-
消化器疾患と社会医学
小林 廉毅
2001 年 98 巻 12 号 p.
1335-1340
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
本稿では,消化器疾患の社会的費用の推計,消化器疾患における患者数の将来予測,消化器疾患の予防や治療に関する医療経済評価について述べる.消化器疾患の社会的費用は当該疾病の深刻さを社会に訴える貴重な資料であるが,消化性潰瘍とC型ウイルス肝炎について米国の推計事例を紹介する.一方,消化器疾患の医療経済評価は古くて新しいテーマである.従来からある胃がん検診や大腸がん検診の医療経済評価に加えて,最近増加している消化器疾患の感染予防や患者のQOLを考慮した治療に関する医療経済評価について論じる.
抄録全体を表示
-
消化器疾患と社会医学
小西 敏郎, 野家 環, 古嶋 薫, 針原 康
2001 年 98 巻 12 号 p.
1341-1348
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
当院における胃癌のクリティカルパスの導入経過および成果を紹介し,クリティカルパスの意義について述べた.クリティカルパスは米国でDRG/PPSへの対応として開始されたが,わが国では医療の質の向上,治療・看護の標準化,チーム医療の推進やリスク管理の展開,そしてなによりも患者中心の医療が推進されるとの観点から,クリティカルパスの普及が必須と考えられてきている.これからの電子カルテ化やオーダーの自動化にも対応できる利点がある.医療費の適正化を図るにも,粗診粗療につながる恐れのあるDRG/PPSを導入するよりは,医療の質を高め,効率化を実現できるクリティカルパスを展開することが21世紀の日本の医療改革に必要である.
抄録全体を表示
-
三好 広尚, 服部 外志之, 高 勝義, 片山 信, 瀧 智行, 早川 真也, 高島 東伸, 乾 和郎, 芳野 純治, 中澤 三郎
2001 年 98 巻 12 号 p.
1349-1356
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
体外衝撃波結石破砕療法(ESWL)を行った胆嚢結石287例の長期経過観察の成績について検討した.ESWL後の経過観察は0.5年から9.2年(平均4.1年)で,完全消失率は45.6%であった.単発結石,CT非石灰化,土屋の超音波分類Ia,Ib型の結石が統計学的に有意に消失に関連する重要な消失因子であった.9年の累積再発率は30.7%であった.非消失例156例については有症状例70例中38例(54.3%)が無症状化し,無症状例86例中23例(29.1%)で有症状化した.疝痛発作および急性胆嚢炎の累積出現率は破砕片4mm以上では51.8%であり,破砕片3mm以下の16.7%に比し有意に高かった(p<0.05).外科的治療への移行率は23.1%で,その理由はESWL後に症状が出現または増加したことが58.3%を占めた,なお,胆嚢癌を1例(0.35%)に認めた.ESWL治療後は再発,症状の出現,胆嚢癌の発生に注意し経過観察する必要がある.
抄録全体を表示
-
齋藤 光浩, 高須 政夫, 佐藤 悦久, 矢島 佐江子, 川村 直弘, 今村 真紀子, 徳植 秀樹, 横山 孝典, 中島 洋, 石田 均, ...
2001 年 98 巻 12 号 p.
1357-1361
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
一般にサイトメガロウイルス(CMV)肝炎の経過は良好であり保存的治療にて改善するとされている.今回,高度な黄疸,肝機能障害,凝固能低下を認めた重症CMV肝炎例を経験した.腹腔鏡検査では瘢痕肝を呈し著明な赤色紋理を認めた.肝機能は保存的治療にて改善し,肝の瘢痕部は再生し赤色紋理も消失した.再活性化により成人に発症し重症化したCMV肝炎で,経時的に腹腔鏡像を観察し得た貴重な症例と考え報告した.
抄録全体を表示
-
桐山 和雄, 籔 道弘, 谷口 雅厚, 加藤 哲也, 曲直部 仙子, 松嶋 伸好, 姫野 誠一
2001 年 98 巻 12 号 p.
1362-1367
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
症例は64歳男性.肝腫瘍と肋骨,腰椎に骨腫瘍を認めた.肝腫瘍は多発性かつ巨大であり石灰化をともなっていた.画像診断上血管腫に特徴的な所見に乏しく転移性肝癌も否定できなかったが,開腹生検により血管腫の確定診断を得た.肋骨,腰椎の腫瘍は画像上血管腫と診断した.肝,骨二臓器にわたり発生した血管腫である.またfibrinogenの低下とFDPの上昇を認め,Kasabach-Merrit症候群発症の可能性があると思われた.
抄録全体を表示
-
多田 知子, 小林 剛, 野田 裕, 木村 克巳, 伊藤 啓, 藤田 直孝
2001 年 98 巻 12 号 p.
1368-1373
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
右腎細胞癌術後2年10カ月で多発性膵転移を来し,膵全摘術を施行した症例を経験した.標本検索では5個の転移巣が確認された.腎癌の膵転移報告例で多発性は43%みられ,異時性の膵転移に対する膵全摘例としては11例目であった.画像では主膵管の途絶がみられたが,文献上も,膵管に何らかの変化を来した例が81%を占めていた.術前評価としてEUSの有用性が示唆された.腎癌の膵転移例で2個以上の転移が確認された場合には,小転移巣の存在の可能性から膵全摘術も考慮される病態と考えられた.
抄録全体を表示
-
久田 生子, 白鳥 敬子, 清水 京子, 星野 容子, 土屋 典子, 林 直諒, 溝口 秀昭
2001 年 98 巻 12 号 p.
1374-1378
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
症例は13歳,女性,非ホジキンリンパ腫にて化学療法を施行中,L-Aspによると考えられる急性膵炎を発症した.厚生省急性膵炎重症度判定基準では,血液所見,低酸素血症,腹部CTなどから重症急性膵炎(重症度II,スコア9点)と診断された.第3病日にはDICとARDSを併発したが,人工呼吸管理を行い,約1カ月の内科的治療で膵炎は軽快した.その後,リンパ腫が増悪したため化学療法を慎重に再開したが,膵炎の再燃はなかった.L-Aspの副作用として膵障害はよく知られているが,本例のような重症急性膵炎の報告は少ない.
抄録全体を表示
-
原 歩, 吉岡 政洋, 伊藤 貴, 西澤 雅彦, 市川 雅, 高橋 重人, 緋田 めぐみ, 竹森 政樹, 石原 直毅, 日比 紀文
2001 年 98 巻 12 号 p.
1379-1383
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
症例は71歳,女性.他院での種々の検査の結果,特発性再発性アフタ性口内炎と診断されていた.本症例は約2年6カ月の間,再発するアフタ性口内炎に対して副腎皮質ホルモンの投与を受けていた.著者らは本症例のアフタ再発時にマレイン酸イルソグラジンを投与した.アフタは1週間で消失し,継続投与にて1年6カ月の間,アフタは再発していない.本症例はアフタ性口内炎に対するマレイン酸イルソグラジンの有効性を示唆した.
抄録全体を表示
-
仲宗根 啓樹, 外間 昭, 與那嶺 吉正, 仲村 将泉, 川根 真理子, 山城 信, 佐久川 廣, 金城 福則, 斎藤 厚
2001 年 98 巻 12 号 p.
1384-1387
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー
-
中田 博也, 石口 正, 岩田 拓也, 佐藤 博明, 東本 有司, 藤本 尚, 伊藤 秀一
2001 年 98 巻 12 号 p.
1388
発行日: 2001/12/05
公開日: 2008/02/26
ジャーナル
フリー