日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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72 巻 , 9 号
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  • 井林 博
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1125-1142
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 柴田 哲雄, 浦 繁郎, 平井 義修, 田浦 幸一, 原田 孝司, 原 耕平
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1143-1149
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎炎患者の血液や尿中にフィブリンおよびフィブリノーゲンの分解産物であるFDP(fibrin-fibrinogen degradation products)が確認され,腎炎の発症や進展に糸球体内血液凝固の関与が推察されているが,凝血学的に糸球体内血液凝固を適確に証明する手法は今日まだ確立されてはいない.我々は血液や尿中のFDP分画の定性を試み,二次線溶の指標となるD-dimerに着目し種々の検討を行なつた.原発性腎炎患者72例(男性46例,女性26例,平均37.8才)を対象とし,固定化抗体を用いたカラムにてaffinity chromatographyを行ない, SDS-polyacrylamidege1電気泳動にて血液および尿中FDPの各分画の測定を行なつた.その結果,下記のごとき結論を得た. 1.血液D-dimerを58例中9例に,尿中D-dimerを35例中10例に認めた. 2.組織学的な検討では中等度以上の増殖性腎炎や膜性増殖性腎炎および膜性腎症にD-dimer陽性率が高かつた. 3.血液D-dimerと尿中D-dimerとの間には明らかな関係が認められなかつた. 4. FDPのD分画全体に対するD-dimerの比(RD-D)は血液,尿で高値を認める例があつた. 5.尿中D-dimer陽性群は陰性群に比べて尿蛋白選択性が低下していた. 6.血液,尿ともにD-dimer陽性群は陰性群に比べ,免疫組織学的にみて糸球体内フィブリン沈着の陽性率が高かつた. 7.全身線溶系と血液D-dimerには一定した関係が認められなかつた.
  • 益海 信一朗, 春見 建一
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1150-1158
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ベクトル心電図により心筋梗塞範囲の推定が可能かどうかを検討することを目的として,陳旧性前壁中隔側壁梗塞について近年心筋梗塞範囲定量に有用性が高いと考えられている201T1心筋血流シンチグラム所見とベクトル心電図を対比し,両者の一致率を検討した.対象は,入院にて急性期を観察した前壁,前壁中隔,前壁側壁,前壁中隔側壁心筋梗塞の32例で,全例に陳旧期に201T1心筋血流シンチグラム, Frank誘導ベクトル心電図を施行.心筋血流シンチグラム欠損の大きさとVCG諸パラメータを比較した.結果, 1)心筋血流シンチグラム欠損の大きさと20m sec, 25m sec, 30m sec瞬時梗塞ベクトルの大きさとの対比では, 20m sec梗塞ベクトルの大きさが最大の相関を示した(γ=0.686, p<0.001). 2)心筋血流シンチグラム欠損の大きさと20m sec瞬時ベクトルの方位角および水平面QRS環最大ベクトル方位角との関係では,側壁梗塞,右脚ブロックの4例を除いた検討では,心筋血流シンチグラム欠損の大きさが大になる程,両ベクトルの方位角は右前方から左後方に向かいその相関はγ=0.743, p<0.001; r=0.705, p<0.001と高い値を示した.前壁心筋梗塞範囲の推定の指標として, 20m sec梗塞ベクトルの大きさ, 20m sec瞬時ベクトル方位角,水平面QRS環最大ベクトル方位角等,ベクトル心電図諸パラメータは,臨床上有用と考えられた.
  • 老籾 宗忠, 石川 和夫, 川崎 富泰, 窪田 伸三, 高木 潔, 丹家 元陽, 吉村 幸男, 馬場 茂明
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1159-1162
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Hemoglobin AI (HbAI)およびHbAICを糖尿病患者の血糖コントロール基準として臨床応用する場合,なお二,三の問題があり,今回それらの問題を検討し,以下の結論をえた. 1)HbAIあるいはHbAICは糖尿病患者の約1ヵ月前の血糖コントロール状態を示す指標となる. 2)糖尿病患者の血糖コントロールの目標値はHbAIで9%, HbAICで6%とした. 3)糖尿病患者では, labile HbAI/HbAIは健常者との間に差はなく,約13%であつた. 4)不安定型糖尿病症例では,健常者と比較して1abile HbAI値およびlabile HbAI/HbAI値は共に大であつた.
  • 山下 静也, 野崎 秀一, 原 斉, 亀田 芳, 徳永 勝人, 久保 正治, 広部 一彦, 首藤 弘史, 松沢 佑次, 石川 勝憲, 垂井 ...
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1163-1170
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    家族性高コレステロール血症のホモ接合体は虚血性心疾患を高率に合併し,その家系には短命の者が多いが,我々は比較的長寿の家系に発生した本症ホモ接合体の1例を経験した.症例は38才,女性.幼少時より全身に黄色腫が出現し, 28才頃より狭心症発作あり, 35才頃より発作頻発のため入院.入院時全身に著明な黄色腫を認め,血清総cho1esterol 603mg/dl, HDL-cholesterol 38mg/dl,中性脂肪94mg/dlで,皮膚線維芽細胞培養による125I-LDL結合能測定では,本症ホモ接合体のLDL-receptor negativeと確定診断された.心電図では前壁中隔梗塞,選択的冠動脈造影でも各所に狭窄・閉塞を認めたが,従来の本症ホモ接合体例と異なり,本症例の血清cholesterol値は食事療法や薬物療法等の内科的療法に極めてよく反応し,またホモ接合体としては38才という長期生存例である.両親はいとこ結婚で,父親はcholesterol 315mg/dl,母親は死亡のため測定不能であつたが,検索しえた家系13人中9人は高cholesterol血症を示した.しかし家系内には発端者のホモ接合体例の他に黄色腫や虚血性心疾患患者を見ず,長寿の者が多い.本家系の構成員はHDL-cholesterol値も比較的高値であり,発端者がホモ接合体でありながら38才まで生存しているのもこのことと関係があると思われる.本家系は家族性高コレステロール血症においてもLDL-cholestero1とは別に他の因子が動脈硬化の進展,防御に重要な関与を示すことが推察し得る興味ある家系と言える.
  • 広沢 信作, 村上 直巳, 工藤 秀機, 桃井 宏直, 神山 隆一
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1171-1176
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自己免疫性溶血性貧血(以下AIHAと略す)発症の約7年後に,悪性リンパ腫を合併した1例を経験したので報告する.症例は60才の女性で, 7年前に全身倦怠感が出現し近医で貧血を指摘され当科へ入院した.肝脾腫を認め,検査所見で高度の貧血と網赤血球増加,間接ビリルビンとLDHの上昇,ハプトグロビンの低下,赤血球寿命の短縮,直接ク-ムス試験陽性,骨髄の赤芽球系過形成があり, AIHAと診断した.プレドニゾロン60mg/日にて貧血は改善した.その後1年間は減量して20mg/日で維持していたが,貧血が高度となり脾臓摘出術を受けた.手術時悪性リンパ腫を示唆する所見はなく,術後貧血は改善した.プレドニゾロン5mg/日にてその後6年間維持していたが,腰椎圧迫骨折が出現したためアザチオプリンに変更した.動悸と上腹部不快感があり,再入院したが, AIHAの増悪と胃潰瘍が認められた.潰瘍の生検にて悪性リンパ腫(LSG分類によればlarge cell type)と診断した.胃2/3切除と化学療法(サイクロフォスファマイドとビンクリスチン)2ク-ルとを行ない退院した.しかし, 3ヵ月後に悪性リンパ腫の骨髄への高度浸潤と汎血球減少症をおこし再入院したが,敗血症を併発し死亡した. AIHAと悪性リンパ腫が同時あるいは悪性リンパ腫の経過中に合併することは多いが, AIHAが先行することは少ない.本邦例2例を含め17例の報告があるのみであり,両疾患の病因を考える上で貴重な症例と考え報告する.
  • 大西 健児, 秋葉 隆, 三宅 祥三, 鰺坂 隆一
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1177-1180
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Disopyramideによると思われる低血糖発作の1例を経験した.症例は72才,男性.家族歴および既往歴に糖尿病はない.心房性期外収縮のため昭和56年11月中旬から, disopyramide 300mg分3の投与を受けていた.入院2日前より食欲不振のため食事摂取が不充分であつたが,突然意識障害が出現し昭和56年12月27日入院となつた.入院時意識は傾眠であり,血糖値が29mg/dlであつた.ブドウ糖投与を行ない,意識は清明となつた. disopyramideによる低血糖発作と考え,投薬を中止したところその後は低血糖発作を認めなかつた.さらに,空腹時disopyramideの負荷試験を行ない,血糖値の低下を認めたが,血中インスリン値の上昇は認められず,ほとんど不変の状態であつた. disopyramideによる低血糖発作は,血中インスリン値の上昇が原因とする考えが有力であるが,本症例からは血中インスリン値の上昇を介することのない他の原因の存在が推測された.
  • 吉田 忠義, 矢島 日出登, 鎗田 宏, 福田 丈了
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1181-1186
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    低カルシウム血症,高燐血症を呈した35才男性に, Ellsworth-Howard試験を行ない, Dreznerら1)の提唱した偽性副甲状腺機能低下症II型(PHPII型)と診断し得た症例を報告する.本例には次のような特徴があつた. (1)意識消失を伴う痙攣発作-てんかんが起きたが, PHPII型で意識消失発作が起こることは希といわれている. (2) Albright's osteodystrophyの身体的特徴が比較的軽微であり, PHPにみられる他の臨床症状,徴候も比較的少なかつた. (3)下肢の浮腫が入院の契機となり,本症診断の糸口となつた.浮腫はT3, T4などの甲状腺機能検査から,甲状腺機能低下症が存在することが判明し,このために起こつたと考えられた.さらに抗てんかん薬(ジフェニールヒダントイン,カルマバゼピン)がT3, T4の低下をもたらしたと推測された. (4) Ellsworth-Howard試験で尿中cAMPの増量があつたが,尿中燐の排泄増加はなかつた.これによりDreznerらのPHPII型と診断した. (5)骨にX線像上著明な変形があり,抗てんかん薬による骨軟化症とPHPII型がその原因と考えられた. (6)血清25(OH)D3, 1-25(OH)2D3の低下があつたが,前者は抗てんかん薬による影響と,後者はPHPII型との関連が考えられた.
  • 村山 繁雄, 多川 斉, 樫田 光夫, 田中 茂, 広瀬 敏樹
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1187-1194
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ビタミンE欠乏が主因をなしたと考えられる全身リポフスチン沈着と,後索系一次知覚ニューロンの選択的脱落を剖検時認めた1例を報告する.症例: 29才,男性. 3才と9才時開腹術の既往を有し, 26才時低βリポ蛋白血症と低コレステロール血症を指摘された. 27才時より下肢末梢優位の知覚低下と腱反射の消失を示し, 28才時より悪心.嘔吐,体重減少を主体とする消化器症状が出現し, 29才時両者が急激に増悪,低栄養脱水状態と,脳神経を含み,深部知覚障害の強い多発性神経炎症状を呈して当院に入院した.脂肪,とくに脂溶性ビタミンの吸収障害を疑つたが証明できず,経過中突然原因不明の心停止をおこし死亡した.剖検時,術後腸管癒着,消化管固有筋層に著明な全身リポフスチン沈着(brown bowe1症候群)と後索・後根に強く末梢神経にも及ぶ一次知覚ニューロンの高度かつ選択的な障害が認められた.後二者はビタミンE欠乏症の病理像と酷似しており,保存血清で死後測定したビタミンE値も著しく低値であつた.術後腸管癒着による腸管機能低下が,低βリポ蛋白血症,さらに慢性的ビタミンE欠乏を招いた希な症例と考えられた.本例はBassen-Kornzweig症候群, Friedreich失調症との類似もみられ,脊髄小脳変性症, βリポ蛋白,ビタミンEの間に密接な関係が予想される.原因不明の後索症状や吸収不良症状をみた時には,血中ビタミンE値の測定も行なうことにより,症例の集積がまたれる領域と考える.
  • 星 秀樹, 阿部 敬, 谷内 昭, 正木 章二, 石井 禎郎, 奥山 富三, 小笠原 実, 高見 剛
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1195-1201
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Kim, Rappaportら(1978)により提唱されたsignet ring cell lymphoma (SRCL)は,これまで10例の報告をみるにすぎない.経験した症例は本邦初めての記載と考えられるが, 34才,女.左腋窩の約5cm大腫瘤と左上肢しびれにより来院.血清タンパク電気泳動および免疫電気泳動によりMタンパクを認めず,胸部X線像,消化管および肝・脾の画像診断,リンパ管造影でも異常を認めず,悪性リンパ腫stage IAと考えられたが,経過中左側頚部リンパ節の腫脹を認め, stage IIAと判断された.左腋窩リンパ節生検による組織分類では, nodular & diffuse poorly differentiated lymphocytic lymphoma (N & DPDL)で,ところどころに細胞質内に好酸性のRussell body様封入体を有する細胞およびsignet ring cell様細胞を認め,これらの細胞質はジアスターゼ抵抗性PAS陽性であつた.免疫酵素抗体法(PAPA)では,これらの細胞の多くの細胞質に単クローン性免疫グロブリン(μ/x)を証明し, SRCLと診断した.文献的には本例を加えて11例の報告があり,平均年令55才,男性3例,女性8例で女性が多く,予後良好である特徴を有する.しかし,その疾患単位の確立には多数例の集積による検討が必要である.
  • 満屋 裕明, 佐藤 昌彦, 藤本 幸示, 河野 文夫, 岸本 進, 平野 俊夫
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1202-1210
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    全身性リンパ節腫大と7年来の全身性紅斑と, 564000IU/mlという極端な高IgE血症を伴つたSézary症候群の1症例を経験した.白血球数は45, 200/mm3で,うち51%が雛襞形成,分葉傾向の強い異常リンパ球で占められていた.皮膚にも同様の異常リンパ球が浸潤しており,この細胞は透過電顕で観察すると深い切れ込みのある核を有していた.末梢血リンパ球(PBL)中,ヒツジ赤血球とロゼットを形成する細胞は94.2%で, Tリンパ球分画ではLeu 2a+細胞は1.0%, Leu 3a+細胞は100%, Leu 3b+継胞は98.2%であつた.この患者PBLからT, Bリソパ球を分離し, in vitroで種々の混合培養試験を行ない,産生されたIgG, IgA, IgM, IgEをradioimmunoassayで定量すると,患者Bリンパ球(PB)はpokeweed mitogen, Tリンパ球の非存在下で多量のIgEを産生し,このIgE産生は正常丁リンパ球(NT)によつて抑制されることがわかつた.患者Tリンパ球は正常Bリンパ球の1gE産生を著しく高めたが, IgG, IgA, IgMの産生についてはNTよりも弱いヘルパー活性しか示さなかつた.以上のことから,本症例でみられた異常なリンパ球の増加はIgEクラス特異的ヘルパーTリンパ球の増殖によるものであり,同時に観察された高IgE血症はおそらくこのヘルパーTリンパ球によつてPBがポリクロナールに活性化されたためにおこつたものと考えられた.ヒトIgE産生機構について最近の知見を含めて考察を加えた.
  • 山口 康平, 福島 英生, 池辺 聡悟, 佐野 雅之, 織部 安裕, 鵜沢 春生
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1211-1217
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は21才の男子で,母46才のとき, 8カ月の早産で出生し, 9才時,知能の遅れと21trisomyを発見され, 10才時,糖尿病が発症し,インスリンによる治療が開始された. 21才時,糖尿病性ケトアシドーシス,慢性腎不全のため当科に入院した.ケトアシドーシスを脱し,インスリン注射量,食事摂取量などがほぼ一定となつた時期に,著明な高血糖(300~600mg/dl)が5~10日の周期で繰り返しみられた.この高血糖期には徐脈(40/分),精神・身体の活動性の低下がみられた.そこで,この周期性高血糖の機序について検討した. (1) 19日間連続測定した,空腹時血糖,血漿グルカゴン,成長ホルモン,コーチゾルおよび脈拍の相互関係を検討した. 6日間隔の著明な高血糖がみられ,これに徐脈,グルカゴンおよび成長ホルモンの高値が伴つていた.すなわち,同じ日の血糖,グルカゴン,成長ホルモンの相互間には有意の正相関がみられ,また,ある日の血糖とその翌日の脈拍の間には有意の負相関がみられた. (2)全入院期間の脈拍を,パワースペクトル分析および最小自乗スペクトル分析の2方法で分析した.前者では6.67日のリズムが最も強力であり,後老では6.5日のリズムが最も高頻度にみられた.このように本例では,約7日の間隔の周期性高血糖があり,グルカゴンおよび成長ホルモンの高値,さらに徐脈がこれに周期していることが確認でぎた.本例にみられたこのような現象は内分泌に対する中枢支配を考慮せずには議論がでぎない.そこでこの点を主に考察を行なつた.
  • 崎村 恭也, 阿部 吉夫, 須永 隆夫, 柴田 昭
    1983 年 72 巻 9 号 p. 1218-1222
    発行日: 1983/09/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病治療中に気腫性腎盂腎炎を合併した1例を報告した.症例. 69才,女.主訴:意識障害,発熱,右腰痛.現病歴:昭和46年糖尿病と診断されその後経口血糖降下剤服用.来院4日前より食欲不振,来院当日主訴症状を来す.初診時,意識無欲状態,皮膚乾燥,右腰部圧痛を認めた.眼底Scott IIIa.検査成績:尿ケトン体(+),沈渣白血球多数,血糖636mg/dl, BUN 33.9mg/dl,血液尿培養よりE. Coliを検出した.直ちにインスリン,補液を行ない9時間後には血糖値は300mg/d1台になつた.腹部単純X線写真で右上腹部に放射状のガス像を認めた.同ガスはIVP及びCTで腎実質内にあることを確認したので気腫性腎盂腎炎と診断した.保存的療法で8週間後に腎内のガス像も消失し救命し得た.糖尿病患者に尿路感染はよく経験される合併症であるにもかかわらず,気腫性腎盂腎炎に到る例はきわめて希であり,本邦での報告もわずか5例にすぎない.
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