日本内科学会雑誌
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59 巻 , 4 号
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  • 戸塚 忠政, 草間 昌三, 半田 健次郎, 望月 一郎, 城崎 輝美, 中野 晃明, 相馬 昭彦, 佐藤 忍
    1970 年 59 巻 4 号 p. 309-318
    発行日: 1970/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    気管支喘息の病態について形態学的に検索する目的で7例の主気管支生検を行ない,対照の慢性気管支炎例と比較検討した.好酸球浸潤はステロイド使用中の症例を除き,他の全例に種々の程度に認め,基底層の硝子様肥厚は全例に,さらに平滑筋肥大を1例に認めた.とくに喘鳴時生検例においては拡張した細血管ないし毛細血管周囲の好酸球浸潤とそれに接する基底層の透過性亢進を推定せしめる所見を得,喘鳴時の気道の病態を形態学的に捉え得た.対照に用いた基底層肥厚の慢気例では透過性亢進の所見は一部に軽度に認められたのみであり,好酸球浸潤はみられなかつた.気管支壁肥満細胞は数の点では対照の慢気例共に炎症細胞の消長とよく一致しており,脱顆粒を含めた異常細胞出現については感染合併の気喘例に多くみられた.肥満細胞の脱顆粒と気喘との関連については今後気道の炎症を伴わない例についてさらに症例を重ねて検討さるべきである.
  • 長田 智香
    1970 年 59 巻 4 号 p. 319-328
    発行日: 1970/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    MAO-Iに降圧作用があることはすでに知られているが,その作用機序は不明な点が多い.そこで実験的高血圧ラットすなわち, DCA投与および腎動脈のクランプによる高血圧ラットを用いて, nialamide, pargylineの降圧作用を解明すべく実験を行なつた,高血圧ラットの血圧はMAO-Iにより下降したが正常ラットの血圧には影響がみられなかつた.正常血圧ラットも高血圧ラットもMAO-I投与により臓器内MAO活性は阻害され,心および脳内NE量は増加したが,血漿中のNE量は変化がなかつた. Epi, NE, angiotensinの反応性はMAO-Iにより減弱しているのがみられた.またMAO-I投与により神経節のnicotineに対する反応性が著しく抑制されることが明らかになつた.以上の結果はMAO-Iの降圧作用が交感神経終末におけるantireleaser,交感神経節遮断作用および昇圧物質の受容器えの反応性の抑制作用によるものであることを示す.
  • 安藤 宏
    1970 年 59 巻 4 号 p. 329-339
    発行日: 1970/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    フィブリン平板法,フィブリン溶解時間法および改良したフィブリン寒天電気泳動法を用いて,血清の抗線溶系に関与する因子について検討した.フィブリン寒天泳動法で, α2, β, γの3種の線溶阻止帯を認めたが, α1領域には認めなかつた. α2とβの阻止帯はUK法およびEug-SK活性化を通じてみられ,また24時間後も不変であるがγの阻止帯は6時間ないし8時間で消失する.前二者は狭義の抗プラスミンであり, γの阻止帯は抗SK抗体と考えられ,プロアクチベーター・アクチベーター系に対する抑制作用を示すものと思われる. 60°C 10分加熱血清をフィブリン溶解時間法で測定するとα2M値は抗線溶能との間にr=0.59, P<0.001の相関があり, α2Mの著増を示すネフローゼ症候群の抗線溶能にはα2Mの関与が大である.精製α2Mは3.84×10-7Mの濃度をこえる部分で抗線溶能と直線関係を示し,またα2Mの電顕像は“H”+“I”の形を呈し, α2Mの化学量論的結合を示唆する所見と思われる.
  • 北村 次男, 中川 史子, 堀内 成人, 乾 久朗
    1970 年 59 巻 4 号 p. 340-344
    発行日: 1970/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    若年性糖尿病の22才の女子とその姉の慢性再発性膵炎の病像を呈した36才の症例において,両者とも腹部単純X線写真で明らかな膵石を認めた.第1例は18才で糖尿病を発症し,第2例は10才ころより腹痛を自覚している.両例ともにアルコールは飲まず,その他に膵石の発生と関係があると考えられる腹部外傷などの既往もない.以上の事実よりこれらの症例は,遺伝性膵炎→遺伝性膵石症と診断してよいと考えられる、わが国の膵石症の報告はすでに120例以上になるが,家族性のものは,わずかに1組にすぎず,遺伝性と考えてよい症例は未だその報告をみない.本症例は著者の検討し得た文献では,わが国における初めての報告例である.
  • 森口 修身, 飯村 攻, 向 醇, 池田 憲彰, 菊池 健次郎, 黒川 一郎
    1970 年 59 巻 4 号 p. 345-350
    発行日: 1970/04/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    先天性非球状赤血球性溶血性貧血の1家系で,赤血球内ピルピン酸キナーゼ活性が通常の測定条件下では正常であるが,赤血球解糖中間体およびadenine nucleotidesの測定でピルビン酸キナーゼ作用部位より上位のphosphoenolpyruvate, 2-phosphoglycerate, 3-phosphoglycerate, 2, 3-diph-osphoglycerateの蓄積を示し,かつ赤血球ATP含量の減少を認め,ピルビン酸キナーゼ作用部位の異常が示唆された.基質phosphoenolpyruvateに対する解離恒数は対照に比して高く,ピルビン酸キナーゼの基質phosphenolpyruvateに対する親和性の低下を示した.ピルビン酸キナーゼ活性の経時的な変化をみるに,患者では対照に比して急速な活性低下を認め,ピルビン酸キナーゼの不安定性を示した.さらに患者溶血液のピルビン酸キナーゼは正常と異なると考えられる電気泳動像が示された.患者の両親はいとこ同志の血族結婚で,検索した家族中母,兄も類似の異常所見を示した.
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