巻号一覧
103 巻, 1 号
選択された号の論文の9件中1～9を表示しています
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総説
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渡辺 和宏, 福島 浩平, 小川 仁, 舟山 裕士, 佐々木 巌2006 年 103 巻 1 号 p. 1-6
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー自然免疫系は微生物の曝露早期から応答する第一線の生体防御機構であり，これらの自然免疫応答が獲得免疫系の活性化のトリガーとなることも明らかとなってきた．TLRファミリーやNODファミリーなどの受容体は，微生物成分（PAMPs）をパターン認識することでシグナル伝達を活性化し，炎症性サイトカインや抗菌ペプチドなどの産生を誘導する．炎症性腸疾患における腸上皮細胞でのTLRや抗菌ペプチドの発現量の変化，クローン病におけるNOD2遺伝子多型などの最近の知見は，自然免疫系が炎症性腸疾患の病態に深く関与していることをうかがわせる．
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今月のテーマ：酸化ストレスと消化器・肝疾患
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五十嵐 和彦, 土肥 由裕2006 年 103 巻 1 号 p. 7-14
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー酸化ストレスに応答して，細胞の生存を目指してさまざまな遺伝子の発現が誘導される．なかでも，ヘム分解酵素であるヘムオキシゲナーゼ―1（HO-1）が重要である．HO-1の発現は，転写抑制因子Bach1と転写活性化因子Nrf2により，拮抗的に制御される．これら制御因子の遺伝子改変マウスの解析から，HO-1の発現を亢進させ，細胞組織の酸化ストレス耐性を高めるアプローチが見えつつある．
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齋藤 英胤, 横山 裕一, 日比 紀文2006 年 103 巻 1 号 p. 15-22
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー肝では生体を維持する上で重要な多くの酵素反応がとり行われ，その中で酸素が1電子を供与されると活性酸素となり，他の非対電子を有する分子種に変換していく．活性酸素やこれら誘導体は電位的に不安定で，蛋白質・核酸などの電子を奪いその機能を傷害する．その毒性を酸化ストレスと呼び，肝内の炎症，線維化，発癌，細胞死，類洞壁内皮障害などをもたらし，種々の肝臓病の病態を説明できる．一方，肝には酸化ストレスを消去する系も発達し，ストレスに対するレドックス（酸化還元）制御によりバランスを保持している．本稿では，肝の酸化ストレス産生系と消去系を概観し，酸化ストレスによりおこりうる種々の肝臓病の病態を文献的に考察した．
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症例報告
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太幡 敬洋, 峯 信一郎, 飯田 武, 岸川 博文, 田中 良哉2006 年 103 巻 1 号 p. 23-29
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー症例は多飲歴を有する47歳の男性．腰痛，全身倦怠感を主訴に当院受診．肝機能障害および炎症反応を認め，経過中DICを併発した．MRIにて第2, 3腰椎に化膿巣と両側腸腰筋に波及した膿瘍形成が認められ，血液培養で黄色ブドウ球菌を検出した．化膿性脊椎炎と腸腰筋膿瘍と診断．抗生剤投与による保存的治療法で軽快した．肝硬変では，まれに化膿性脊椎炎，腸腰筋膿瘍の合併例を認めることがあり貴重な症例と考えられた．
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志村 貴也, 犬飼 政美, 吉岡 宣夫, 齋田 康彦, 村上 賢治, 小林 邦生, 谷岡 書彦2006 年 103 巻 1 号 p. 30-36
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー症例は45歳男性．平成7年に発症した潰瘍性大腸炎の経過観察中に，下血と心窩部痛，発熱が出現し入院となった．上部消化管内視鏡検査では胃幽門前庭部から十二指腸下行脚にかけての炎症像を認め，内視鏡像，病理組織像がともに大腸病変に酷似した所見を認めたことから，潰瘍性大腸炎の胃・十二指腸病変と考えられた．ステロイドミニパルス療法にて胃，十二指腸，大腸病変ともに緩解導入された．潰瘍性大腸炎の胃・十二指腸病変の合併例は非常にまれであり報告する．
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大谷 圭介, 戸原 恵二, 三原 一力, 植木 敏晴, 田中 正彦, 坂口 正剛, 松井 敏幸, 八尾 恒良, 原岡 誠司, 岩下 明徳2006 年 103 巻 1 号 p. 37-43
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー肝内胆管腺腫（IHBA）は，まれな良性腫瘍で，画像所見を検討した報告は少ない．今回IHBAを経験したので，その画像所見について検討した．症例は61歳男性．USで肝S7に11 mmの低エコー腫瘤を認めた．単純CTでは肝S7に低吸収域を認め，MRIではT1・T2強調像ともに低信号を呈し，dynamic studyでは早期から後期相まで濃染された．血管造影では腫瘍濃染像を認めた．狙撃生検でIHBAと診断した．
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奥 隆臣, 和田 優子, 和賀 永里子, 三栖 賢次郎, 狭間 一明, 鈴木 康弘, 藤田 美悧, 長町 康弘, 前田 征洋2006 年 103 巻 1 号 p. 44-51
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー症例は76歳，男性．MRCPにて総胆管に腫瘤を認め，精査目的に入院．ERCPでは胆管内に粘液の貯留および透亮像を認め，IDUSにて胆嚢管から総胆管におよぶ腫瘤が認められた．膵頭十二指腸切除を施行した結果，胆嚢管癌が総胆管へ突出するように発育していた．このような発育をきたし，さらに粘液を産生した胆嚢管癌は極めてまれである．発育形式および粘液産生について文献的考察を行い報告する．
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中西 崇, 河本 博文, 深津 裕寿, 石田 悦嗣, 小川 恒由, 岡本 裕子, 水野 修, 田中 盛富, 松尾 則行, 加藤 順, 岡田 ...2006 年 103 巻 1 号 p. 52-56
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー69歳男性，26年前に腎細胞癌で右腎摘出術の既往がある．腹部造影CTにて膵体部に20 mm大の早期濃染をしめす腫瘍あり入院．膵産生ホルモンは正常範囲内．画像所見・既往より腎細胞癌膵転移を疑い膵体尾部・脾合併切除術を施行．病理組織学的にclear cell carcinomaであり，腎細胞癌の膵転移と診断した．術後経過は良好で外来通院にて経過観察中である．術後26年の転移は現時点で検索した限り，本邦最長であり報告する．
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影山 富士人, 竹平 安則, 山田 正美, 室久 剛, 片岡 英樹, 佐野 宗孝, 岩岡 泰志, 川田 一仁, 高橋 百合美, 池谷 真苗, ...2006 年 103 巻 1 号 p. 57-63
発行日: 2006年
公開日: 2006/01/12
ジャーナル フリー症例は67歳男性．閉塞性黄疸にて受診した．肝胆道系酵素とCA19-9 225 U/mlの異常を認め膵癌との鑑別を要したが画像と膵組織から自己免疫性膵炎（AIP）と診断した．胆管ステントを留置するも3カ月間後IgGとCA19-9の異常（6300 U/ml）を認め膵組織で微小膵管の増生とIgG4陽性形質細胞浸潤を確認した．ステロイド治療でIgGとCA19-9は正常化した．
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