日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
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111 巻, 10 号
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内科学会NEWS
目次
特集 免疫・アレルギー性肺疾患
Editorial
トピックス
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 砂田 芳秀
    2022 年 111 巻 10 号 p. 2161-2166
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2023/10/10
    ジャーナル フリー

    MELASやMERRFなどミトコンドリア病の多くはミトコンドリアtRNA遺伝子の点変異で発症する.その発症機構としてはアンチコドン1文字目塩基におけるタウリン修飾の欠損によるコドンの解読障害が解明されている.高用量タウリン投与によりMELASモデル細胞のミトコンドリア機能が改善し,さらに医師主導治験でMELAS脳卒中様発作の再発抑制効果,タウリン修飾率の改善,安全性が示され,タウリン療法は2019年に保険適用が追加承認された.タウリンには抗酸化作用,細胞内Ca2+恒常性維持,アポトーシス抑制など多様な生理作用が知られているが,MELAS iPS細胞のメタボローム解析から過剰な酸化ストレス状態がタウリン添加により改善されることも示された.酸化ストレスはミトコンドリア病だけではなく,多くの生活習慣病や老化にも関わることから,タウリン療法は幅広い疾患への治療応用が期待されている.

  • 清水 孝洋, 中西 祐貴, 妹尾 浩
    2022 年 111 巻 10 号 p. 2167-2172
    発行日: 2022/10/10
    公開日: 2023/10/10
    ジャーナル フリー

    ウイルスや細菌感染,免疫応答の異常などによる慢性炎症は,全身の臓器に様々なダメージをもたらす.消化管においては,機能が損なわれるだけでなく,発がんが重要な問題となる.Helicobacter pylori感染による胃がんは高齢者を中心に依然として大きなテーマであり,生活習慣の欧米化に伴ってか,食道がんや大腸がんの重要性が増している.その一方,消化管の慢性炎症,化生性変化,発がんのメカニズムに関する研究も着実に進歩している.例えば,臨床検体のオミックス解析で得られた情報を精緻に解析することで,慢性炎症から発がんに至る過程の意外な一面が明らかになってきた.本稿では,慢性炎症の段階で上皮細胞の遺伝子に生じている変化も含め,食道,胃,大腸の炎症と発がんに関する最近の知見のいくつかを紹介する.

専門医部会
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
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