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一色 裕之, 佐藤 修司, 矢島 秀教, 伊東 文子, 山本 至, 川上 賢太郎, 内藤 崇史, 久保 俊之, 中垣 卓, 清水 晴夫, 金 ...
2012 年 109 巻 11 号 p.
1902-1909
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/05
ジャーナル
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症例は71歳,男性.嚥下時の胸のつかえを主訴に当科受診し,諸検査にて食道内分泌細胞癌,多発肝転移と診断された.塩酸イリノテカンとシスプラチンによる化学療法を施行し,肝転移巣は消失したが食道原発巣は残存したため,原発巣に対し放射線照射を追加し完全寛解を得ることができた.食道内分泌細胞癌では遠隔転移を有する進展期であっても,化学療法を併用した集学的治療を行うことで予後の改善が期待できることが示唆された.
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赤穂 宗一郎, 津村 剛彦, 岡部 純弘, 関川 昭, 金坂 卓, 若狹 朋子, 新宅 雅幸, 圓尾 隆典, 木村 達, 大崎 往夫
2012 年 109 巻 11 号 p.
1910-1919
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/05
ジャーナル
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症例は66歳男性.2000年2月より胃巨大皺壁症にて経過観察していたが,2010年3月胃体上部大弯に直径35mmの粘膜下腫瘍様隆起を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引針生検による病理診断後胃全摘術を行い,diffuse cystic malformation(DCM)より発生した粘膜下腫瘍様進行胃癌と診断した.DCMはまれな疾患であり,びまん性粘膜下異所性胃腺との異同や胃癌との関連について考察し報告する.
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日浅 厚則, 重盛 恒彦, 伊藤 智恵子, 毛利 智美, 岡 聖子, 竹内 謙二, 伊藤 佳之, 井本 一郎, 加藤 俊夫, 内田 克典
2012 年 109 巻 11 号 p.
1920-1926
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/05
ジャーナル
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不全型ベーチェット病の症状を有する58歳の男性で,発熱で入院した際に偶然気腹症を認めた.腹痛や腹膜炎はなく,当初は特発性気腹症と判断したが,試験開腹で回盲弁から50cmの回腸に1.5cmほどの硬結があり,楔状切除した標本の病理像で,全層性潰瘍の穿孔と修復が示唆され,nonsurgical pneumoperitoneumの診断に到った.いわゆる特発性気腹症の成因を考える上で示唆に富む症例と考えられた.
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藤崎 宗春, 河原 秀次郎, 遠山 洋一, 柳澤 暁, 小林 進, 金綱 友木子, 矢永 勝彦
2012 年 109 巻 11 号 p.
1927-1932
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/05
ジャーナル
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症例は40歳,女性.6年前に子宮頸癌のため広汎子宮全摘術が施行された.術後6年目の検診で肛門縁より約8cmの直腸後壁に隆起性病変がみられ,内視鏡検査の生検組織診断で扁平上皮癌と診断され当科に紹介された.低位前方切除術が施行されたが,病変は直腸固有筋層内を中心として進展した扁平上皮癌で壁外からの癌浸潤はみられず,6年前の子宮頸癌の組織像と一致したため子宮頸癌の直腸転移と診断された.
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能美 隆啓, 中村 由貴, 佐々木 祐一郎, 佐々木 宏之
2012 年 109 巻 11 号 p.
1933-1939
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/05
ジャーナル
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症例は50歳代女性,見当識障害を主訴に来院した.左前頭葉に腫瘍を認め,腫瘍摘出術を施行した.その後の精査で直腸癌脳転移と診断,直腸癌に対してハルトマン手術を施行したが,その後脳転移の再発がありガンマナイフ治療を行った.その後約1年間化学療法を施行し,現在脳転移の診断から69カ月無再発生存中である.大腸癌孤立性脳転移は早期発見とともに集学的治療が必要と思われた.
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西村 純一, 西川 潤, 田邊 亮, 橋本 真一, 松永 尚治, 中村 宗剛, 五嶋 敦史, 浜辺 功一, 岡本 健志, 坂井田 功
2012 年 109 巻 11 号 p.
1940-1945
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/05
ジャーナル
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症例は70歳代女性.黒色便を認め,バルーン内視鏡で十二指腸空腸曲に非常に細長いポリープを認めた.表面は正常粘膜と同様であったが,潰瘍を認めポリペクトミーを施行した.組織学的に病変は浮腫状の粘膜固有層と粘膜下層からなり,内部に拡張した毛細血管が増生していた.colonic muco-submucosal elongated polyp(CMSEP)と同様の所見であり,小腸のMSEPと診断した.
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伊藤 忠雄, 野口 明則, 清水 健, 谷 直樹, 山口 正秀, 岡野 晋治, 山根 哲郎, 川端 健二
2012 年 109 巻 11 号 p.
1946-1952
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/05
ジャーナル
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肝細胞癌術後の肝内再発と多発リンパ節腫脹を指摘されたがFDG-PETではリンパ節にのみ異常高集積を認めた.開腹リンパ節生検を行い原発巣の一部に認められた分化度の低い細胞群がリンパ節へ転移していることが確認された.肝細胞癌ではFDG-PETにおける集積度が分化度により多様性を示すため,同時に認められた肝内再発とリンパ節転移でも集積度が異なる場合もあることが示唆された.
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西山 麻里, 水上 祐治, 久米 美沙紀, 小川 明子, 神野 亜希子, 木阪 吉保, 田中 良憲, 村上 信三, 大朏 祐治
2012 年 109 巻 11 号 p.
1953-1959
発行日: 2012年
公開日: 2012/11/05
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粘表皮癌は,唾液腺にしばしば発生する悪性腫瘍で腫瘍細胞は扁平上皮と粘液産生細胞の2方向への分化を示し,扁平上皮の胞体内に粘液産生を認め,時に腺腔の形成を見るものと定義されている.肝内胆管由来の粘表皮癌はまれである.本症例の70歳代男性は先行した頭部皮膚転移を含み,剖検時多臓器転移をともなっていた極めてまれな胆管原発症例であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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