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福田 益樹, 川野 淳, 佐藤 信紘, 李 和泉, 房本 英之, 鎌田 武信, 阿部 裕
1983 年 80 巻 8 号 p.
1569-1574
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
臓器反射スペクトル解析法を内視鏡下に応用し, 易治性及び難治性胃潰瘍患者の潰瘍辺縁粘膜血液量, 胃内粘膜血液量分布, 及び胃酸分泌を測定し, 潰瘍難治化の病態について検討した. 潰瘍辺縁粘膜血液量は, 易治性潰瘍患者で潰瘍の治癒とともに増加し, H2 Stage に最大の増加を示すが, 難治性潰瘍患者では, 増加せず周辺粘膜血液量と同程度であつた. 潰瘍辺縁以外の胃内粘膜血液量分布は両群間に差は無かつた. 一方胃酸分泌は難治性潰瘍患者で高かつた. 又, 両者を同時に検討した症例において, 難治性潰瘍は潰瘍辺縁粘膜血液量増加の欠如と酸分泌亢進がみられ, それらの因子が潰瘍難治化に重要であると考えられた.
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富永 潤, 中澤 三郎
1983 年 80 巻 8 号 p.
1575-1580
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
消化性潰瘍成因に関わる防禦因子として重要な胃粘膜中高分子糖蛋白質の測定法を検討した. ラット腺胃を, 腺胃全層, 粘膜固有層, 粘膜筋板から漿膜までの層の3種類に分け, 各々凍結乾燥後, 脱脂群と非脱脂群に分けた. 2% Triton×-100, 50mM Tris HCl buffer にて抽出し, BioGel A 1.5m にてゲル濾過, 各分画の hexose を定量した. 粘膜固有層中には脱脂後も高分子のピークを認めたが, 粘膜筋板から漿膜までの層中のピークは脱脂により全く消失した. 脱脂操作を加えることにより, 従来, 検体として扱い難かつた粘膜層中高分子糖蛋白質が, 腺胃全層を対象としても定量可能となつた. これにより潰瘍発生の際における胃粘液の病態解明は一段と促進すると思われる.
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田中 昌宏, 木村 健, 斉藤 建
1983 年 80 巻 8 号 p.
1581-1589
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
12例の小腸及び大腸クローン病に対し, 2年4カ月の間に胃十二指腸内視鏡検査を31回施行した. 胃から89個, 十二指腸から21個の直視下生検を行なつた. 検体は, 50枚の連続切片にされ, H-E染色にて, 非乾酪性肉芽腫の有無, 粘膜の炎症度そして粘膜のリンパ管拡張度について検討された. 内視鏡的に58% (7例) に胃病変を, 42% (5例) に十二指腸病変が発見された. これら病変は, 幽門前庭部と十二指腸近位側に存在し, 注意深い観察によつて始めて認められるような微小な形態を示した. 便宜的に, 発赤斑, アフタ様びらん及び隆起性病変に分類したが, 経時的な観察により, これら微小病変は, 発赤→アフタ様びらん→隆起性病変に発展する事が確認された. 非乾酪性肉芽腫は, 83% (10例) の胃粘膜に, 67% (6例中4例) の十二指腸粘膜に認められた. また正常粘膜からも18%の頻度で非乾酪性肉芽腫が証明された. 胃病変群は, 非乾酪性肉芽腫検出率が高く, 十二指腸病変群は, リンパ管拡張度が高度である事が特徴的であつた. これら, 胃十二指腸のクローン微小病変の診断には, 非乾酪性肉芽腫の証明と経時的観察により病変の質的, 量的な進展を証明する事が必須であると結論された.
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小暮 道夫, 関口 利和, 西岡 利夫
1983 年 80 巻 8 号 p.
1590-1598
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
進行性全身性硬化症 (PSS) の患者27名と健常人19名の十二指腸運動を infused catheter method で測定し, 小腸に特徴的な一連の収縮運動, interdigestive migrating motor complex (IMMC) とセクレチン負荷により発現する secretin-induced IMMC (SI-IMMC)を比較検討した. PSS群ではIMMCの振幅をはじめ, 運動の諸成分の低下が見られ, SI-IMMCも同様の傾向を示し, 十二指腸運動機能の低下を認めた. またPSS症例の病型分類, Raynaud 現象の有無, 上部消化管X線検査所見, 病悩期間10年末満ではその期間に応じてIMMCの振幅が変化する傾向を認めた. PSSのセクレチンに対する反応は健常人と変らず, 十二指腸運動機能の低下は主に腸管壁で, その固有筋自体の変化によることが推察された.
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小西 文雄
1983 年 80 巻 8 号 p.
1599-1609
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
大腸癌118病変に対し腫瘍部を全割し, hematoxyline•eosin (H•E) 染色および elastica van Gieson (E.v.G.)染色を行つた. 連続した切片で両染色を比較したところ, E.v.G.染色は, 静脈浸潤を認定するために不可欠であることが明らかとなつた. 粘膜下層の静脈浸潤は, 潰瘍化して消失してしまつている中心部では知ることができないので, 手術後の肝•肺転移を推定する上で, 固有筋層より深部における静脈浸潤と同一に論ずることはできないと思われた. 全割•染色における, 固有筋層外の静脈浸潤の程度は, 必ずしも手術後の肝•肺転移の発生頻度と相関せず, 静脈浸潤と肝•肺転移発生との間には, 他の因子も大きく関与しているものと考えられた.
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とくに膵グルカゴン特異抗体による相違と胆汁酸の影響について
坪内 博仁, 上別府 篤行, 藤崎 邦夫, 岡 春己, 宮崎 博臣, 弘野 修一, 橋本 修治, 永浜 重遠, 合田 栄一, 大工原 恭, ...
1983 年 80 巻 8 号 p.
1610-1616
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
慢性肝疾患61例, 健常者22例について, 2種の膵グルカゴン特異抗体30K及びOAL-123を用いて, 血漿膵グルカゴン (IRG) を測定した. 30K-IRG, OAL-IRGいずれも肝硬変症では有意に上昇を示したが, 2種の抗体によりIRGの差のある症例も認められた. その原因について, in vitro での胆汁酸の測定系に及ぼす影響, 血中総胆汁酸との関係を検討した.
慢性肝疾患における空腹時の血漿膵グルカゴンは慢性肝炎では増加の傾向がみられ, 肝硬変症では30K-IRG, OAL-IRGそれぞれ288±42pg/ml, 297±41pg/mlといずれも健常者の約3倍に上昇していた (いずれもp<0.01). 慢性肝疾患での30K-IRGとOAL-IRGは回帰直線Y=0.699X+35.5, 相関係数γ=0.567で有意の正の相関が認められた. しかし肝硬変症及び肝性脳症では30K-IRGとOAL-IRGが著しい相違を示す症例が存在した.
30Kを抗体として用いたRIA系では胆汁酸とくにグリコデオキシコール酸及びグリココール酸の添加により30K-IRGが増加したがOAL-IRGはこれらの胆汁酸の影響は認められなかつた. 更に30K-IRG>OAL-IRGの症例では, 血中胆汁酸の増加も認められた. すなわち, 30K-IRG>OAL-IRGという相違が血中に増加している胆汁酸に起因している可能性を示している.
これらのことは肝疾患や胆汁うつ滞などの血中胆汁酸の上昇するような病態では, 30K-IRGが真の血漿膵グルカゴンの変動を反映しないことを示唆しており, 測定上重要な問題と考えられる.
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1. Antibody-dependent cell-mediated hepatocytotoxicity (ADCC)に対する性ホルモンの影響について
沢井 寛子, 溝口 靖紘, 筒井 ひろ子, 宮島 慶治, 池本 吉博, 新井 孝之, 阪上 吉秀, 東森 俊博, 門奈 丈之, 山本 祐夫, ...
1983 年 80 巻 8 号 p.
1617-1622
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity (ADCC) 反応による肝細胞障害を実験的に in vitro の系で誘導し, 性ホルモンの影響を検討した. その結果, 女性ホルモンで effector 細胞を前処理すると, ADCC反応による肝細胞障害は有意に増強され, その増強効果は男性ホルモンによつて抑制されることが明らかになつた. また, 女性ホルモンで前処理したマクロファージ(mφ)の培養上清で effector 細胞を処理することによつても, ADCC反応による肝細胞障害は増強し, この増強効果も男性ホルモンで抑制された. 以上の結果は, 性ホルモンがADCC反応による肝細胞障害を修飾すること, および, その作用の少くとも一部にはmφに対する性ホルモンの作用が関与することが示唆された.
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予後不良例の検討
高島 澄夫, 中塚 春樹, 中村 健治, 小林 伸行, 水口 和夫, 小野山 靖人, 貫野 徹, 山本 祐夫, 佐藤 守男, 山田 龍作
1983 年 80 巻 8 号 p.
1623-1630
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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肝細胞癌80例に transcatheter arterial embolization を行なつたが, そのうち17例が3カ月未満に死亡した. 1カ月未満死亡7例の死因は肝不全4例, 腎不全3例で, 肝不全死4例は全例門脈本幹が閉塞していた. 腎不全死3例は全例術後強度の疼痛を訴え, 無尿に陥つた. 1~3カ月死亡10例の死因は肝不全5例, 腹腔内出血2例, 消化管出血1例, その他2例で, 肝不全死の5例は腫瘍が大きくて発育が速く, 本法の効果は一時的で, 再度の腫瘍増大により死亡した. 他の5例の死因は本法とは直接関係ないと考えられた. 以上の成績から門脈本幹閉塞例は本法の適応外であるが, 他の例では手技や術後管理の改善により本法は安全に施行できると考えられた.
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市田 隆文, 七沢 洋, 稲土 修嗣, 松井 俊二郎, 康山 俊学, 紺田 健彦, 柴田 貢, 樋口 清博, 斉藤 清二, 小島 隆, 中野 ...
1983 年 80 巻 8 号 p.
1631-1635
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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多田 正大, 田中 義憲, 陶山 芳一, 西村 伸治, 西谷 定一, 鹿嶽 研, 川井 啓市
1983 年 80 巻 8 号 p.
1636-1640
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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野口 隆義, 森本 哲雄, 宮原 妙子, 福本 陽平, 児玉 隆浩, 沖田 極, 竹本 忠良
1983 年 80 巻 8 号 p.
1641-1645
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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元雄 良治, 岡井 高, 鵜浦 雅志, 加登 康洋, 沢武 紀雄, 小林 健一, 服部 信, 寺畑 信太郎, 松原 藤継, 中西 功夫, 太 ...
1983 年 80 巻 8 号 p.
1646-1650
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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前田 正司, 二村 雄次, 早川 直和, 長谷川 洋, 神谷 順一, 弥政 洋太郎, 高山 哲夫, 小山 泰生
1983 年 80 巻 8 号 p.
1651-1654
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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高橋 弘, 嵐山 恭志, 西山 正輝, 安藤 秀樹, 藤田 由美子, 出浦 正倫, 清水 能一, 相沢 良夫, 銭谷 幹男, 秋庭 真理子, ...
1983 年 80 巻 8 号 p.
1655
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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西脇 英樹, 曽和 融生, 梅山 馨
1983 年 80 巻 8 号 p.
1656
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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遊佐 幸暁, 伊藤 孝, 高橋 俊雄
1983 年 80 巻 8 号 p.
1657
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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猪狩 弘之, 佐藤 英典, 栗原 陽一, 正木 盛夫, 吉田 浩, 粕川 禮司
1983 年 80 巻 8 号 p.
1658
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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Trichloroethylene の病因論的意義について
山口 孝太郎, 白井 忠, 上野 一也, 嶋倉 勝秀, 赤松 泰次, 仲間 秀典, 古田 精市
1983 年 80 巻 8 号 p.
1659
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー
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高良 健司, 大藤 正雄, 奥田 邦雄, 縄野 繁, 三好 武美, 有水 昇
1983 年 80 巻 8 号 p.
1660
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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井戸 健一, 川本 智章, 堀口 正彦, 木村 健, 広田 紀男
1983 年 80 巻 8 号 p.
1661
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
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山口 希, 杉本 学, 魚住 玄通, 池沢 健男, 青池 晟, 川井 啓市
1983 年 80 巻 8 号 p.
1662
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
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石川 治, 和田 昭, 大東 弘明, 福田 一郎, 今岡 真義, 岩永 剛, 寺沢 敏夫
1983 年 80 巻 8 号 p.
1663
発行日: 1983年
公開日: 2007/12/26
ジャーナル
フリー