日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
74 巻 , 12 号
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  • 斎藤 紀雄
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1631-1641
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    clamping法を用いて, ラットに実験的胃潰瘍を作成し, 再生粘膜直下の結合組織細胞の動態を4週間にわたり電子顕微鏡により観察した. 潰瘍初期に於いては, macrophageを主体とするphagocyticcellが中心となり潰瘍部の浄化にあたる. その後fibroblastにより膠原線維, 基質形成が進む. その中で再生粘膜の増殖, 分化が起るが, その粘膜中には, 時折, lymphocyte, mesenchymal cellが観察された. 潰瘍治癒期のlaminapropria mucosaeでは, しぼしばmacrophage, plasma cell, eosinophilが密接な関係をもつて出現した. これら胃におけるconnective tissue cellは線維形成を促進するのみならず, 粘膜上皮細胞の分化, 発育にもleader callとなる重要な役割を果すものと考えられる.
  • 杉山 貢
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1642-1649
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    本研究は消化管ホルモン, 特に内因性ガストリンの胎盤通過性の有無と母児相関を明らかにし, 内分泌ホルモンと消化管の発生・発育との関連性を解明するために行つた.
    1. 正常分娩時において, 娩出直後の母体股動脈および臍帯動・静脈血中のガストリン値をradioimmunoassayにて測定し, 比較した.
    2. 妊娠マウスに油性合成ヒトガスニン (S・H・G) を分娩まで連続投与し, 出産直後の新生仔の胃を形態学的に検討した.
    娩出直後の血清ガストリン値は母体股動脈血中では65.4±11.6Pg/ml, 児臍帯動脈血中では69.0±12.1Pg/ml, また児膀帯静脈血中では67.5±15.3Pg/mlであり, この三者の間には有意の差はなかつた.妊娠マウスにS・H・Gを連続投与すると, 新生仔の胃の重量は対照群より平均32.6%重く, また大きさにおいても平均33.3%増加していた. これらの事実より母体の内因性ガストリンは胎盤を通過すること. また胎児は母体の血中ガストリンの影響下にあり, マウスの胎生期において母体中のガストリンは胎児の胃の発生・発育を促進する作用 (troPhic actnon) があることが判つた.
  • 長田 敦夫, 吉沢 晋一, 本間 達二, 小田 正幸
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1650-1659
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎の病因を明らかにする目的で, 成因を異にする5種類の実験的慢性膵障害-1.膵管不完全閉塞, 2.エチオニン膵障害, 3.低蛋白食飼育, 4.アジュバント膵障害, 5.慢性アルコール投与-を作製し, ヒト慢性膵炎とそれらの膵腺細胞および膵管起始部について電顕像の面より比較検討した.
    慢性膵炎の成立, 進展には膵腺細胞系, 膵管系の両者の変化が相互に関連するものと考えられた. しかし成因によりこの両者の比重は異なり, とくにアルコール性では膵管起始部の所見が優位であると想定された.
  • 土屋 雅春, 森実 敏夫, 渡辺 哲, 土本 寛二, 柏崎 一男, 亀谷 麟与隆, 大塚 秋二郎
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1660-1668
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝癌患者の末梢血リンパ球を用い, 継代培養しているヒト肝癌細胞に対するcytotoxicityを追及し, HeLa細胞に対する効果と対比した. また, PHA添加, 非添加によるcytotoxicityの差異についても検討した. PHA非添加でのHeLa細胞, 肝癌細胞に対するcytotoxidtyは, 健常者リソパ球のcytotoxicityと差はなく, 特異的cytotoxicityは検出できなかつた. PHA添加でのHeLa細胞, 肝癌細胞に対するcytotoxicityは, 肝癌患者で有意に低下していた. PHAによるリンパ球の幼若化と, HeLa細胞に対するPHA inducedcytotoxicityを同時に測定し, 両者を比較してみると, 肝癌では幼若化, cytotoxicityとも低下しているが, 幼若化低下の程度から予想される程cytotoxicityは低下していなかつた.
  • 山崎 隆一郎
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1669-1678
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝硬変時増加する小腸内細菌の胆汁酸脱抱合について呼気分析法を用いて検討を加え, 同時に細菌学的検索を行なつた. 14C-Giycinecholate投与後の呼気分析で, 腸内細菌による胆汁酸脱抱合充進例では, 14CO, の呼出率が増加する. 肝硬変症31例中4例では14CO2呼出率の著るしい増加を認め, 同時に行なつた細菌検索で胆汁酸脱抱合能を有するenterococcus, Staphylococcus epidermidis, Corynebacterium, Eubacterium等を105/0.5ml小腸液以上検出した.残る27例は14CO, 呼出率も低値にとどまり, 細菌学的にも有意の増加がなかつた. 従がつて肝硬変時増加した小腸内細菌は胆汁酸脱抱合の充進に寄与していることが判明した.
  • 原 建樹
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1679-1688
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    肝炎における肝細胞障害の機構の一端を解明すべく, 51Cr標識Chang肝細胞を標的細胞にして肝炎患者末梢血リンパ球の細胞障害性, および, そのエフェクター細胞を検索した.
    急性肝炎極期4例全例, 慢性活動性肝炎13例中9例に健常対照者より強い細胞障害性を認め, 慢性遷延性肝炎は1例を除いて異常を示さなかつた.
    細胞障害性の増強していた急性肝炎極期3例と慢性活動性肝炎9例の末梢血リンパ球を羊赤血球ロゼット形成細胞のConray-Ficoll比重遠心法によりT cell分画とnon-Tcell分画に, さらに後者の5例のnon-Tcell分画を抗ヒトFab抗体結合Sephadexカラムを使用して, 表面Ig陽性Bcell分画と表面Ig陰性“Kcell”分画に分離した. 各分離リンパ球の検索によりnon-Tcell分画中の“Kcell”分画が顕著に強い細胞障害性を有していた.
    3-10週後の再検査により, 慢性活動性肝炎における増強した細胞障害性の長期持続を認めたに反し, 予後良好な急性肝炎では回復過程の比較的早期においてその細胞障害性は既に低下していた.
    これらの事実は, 末梢血リンパ球, とりわけ“Kcell”の細胞障害性の有無が肝疾患における肝細胞障害の一因であることを示唆していると考えられる.
  • 倉塚 均
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1689-1698
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    副甲状腺ホルモンの消化性潰瘍発生に及ぼす効果について, ウィスター系雄性ラットを用い, 実験的に検討し, 次の様な結果を得た.
    副甲状腺ホルモン投与により, 表在性あるいは深在性胃粘膜欠損を16.7%に認めた. ヒスタミンやdl-エチオニンの副甲状腺ホルモンとの併用投与は, 潰瘍発生の頻度を増加せしめたが, 塩化カルシウム投与群では, 潰瘍の発生はみられなかつた.
    副甲状腺ホルモンの投与は, 空腹時胃液酸度にほとんど影響を与えなかつたが胃粘膜ヘキンサミン含有量は, 有意に減少した. 一方ヒスタミンの投与やdl-エチオニン肝膵障害は, 胃粘膜ヘキンサミン含有量にほとんど影響を与えなかつた.
    以上の結果より, 副甲状腺ホルモン投与による消化性潰瘍の発生は, 胃粘膜mucosal barrierとしてのヘキンサミンの減少と関係が深いと考えられた.
  • 谷口 勝俊
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1699-1707
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    胃内容排出機能検査として現在最も優れた方法であるアイソトープ経口投与による胃シンチグラムの確立を計るべく, 核種に99 mTc sulfur colloidを用いて, 基礎的, 臨床的検討を行つた. 動物実験で99mTcsulfur colloidの安定性, 非吸収性が確認された為, 本剤でラベルした特定の試験食を正常例, 消化性潰瘍症例に用いhalf gastric emptying time (T1/2) を検討した. その結果T1/2の平均は正常例が57分, 胃潰瘍例が61分, 十二指腸潰瘍例が22分であつた. 各群のGastrogramの相関係数も高く, 信頼度の高い検査である. 本法は患者に苦痛を与えることなく, 簡単, 正確かつ安全に行えることが出来る.
  • 神谷 知至, 安楽岡 滋, 奥野 府夫, 石井 裕正, 土屋 雅春, 平松 京一
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1708-1714
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    慢性膵炎患者29名を対象に, 選択的腹腔動脈・上腸間膜動脈造影 (SCA-SSMA) を施行した. 16例にはさらに背側膵動脈にカテーテルを挿入し, 超選択的造影 (SDPA) を施行しえた. これらの所見と内視鏡的膵胆管造影法 (ERCP), 経ロブドウ糖負荷試験 (OGTT), P-S 試験成績等を比較検討した. SDPAではSCA-SSMAと比較し, 膵固有動脈の口径不整・狭窄, hypervascularity, 実質相の濃染の出現率が高く, 特に濃染は81%と有意に (P<0.05) 高かつた. 病悩期間が10年以上の例ではSCA-SSMAでhypervascularity, 濃梁が全く見られず, 周囲動脈の不整が70%と特徴的であつた. ERCP高度変化群では膵固有動脈径不整50%, 周囲動脈不整が83%であり, 軽度変化群ではこれらは全く認められなかつた. OGTT施行例では, 一般に耐糖能異常が強いほど膵固有動脈径不整, 周囲動脈不整が高頻度となり, hypervascularity, 濃染は低くなる傾向がみられた. P-S試験施行6例では一般に膵固有動脈径不整, 濃染が多く, 飲酒歴を有する例では膵動脈径不整, 濃染が高頻度であつた. 膵血管造影 (とくにSDPA) は慢性膵炎の診断法の一つとして非常に有用である
  • 小笠原 徹也, 鬼原 彰
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1715-1723
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    実験的肝障害ラットの膵内分泌機能を検討した. CCl4, 投与による急性肝障害群の空腹時グルカゴン (IRG) には対照群と差異を認めないが, 慢性障害群では有意の上昇を示した. 血中インスリン (IRI) は逆に前者で有意の上昇を示したが, 後者では対照群と差異を認めなかつた. 一方アルギニン刺激に対しては急性障害群の血中IRG反応は対照群と差異を認めないが, 慢性障害群では有意の過剰反応を示し, 血中IRI反応は前者では高反応を認めたが, 後者では逆に低反応を示した.これをI/Gモル比の変動としてみると, 急性障害群で上昇し, 慢性障害群では低下を示した. 以上より両ホルモンの血中動態とその相互関係は, 障害肝細胞の病態と密接に関連するものと推測された.
  • 秋元 博, 青木 照明, 猪又 義光, 佐々木 昭治, 須田 健夫, 櫛田 正敏, 長尾 房大
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1724-1734
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 清水 道彦, 河村 奨, 富士 匡, 青山 栄, 中村 克衛, 竹本 忠良, 土井 悌, 伊藤 陽貳, 前谷 昇, 針間 喬, 森本 哲雄, ...
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1735-1742
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    1971年1月~1976年12月までの7年間に24例の胆のう癌を経験した. 24例中14例にEPCG又はPTC検査を施行し, その造影所見よりうち11例 (79%) が術前診断可能であつた. 一方この検査を施行しなかつた10例では, 術前診断が可能であつた症例は1例もなかつた.この事より胆のう癌診断の為にEPCG又はPTC検査は非常に有効な検査法であつた. しかしその手術成績は全く不良で, 治癒切除4例 (17%) をふくめて, 切除可能であつた症例は10例 (42%) にすぎなかつた. 予後では, 長期生存例はなく, 最高1年以上生存中1例のみで, 多くは6ヵ月以内に死亡している. したがつて, より早期の胆のう癌発見が望まれる.
  • 木村 健, 山中 桓夫, 井戸 健一, 関 秀一, 笠原 小五郎, 森岡 恭彦, 伊東 紘一, 林 明徳, 小池 盛雄
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1743-1752
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    膵癌の疑われた7例に超音波画像ガイドによる経皮的膵生検を施行した. 外径0.6mmの穿刺針を用い, 超音波画像ガイドにより正確に膵腫瘍部位よりaspiration biopsyを施行し, 6例に診断学的に有意な形態と細胞数を有する標本が得られた. 出血等の合併症は何ら認められなかつた.
    本法は, 超音波技術を用いるため特別な技術を要せず, 非観血的に, 患者にほとんど苦痛を与えることなく, 容易に且つ迅速に施行することができ, さらに反復穿刺も可能である. また, 穿刺部位の制約もない. 極めて細い穿刺針を用いるため, 安全性も高い. 膵癌の早期診断を含め, 膵疾患の診断に有用と考えられる.
  • 宮谷 信行, 澤武 紀雄, 米田 正夫, 中島 真, 島崎 圭一, 牧野 博, 河合 昂三, 服部 信
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1753-1758
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 森下 玲児, 堂前 尚親, 内野 治人, 足立 幸彦
    1977 年 74 巻 12 号 p. 1759-1763
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    同一家系の二姉妹にみられた体質性過ビリルビン血症について報告する. 二症例とも最初何ら自覚症状なく思春期に黄疸を認められ, 某院に精査の目的で入院している. 当時の妹 (発端者) の検査成績は肝機能検査は正常であるが, 総ビリルビン3.4mg/dl, 直接型ビリルビン2.6mg/dlと黄疸を認め, 肝生検の所見も肝細胞内に異常色素沈着はみられず殆んど正常であつた.当時の姉の検査成績は入手出来なかつた. 最近発端者である妹が近医で黄疸のため慢性肝炎の診断のもとに加療をうけていたが, はかばかしくないため本院内科を受診し, 種々の検査の結果Rotor型の体質性過ビリルビン血症と診断した. 今回この家系の詳しい検査を肝機能検査ならびにICG排泄試験を中心に行う機会を得たので報告する. Rotor型の体質性過ビリルビン血症は8人の兄弟, 姉妹のうち検索し得た7人のうち2人の姉妹にみられた. これら2症例でICG体重キログラムあたり0.5mgの静脈内投与後15分の停滞率はともに82.0%であり, その血漿消失率は同じく0.013と著明な遅延を示した. またBSPの45分後停滞率, 血漿消失率もともに高度の異常を示した. Dubin-Johnson症候群に特徴的な所見とされるBSPの再上昇現象も二症例とも認めなかつた. 家系調査では父親は死亡していて検査し得なかつたが, 他の家族では母親がICG15分停滞率が12.8%とやや高値を示した以外, 肝機能検査, ICG停滞率ともすべて正常であつた. この母親は既往歴に肝炎に罹患した事実もないため, Rotor症候群のHeterozygoteの可能性もあるが, その証拠は得られなかつた. Rotor型体質性黄疸のICG排泄異常について考察を加えた.
  • 1977 年 74 巻 12 号 p. 1764-1798
    発行日: 1977/12/05
    公開日: 2011/06/17
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