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ED療法がおよぼす影響
今野 保敏, 樋渡 信夫, 熊谷 裕司, 平川 秀紀, 宮川 隆敏, 小泉 勝, 後藤 由夫, 金澤 義彦
1985 年 82 巻 12 号 p.
2889-2895
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
活動性遠位回腸病変を有する非切除クローン病9例に対してED療法を試み全例を緩解に導入し得た. ED療法前, 中, 後の胆汁中および糞便中胆汁酸を分析することにより, 活動期と緩解期における胆汁酸代謝の面からみた病態の差, およびED長期単独投与が胆汁酸代謝におよぼす影響について検討し, 以下の成績を得た. 1) ED療法前には胆汁酸吸収障害が存在していたが, ED療法後には胆汁中G/T, 糞便中胆汁酸排泄量が正常化し, 胆汁酸吸収障害の改善を認めた. 2) ED療法中には胆汁中および糞便中G/Tの高値, 胆汁中C/CDCの上昇, 糞便中胆汁酸濃度の上昇, 糞便中抱合型胆汁酸分画率の低下を認めた. これらの変動はEDの組成や特性に起因したものと考えられる.
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畔上 信久
1985 年 82 巻 12 号 p.
2896-2903
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
腸管由来の抗原に対する免疫応答での正常肝の役割を検討. テスト抗原としてハプテン (dinitrochlorobenzene, DNCB) を用い, 免疫応答の検討は遅延型過敏症 (DNCBに対する接触過敏反応, ツベルクリン反応) の検出と抗DNP抗体量の測定にて行なつた. 1) DNCBの感作前経口投与により接触過敏反応および抗DNP抗体産生の抑制がみられた. しかし, ツベルクリン反応は抑制されず, この接触過敏反応の抑制は特異的であつた (Chase-Sulzberger 現象). 2) 腸間膜静脈および末梢静脈より感作前にDNCBを投与し, この現象における肝の役割を検討した. その結果, 前者で接触過敏反応の抑制がみられ, Chase-Sulzberger 現象の発現に肝が関与していることが推測された.
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14C-sucrose および32P-orthophosphate の胆汁排泄に対する影響
阪上 吉秀, 溝口 靖紘, 武田 弘, 申 東桓, 進藤 嘉一, 宮島 慶治, 筒井 ひろ子, 東森 俊博, 関 守一, 山本 祐夫, 門奈 ...
1985 年 82 巻 12 号 p.
2904-2911
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
抗原によつて特異的に活性化されたモルモットのリンパ節細胞は催胆汁うつ滞因子 (cholestatic factor, CF) を産生する. このリンホカインをゲル濾過およびイオン交換クロマトグラフィーを用いて部分精製し, 2つの活性分画を得た. これらの両分画をラット腸間膜静脈に注入すると著明な胆汁排泄抑制が認められた. この催胆汁うつ滞因子の肝内胆汁うつ滞誘導機構をしらべるため, 肝細胞をほとんど通過しないで tight junction (paracellular pathway) を経由して胆汁中に排泄されるとされている
14C-sucrose および
32P-orthophosphate の胆汁への排泄について検討した. その結果, ラットに催胆汁うつ滞因子を投与しても
32P-orthophosphate および
14C-sucrose の胆汁中の排泄には影響が認められなかつた. このことから, 催胆汁うつ滞因子は paracellular pathway の透過性には影響を及ぼさず, 主として毛細胆管胆汁の形成を抑制することが示唆された.
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超音波ドップラー法による上腸間膜動脈血流の定量的測定
中村 武史, 森安 史典, 伴 信之, 西田 修, 酒井 正彦, 槇野 久春, 有吉 浄治, 三宅 健夫, 内野 治人
1985 年 82 巻 12 号 p.
2912-2916
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
肝硬変 (LC) 20例, 慢性肝炎活動性 (CAH) 10例, 及び正常者 (NC) 47例の上腸間膜動脈 (SMA) 血流を超音波ドップラー法を用いて測定し検討した. LC群の時間平均流速 (38.3±14.9cm/sec, mean± S.D.) はCAH群 (26.2±7.3cm/sec) 及びNC群 (27.3±7.4cm/sec) 両者に比し有意に大きかつた. LC群の pulsatility index (0.82±0.07) はNC群 (0.85±0.06) に比べ有意に小さかつた. 時間平均血流量はLC群 (720±388ml/min) がNC群 (478±166ml/min) より有意に大量であつた. 以上より, 1)肝硬変における腸血流が亢進し, 2) 亢進の原因が主に上腸間膜動脈の血流速度, 殊に拡張期の血流速度の亢進にあること, 3) 肝硬変における上腸間膜動脈の末梢血管抵抗が低下していること, が示唆された.
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川崎 誠治, 別府 倫兄, 梅北 信孝, 三条 健昌, 出月 康夫
1985 年 82 巻 12 号 p.
2917-2922
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
今回新たに開発した簡便で鋭敏なガスクロマトグラフィーによる血漿中 antipyrine 濃度の測定法を用いて, 肝ミクロソームの酸化代謝の一部の機能総量を表現すると考えられる, antipyrine プラスマンリアランスを, 肝硬変症20例, 健常人5例を対象として, antipyrine の経口負荷試験 (400mg) を施行し, 算出した.
この結果, antipyrine プラスマクリアランスは, 健常人0.405±0.041ml/min/kg (mean±S.E) と比較して, 肝硬変症では, 0.168±0.011ml/min/kgと約41%の値を示し, 有意の低下 (p<0.01) が認められた. 本法により算出される antipyrine プラスマクリアランスは, 特に肝臓外科領域における有効肝細胞総量の術前の詳細な評価の一助として, 簡便で意義のある測定値になり得ると考えられた.
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斎藤 英胤, 森實 敏夫, 熊谷 直樹, 稲垣 恭孝, 中村 達也, 佐藤 逸朗, 飯野 朗子, 松村 茂, 川村 直見, 土屋 雅春
1985 年 82 巻 12 号 p.
2923-2929
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
ヌードマウスヘのヒト肝癌細胞株HCC-Mの移植に対する免疫賦活剤OK-432投与の影響を脾細胞 natural killer 活性と共に検討した. OK-432前投与によりHCC-Mの可移植性は非投与群の100%に対し42.8%と有意に (p<0.005) 低下し, 抗アシアロGM1抗血清同時投与によりその抗腫瘍効果は消失した. in vitro の検討でもOK-432投与後の脾細胞 natural killer 活性は有意に上昇したが, 抗アシアロGM1抗血清により block され, in vivo の現象と良く相関した. 従つてヒト肝癌細胞HCC-Mのヌードマウスヘの移植に対し, 移植の拒絶に働くのは主に natural killer 活性と考えられ, 癌細胞の生着の予防には natural killer 活性を高めることが有効であると推測された.
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西野 執, 成木 行彦
1985 年 82 巻 12 号 p.
2930-2941
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
閉塞性黄疸患者11例の経皮経肝胆管ドレナージ (PTCD) 施行前後よりの血清胆汁酸を測定し検討した. さらに健常人30例についても検討した. 血清胆汁酸はPHP-LH-20にて4分画に分画しGLCで測定した. 健常人の胆汁酸構成では51~66歳までの群でF型のLCA, CDCA, CA, UDCA, G型のCDCAが25歳から50歳までの群より高い傾向を示した. 閉塞性黄疸時の血清総胆汁酸 (TBA) は高値を示し, T型は46.6%, G型は44.2%, S型は8.6%, F型は0.6%を占めた. CDCAとCAの一次胆汁酸はTBAの97%を占めた. PTCD後にTBAは3時間から26.6%の減少を示し, 120時間で93%の減少を認めほぼ正常値に近づいた. F型はPTCD後大きな変動を示さなかつた. G/T比はPTCD後に上昇を示し, ほぼ正常値に近づいた. S型はPTCD後120時間で93%の減少を示したが健常人より高値を示した. C/CDC比はPTCD後減少するが, 健常人より高値を持続した.
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溝口 靖紘, 阪上 吉秀, 宮島 慶治, 筒井 ひろ子, 山本 祐夫, 竹田 茂夫, 油田 正樹, 森沢 成司
1985 年 82 巻 12 号 p.
2942-2948
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
イリドイド配糖体 patrinoside およびそのaglycone である genipin の利胆機序および催胆汁うつ滞因子が誘導する肝内胆汁うつ滞にこれらのイリドイド化合物がどのように影響をおよぼすかについて検討した. その結果, イリドイド化合物の利胆効果は主として毛細胆管胆汁の胆汁酸非依存性胆汁排泄の増加が主な機構と考えられた. また, 肝内胆汁うつ滞を誘導する催胆汁うつ滞因子による胆汁排泄の抑制がイリドイド化合物の利胆効果によつて緩解することが示唆された.
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とくに嫌気性菌について
乾 博史
1985 年 82 巻 12 号 p.
2949-2958
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
嫌気性菌のうち
Bacteroides fragilis, Clostridium perfringens, Peptococcus magnus, Peptostreptococcus anaerobiusについて, GAM培地ならびに胆石症の胆汁中におけるβ-glucuronidase (β-G) 活性を検討した. いずれの嫌気性菌もβ-G活性を示し, とくに
B. fragilisに高い活性を認めた. また,
B. fragilisと
Escherichia coliの混合培養を行ない, 単独培養とβ-G活性につき比較したが, 混合培養にやや高い活性を認めた. また, これら4種の嫌気性菌による培養前後の胆汁酸組成の変化を検討したが, ほとんどすべてに total bile acid, cholic acid, chenodeoxycholic acid の低下, C/CDC比の上昇傾向を認めた. 以上より, 胆汁中のこれらの嫌気性菌の感染はビリルビン結石の生成に関与すると考える.
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ラット遊離膵腺房と摘出膵灌流標本における検討
大槻 眞, 岡林 克典, 岡 徹, 藤井 正俊, 中村 隆彦, 馬場 茂明
1985 年 82 巻 12 号 p.
2959-2963
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
選択的ムスカリン受容体拮抗剤であるピレンゼピンの膵外分泌機能に及ぼす影響をラット遊離膵腺房と摘出膵灌流標本で検討し, アトロピンの作用と比較した. ピレンゼピンはアトロピンと同様 carbamylcholine 刺激に対するアミラーゼ分泌反応を容量依存的に抑制したが, モル濃度から見ると, ピレンゼピンの抑制作用はアトロピンの約1/300であつた. アトロピン添加中止後の膵外分泌反応の回復は遅かつたが, ピレンゼピンの膵外分泌抑制作用は可逆的であつた. 本研究の結果から, carbamylcholine 刺激による膵腺房細胞からのアミラーゼ分泌はM
2受容体を介するものであり, M
1受容体を介する胃酸分泌を抑制するピレンゼピン量では膵外分泌機能に与える影響は少ないと考えられる.
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PS試験, PFD試験, ERPとの比較検討
平野 賢, 長田 敦夫, 赤羽 邦夫, 米倉 宏明, 富岡 一郎, 小林 武司, 川 茂幸, 嶋倉 勝秀, 小口 寿夫, 古田 精市, 野本 ...
1985 年 82 巻 12 号 p.
2964-2972
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
慢性膵炎23例, 膵癌6例, 非膵疾患92例, 健常者105例について, モノテスト
®カイモトリプシンkit により, 糞便中の chymotrypsin 活性を測定し, その臨床的意義を検討した. 慢性膵炎, 膵癌での糞便中 chymotrypsin 活性は, 健常者, 非膵疾患患者に比して有意に低く, とくに石灰化膵炎やERP高度変化群で著明な低値を示したが, 非膵疾患でも28%で異常低値を認めた. 糞便中の chymotrypsin 活性値は, PS試験の最高重炭酸塩濃度, 重炭酸塩およびアミラーゼ排出量と有意な相関を認めた. fecal chymotrypsin test は非侵襲的で, 測定も容易であるので, 膵疾患のスクリーニング, および慢性膵炎の経過観察に有用である.
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早川 哲夫, 野田 愛司, 近藤 孝晴, 柴田 時宗, 村瀬 敏之, 杉本 吉行, 小川 裕, 鈴木 敏行, 奥村 信義, 永井 賢司
1985 年 82 巻 12 号 p.
2973-2978
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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膵外分泌機能試験の簡便法としての便中キモトリプシン (FCHT) 定量法の意義を慢性膵炎を中心に検討した. 肝, 胆, 膵疾患を認めないPS試験正常例11例のFCHTは24~134IU/gであり, 24IU/gを正常下限値とした. 各種疾患のFCHT低値は膵石症では11/15, 73%, 非石灰化慢性膵炎では3/9, 急性膵炎後では2/5, 胆石症では2/8, 一次性糖尿病では4/5であつた. FCHTはPS試験時の十二指腸液中アミラーゼ排出量 (r=0.47, n=43, p<0.01) およびPFD試験のPABA排泄率 (r=0.50, n=31, p<0.01) と相関した. FCHTは膵外分泌機能試験の簡便法として有用であり, 反復測定, 血清膵酵素やPFD試験の併用などにより膵外分泌高度不全の検出の特異性も向上すると考えられる.
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水野 修一, 古田 耕, 清澤 雷太, 御木 高志, 自見 雅文, 石川 浩, 尾関 恒男, 原武 譲二
1985 年 82 巻 12 号 p.
2979-2982
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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水野 秀隆, 中谷 正史, 大柳 治正, 斉藤 洋一
1985 年 82 巻 12 号 p.
2983-2987
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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成因と治療に関する考察
澄井 俊彦, 船越 顕博, 中野 逸郎, 篠崎 博嗣, 松本 雅裕, 木村 寿成, 若杉 英之, 井林 博
1985 年 82 巻 12 号 p.
2988-2992
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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西田 修, 森安 史典, 伴 信之, 中村 武史, 宋 泰成, 三浦 賢佑, 酒井 正彦, 三宅 健夫, 内野 治人, 武田 保秀
1985 年 82 巻 12 号 p.
2993
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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森合 哲也, 小竹 好裕, 小池 台介, 林 敏, 大山 公三, 建部 高明, 石井 兼央
1985 年 82 巻 12 号 p.
2994
発行日: 1985年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー