューブを追加留置し持続灌流ドレナージを行い,膿瘍の縮小と全身状態の改善を認めた.救命率の低い
Clostridium perfringensガス産生性肝膿瘍を救命し得たため報告する.
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塩谷 淳, 西村 貴士, 西田 淳史, 稲富 理, 馬場 重樹, 佐々木 雅也, 安藤 朗, 藤山 佳秀
2014 年 111 巻 7 号 p.
1424-1432
発行日: 2014/07/05
公開日: 2014/07/05
ジャーナル
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ソラフェニブの副作用として多形紅斑が知られており,出現した際は投与中止が原則である.われわれは,ソラフェニブ投与による多形紅斑出現後ステロイド併用下にソラフェニブ再投与を行い,皮疹の再出現なく肝細胞癌のコントロールが良好となった2症例を経験した.極めて慎重に行う必要があるが,ソラフェニブ治療が強く推奨される場合には,再投与も考慮できる可能性がある.
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星 智子, 藤井 善憲, 奥山 俊介, 田中 裕一, 木村 昇, 毛利 陽一, 髙谷 晴夫, 梶村 幸三
2014 年 111 巻 7 号 p.
1433-1440
発行日: 2014/07/05
公開日: 2014/07/05
ジャーナル
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38℃台の発熱と肝胆道系酵素の上昇を主訴に紹介され,肝生検から診断に至った血管内リンパ腫(intravascular lymphoma;IVL)の2症例を報告する.症例1は診断に至ったものの化学療法が間に合わず救命できなかったが,症例2は早期診断から早期に化学療法を施行できたため寛解導入に成功した.IVLの早期診断法として肝生検は有用な方法の1つと考える.
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