日本消化器病学会雑誌
Online ISSN : 1349-7693
Print ISSN : 0446-6586
71 巻, 3 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 浪久 利彦, 黒田 博之, 久内 徹, 小林 教雄, 南部 勝司
    1974 年 71 巻 3 号 p. 209-215
    発行日: 1974/03/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    ICG試験とBSP試験の著明な解離を呈した症例は, われわれの2例を含めて現在までに9例の報告があるが, 今回さらに1例を経験したので, 前2例とともに電顕的考察を行なった.これら症例の共通した変化としては, Disse腔におけるreticulum fiberの増生, mitochondriaの腫大, 変形およびparacrystalline包入体の出現, 滑面小胞体の細分化と小円形状化, 粗面小胞体の層状構造の乱れと細分化および内腔の軽度の拡大, lipofuscinの出現などの見を認めた.
    われわれはすでに本症例に「体質性ICG排泄異常症」の名称を提唱したが, 電顕的にみられた細胞内小器官の変化により, 本症の色素停滞の一部を解明することが出来るものと考え, また体質性黄疸との関連についても考察した.
  • 柿崎 五郎, 斉藤 隆之, 添野 武彦, 笹原 政美, 山崎 充, 藤原 慶之, 大泉 哲之助, 仁平 高正, 石館 卓三, 瀬野尾 章
    1974 年 71 巻 3 号 p. 216-224
    発行日: 1974/03/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    すでに22例を対象とし, 膵疾患診断の1手段として耳下腺唾液検査を試みたが, 今回は検査症例も88例と増加し, 新知見も得たのでここに報告した.すなわち, 既報では明らかに膵疾患時には耳下腺の機能低下を認めたが, 今回は膵疾患症例の一部に耳下腺機能亢進例を認めたので, これら現象に基いて検査基準を変更し, さらにその意義について考察を加えた.さらに人間においても, 既報の動物実験と全く同様に膵病変の存在する場合にそれと連関した耳下腺の組織学的変化を認めた.
  • 膠原線維形成ならびに分解過程における酸性ムコ多糖の超微構造について
    亀谷 麟与隆, 織田 正也, 船津 和夫, 丸山 勝也, 岡崎 勲, 三辺 謙
    1974 年 71 巻 3 号 p. 225-233
    発行日: 1974/03/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    酸性ムコ多糖 (AMPS) と特異的に結合し, しかも電子密度の高いruthenium redを電顕的観察に導入することにより, AMPSの超微形態的観察が容易となった.CCl4障害ラット肝線維症で, 線維化の初期にはAMPSが未熟な膠原細線維を包んで沈着する.細線維が重合するにつれて, 成熟膠原細線維の周期性横紋の外側部にAMPSの顆粒が付着するようになり, 時には周期性横紋と一致した横帯としても観察される.分解吸収過程では膠原細線維の横紋は不分明となり, 成熟膠原細線維の周期性横紋部に認めたAMPSはみられなくなる.AMPSの一部は間葉系細胞により負食処理される.
  • 三木 洋
    1974 年 71 巻 3 号 p. 234-248
    発行日: 1974/03/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    内視鏡的膵胆管造影法の臨床診断上の意義を明らかにする目的で278例につき検討した.1.正常膵管像は主管最大径が頭部4.0mm, 体部3.0mm, 尾部2.0mm以下で平滑であり主要分枝以外の分枝量大径が1mm未満で嚢状拡張をみぬ時である.2.主膵管最大径が頭部6.0mm, 体部4.0mm, 尾部3.0mm以上の時, 波状或いは数珠状の時, 主要分枝以外の分枝最大径1mm以上の時, 嚢状拡張を示す時, 慢性膵炎を疑わせる所見である.3.膵癌の膵管造影所見を4型に分類した.早期の膵癌診断には主管辺縁, 分枝像の詳細な読影が重要である.4.膵腫瘤では約2cm以上のものなら膵管造影にて異常を指摘し得る.5.胆管癌では病変より開口側のレ線像がより明らかに理解出来る.
  • I. 胃潰瘍
    近藤 元治, 加藤 治樹, 中西 和夫, 塚本 武司, 細川 計明, 川井 啓市, 増田 正典
    1974 年 71 巻 3 号 p. 249-255
    発行日: 1974/03/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    各種消化管粘膜病変成立に, 局所粘膜の線溶活性が関与しているとの考えから, immune complexによる犬実験胃潰瘍において, 潰瘍形成期に局所線溶の亢進することを示し, 組織障害に対する線溶の関与を示した.ヒト胃潰瘍では, 比較的新鮮な場合は, 潰瘍周辺の局所線溶の亢進がみられるが, 長期の病歴を有する患者には, この様な傾向がみられず, 病相の差によると考えた.又, 1例の潰瘍患者において, 粘膜内のfibrinogenは潰瘍周辺で低値を示し, 局所線溶亢進の影響が考えられた.粘膜内免疫グロブリンは, 免疫拡散法で測定可能であつたが, 特に潰瘍周辺と遠位部の間に差は認められなかつた.
  • 浪久 利彦, 山口 毅一, 北見 啓之
    1974 年 71 巻 3 号 p. 256-270
    発行日: 1974/03/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    薬剤性肝障害が疑われた症例で, 末梢血リンパ球培養法による幼若化現象を, RNA合成能を指標とする方法で測定し, 30症例, 23薬剤で陽性の成績を得た.薬剤直接, 第3者服用後血漿, 超音波処理添加の各陽性率は79, 73, 40%であった.陽性例の臨床的観察では, 潜伏期は60日以内95%, 黄疸出現率83%.発熱60%, 胃腸症状50%, 発疹23%, 痒感33%, 好酸球増多48%, 総Bilirubin 4mg/dl以下40%, 5mg/dl以上60%, Transaminase 500単位以下80%, 200単位以下55%, GOT>GPT70%.Al-P異常87%(30KA単位以上30%), 膠質反応正常40%を示し, 肝生検16例, 剖検2例の組織は胆汁うつ滞型2例で他は肝炎型を示し, 肝機能正常化の期間は平均85日であった.
  • 1974 年 71 巻 3 号 p. 271-287
    発行日: 1974/03/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
  • 1974 年 71 巻 3 号 p. 288-303
    発行日: 1974/03/05
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
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