日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
111 巻 , 7 号
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総説
  • 福土 審
    2014 年 111 巻 7 号 p. 1323-1333
    発行日: 2014/07/05
    公開日: 2014/07/05
    ジャーナル フリー
    過敏性腸症候群とは,腹痛と便通異常が関連し合いながら慢性に持続し,かつ,通常の臨床検査では愁訴の原因となる器質的疾患を認めないという概念の症候群である.その病因を,外因と内因,消化管と中枢神経系レベルの病態を惹起するものに分類する.消化管の外因として最近特に着目されているのが腸内細菌であり,次いで食物である.中枢神経系の外因として関与が確実なのは,患者に負荷される心理社会的ストレッサーである.消化管の内因として粘膜炎症が重要であり,最近,炎症に関連した現象として粘膜透過性亢進が着目されており,これらの背景にはゲノムがある.中枢神経系の内因として,ゲノム,エピゲノム,神経可塑性が存在する.
今月のテーマ:過敏性腸症候群Up to date
  • 奥村 利勝
    2014 年 111 巻 7 号 p. 1334-1344
    発行日: 2014/07/05
    公開日: 2014/07/05
    ジャーナル フリー
    過敏性腸症候群(IBS)の病態に内臓知覚過敏と消化管運動異常が関与し,この病態理解には脳腸相関の概念が非常に重要である.本稿では,脳腸相関の観点から,IBSの病態を概説した.内臓知覚過敏は最近の脳画像イメージングの進歩により,視床-島皮質-前帯状回という上行性内臓痛経路の活性化とそれを修飾する中脳中心灰白質などの下行性経路の機能異常が重要であることが明らかにされつつある.一方,消化管運動調節に関わる中枢機構は多くの分子が関与する可能性がある.その中でもオレキシンは消化管運動調節に加えて,IBS患者の多様な病態を一元的に説明しうることから,IBSの病態における脳内オレキシンの意義を考察した.
  • 千葉 俊美, 松本 主之
    2014 年 111 巻 7 号 p. 1345-1352
    発行日: 2014/07/05
    公開日: 2014/07/05
    ジャーナル フリー
    過敏性腸症候群(IBS)はRome III診断基準に基づいて診断し,ブリストル便形状スケールを用いて便秘型IBS,下痢型IBS,混合型IBS,分類不能型IBSの4つのサブタイプに分類している.器質的疾患の除外のためにIBS診断フローチャートを用いて警告症状・徴候と危険因子の有無を確認し,下部消化管内視鏡検査などが必要である.他の機能性消化管障害,疼痛関連疾患および精神疾患の併存はIBSを重症化している.消化管運動機能検査,内臓知覚検査,PETやMRIによる脳活性化部位などが検討されているが,確実な診断指標までには至っておらず,最も重要な診断手順は十分な病歴の聴取である.
  • 秋穂 裕唯, 中村 和彦
    2014 年 111 巻 7 号 p. 1353-1358
    発行日: 2014/07/05
    公開日: 2014/07/05
    ジャーナル フリー
    過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome;IBS)の薬物療法について概説した.薬物療法は食事と生活習慣を指導した後に,消化管主体の治療を行う.第1選択薬としてプロバイオティクス,高分子重合体,消化管機能調整薬を使用する.症状の改善が不十分な場合は,症例ごとに優勢な症状に対して止痢薬,抗コリン薬,下剤などの薬物を追加する.また5-HT4刺激薬,抗アレルギー薬,漢方薬,抗うつ薬,抗不安薬も治療効果を有する.近年有効性の高い男性下痢型IBSに対する5-HT3拮抗薬,便秘型IBSに対するCIC-2賦活剤が登場した.IBSの病態機序のさらなる解明と治療薬の開発が期待される.
座談会
症例報告
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