日本内科学会雑誌
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56 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 辻 仁
    1967 年 56 巻 2 号 p. 101-108
    発行日: 1967/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血清中のleucinamide分解酵素の酵素学的な性質,電気泳動像をleucyl-naphthylamide分解酵素と比較検討し,両者は異なつた酵素であることを確認した.leucinamideを分解する酵素は従来leucin aminopeptidaseしが知られているのみであるが,血清中に2種存在し,両者は酵素学的性質,電気泳動像を異にする.その一つは, ieucine aminopeptidase (Smith)と同一と考えられ,肝炎血清中で主体を占め,電気泳動上, isozymeと思われる2峰に分かける.他の一つは,正常血清,閉塞性黄疸血清で主体を占め,前者とは明らかに性質の異なるpeptidaseである. Mnイオンの影響の差を利用して,両者を同時に定量すれば黄疸の鑑別診断に役立たせ得る.
  • 岡部 元美
    1967 年 56 巻 2 号 p. 109-131
    発行日: 1967/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病の診断は,現在耐糖試験によつてなされているが,その再現性,判定基準等種々問題がある.とくに糖尿病の境界例,糖尿病前期の診断方法は未解決である.このような意味からコーチゾンまたはプレドニゾロン・ブドウ糖負荷試験(以下PGTT),およびtolbutamide負荷試験(以下Tbtest)等,他の診断方法の研究がされている.著者は耐糖試験で糖尿病および疑糖尿病としたもの,また糖尿病前期の条件として重視されているところの耐糖尿病は正常であるが,遺伝負荷を有するもの,ならびに尿糖を証明するものにつき, Tb testを行ない検討を加えた.(1) Tolbutamide (以下 Tb)負荷後120分までの血糖曲線の検討で,糖尿病者の98.3%が正常者と鑑別可能である.また, Tb testの各成績,とくに血糖曲線型の分類(I~VI型)は,空腹時血糖値と相関をみ,糖尿病の重症度をある程度判定できる.(2)疑糖尿病,遺伝負荷,ならびに尿糖陽性者のTb testは,前二者では正常曲線を呈したものはなく,尿糖陽性群では70.7%が異常曲線を呈した.しかし,これら異常曲線を呈したもののTb testの各成績は,正常および糖尿病範囲に広く分布するが,正常範囲を示すものが多く,とくに曲線型よりみると, I, II型にその傾向が強い.また,これらの一部にPGTTを施行し, Tb testの各成績と比較したが,各成績ともにその一致率は高く,とくに最低血糖よりの回復能で高く,また,曲線型でI~II型はそのほとんどがPGTT陰性を示し, III型以下は陽性を示すものが多く,両成績はよく一致した.
  • 稲福 全三
    1967 年 56 巻 2 号 p. 132-146
    発行日: 1967/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自律神経中枢刺激,自律神経末梢切断および自律神経毒の投与時の正常家兎および脾摘家兎の網内系機能をニワトリ血球法により観察した.その結果は自律神経中枢B交感帯刺激,副交感神経切断, hyoscine N-butyl bromide noradrenalin,硫酸アトロピンの投与は網内系機能を抑制し,逆にC副交感帯刺激,交感神経切断, 3-dimethylcarbamoxy phenyl trimethyl anmmonium bromide, imidazolin 6-allyl-2-methoxy-1-diethyl aminoethoxy-benzolの投与は網内系機能亢進作用も消失した.しかし自律神経中枢刺激および自律神経末梢切断による網内系機能の抑制,亢進作用は脾の有無に関係なく出現した.ニワトリ血球処理能と肝,脾の体重比との関係は網内系亢進家兎では脾重量は重く,肝重量は軽い.逆に抑制家兎では脾重量は軽く,肝重量は重い傾向を認めた.
  • 安間 允
    1967 年 56 巻 2 号 p. 147-159
    発行日: 1967/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    リウマチ性疾患においては種々の組織,臓器に小血管病変が存在することはすでに知られている.著者は慢性関節リウマチ患者の血管病変を追究するため,呼吸曲線,光電管指尖容積脈波,心電図,皮膚電気反射曲線を同時に記録しつつ負荷を与え,相互間の関係,負荷前後の変化を検討した.負荷方法としては, 1)反応性充血テスト, 2)冷水テスト, 3)言語刺激による皮膚電気反射である.その結果,対照に比較し,慢性関節リウマチ患者では血管の異常反応が認められた.このことはリウマチによる小血管病変に基づくものと思われる.
  • 吉住 孝之, 木村 一雄
    1967 年 56 巻 2 号 p. 160-164
    発行日: 1967/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺腫を病理組織学的に精査しても悪性像が認め難く,まれには甲状腺腫を臨床的に全く認めないにも拘らず,遠隔部に主として骨に甲状腺組織の転移を認める症例がある.かゝる症例は1876年Cohnheimが発表して以来いわゆる転移性甲状腺腫として報告され,比較的まれなる症例とされている.本症例は63才,男子で原発甲状腺には臨床的に甲状腺腫・結節を認めず病理組織学的精査においても悪性像は認めないにも拘らず,頭蓋骨左眼底部腫瘍を初発症状として来院し,これが甲状腺組織の転移によるものであり,また他の遠隔部である肋骨・上腕骨・胸・腰椎,大腿骨の骨系統にのみ転移を来たした分化した濾胞性甲状腺癌の1例である.
  • 沼野 藤夫, 久保田 昌良, 橘田 鉄也, 石岡 忠夫, 前沢 秀憲
    1967 年 56 巻 2 号 p. 165-171
    発行日: 1967/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    発作時に低カリウム血症を伴なつた周期性四肢麻痺例の報告は必ずしも稀れではない.一方逆に高カリウム血症を伴なう症例もTylerらの報告以来adynamia episodica hereditariaとして発表されているが,その頻度は少なく,ことに遺伝的関係のない症例は著しく稀れとされる.最近副腎皮膚不全症まさ甲状腺機能亢進症で,遺伝的関係がないにもかゝわらず高カリウム血症性周期性四肢麻痺発作をみたとの報告があり注目されている.われわれは家族歴,既往歴に四肢麻痺発作を認めない慢性腎炎の患者にdexamethasone 2 mg を筋注し,そのつど弛緩性麻痺が四肢末端より出現し,極期には四肢の完全な馳緩性麻痺,軽度呼吸困難,眼瞼下垂を来たし,血清カリウム値が9.8mEq/lの高値に達する症例を経験した.副腎皮質ホルモン薬投与により,かゝる高カリウム血症性周期性四肢麻痺発作が誘発された報告は未だみあたらないので報告する.
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