正常家兎に5日間蛋白同化ステロイド(ASと略す)を投与して,血清蛋白質および体重に及ぼす影響を観察したのち,大量瀉血を行ない,それらの回復状態を観察した.正常家兎にASを5日間投与したのちでは,血清蛋白質量,血清比重の変動はとくに対照との間に明らかな差はとめない,血清蛋白分画では, albuminは19-NADCに増加を, α-globulinはHMDに増加を認め, β-globu1in, γ-globulinでは対照との間に著明な差はみられない. A/G比は19-NADCに明らかな増加を,体重は19-NAPP,Δ
1-17MT, 19-NADCに増加傾向を認めた.瀉血後の回復に及ぼす影響においては,血清蛋白質量,血清比重では, 19-NAPP, Δ
1-17MT, HMDに回復促進効果をみ,血清蛋白分画では,対照と比較すると, albuminiはHMDに再生促進,α-globulinはAS投与群に再生度は小であり,β-globuliniは19-NAPP,19-NADC, Δ
1-17MTに再生促進が著明であり,γ-g1obulinは, AS投与群では後期に再生促進の傾向を示した.A/G比は, HMDを除く他のAS投与群に低下の傾向を示し,体重は19-NADCを除く他のAS投与群に回復促進がみられた.
抄録全体を表示