分子標的薬イマチニブの有効性が示されて以来,進行・再発消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)の治療は一変した.イマチニブ耐性GISTに対してはスニチニブが用いられるが,イマチニブと同様に,
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PDGFRA遺伝子の二次変異により生じる耐性が問題となる.現在本邦において,イマチニブ・スニチニブ耐性GISTに対して承認済または臨床試験が進行中の分子標的薬は残念ながら存在しない.このため,再発GISTに対する外科的切除を含めた集学的治療の重要性が再認識されてきている.本稿では,主に進行GISTに対する術前後のイマチニブによる補助療法の現状と,再発GISTに対する分子標的治療中における外科的介入の位置づけについて概説する.
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