日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
59 巻, 5 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 三品 頼甫, 山下 修, 中川 卓雄, 谷口 三津夫, 岡本 卓雄, 姜 行捷, 松岡 謙二, 中村 充男, 赤松 春義, 丸本 晋
    1970 年 59 巻 5 号 p. 397-405
    発行日: 1970/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ACTH治療の薬理作用が解明され,その治療理念が確立されるには,該治療薬物によつて刺激され,分泌される患者副腎皮質ステロイドの体内での実態が知悉されることが必須不可欠の条件である.わたくしどもはネフローゼ症候群に対する天然あるいは合成ACTH-Z治療の自験症例の治療前,中,後の尿17-OHCS, 17-KS排泄量の測定および分析から,その尿中への排泄動態がわたくしどもの名付けた初期反応および維持反応からなるきわめて特徴的なパターンをとつて経過することを見出したので,これを報告し,そのような副腎皮質機能動態が惹起される機序やその治療学的意義についても論及する.
  • 蟹江 孝之
    1970 年 59 巻 5 号 p. 406-418
    発行日: 1970/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心電図の計測値と心重量は必ずしも線型関係にあるとはかぎられない.よつて非線型の場合にも適用されうる“数量化理論”を用い,左室肥大と正常の判別および心重量推定式の作成を行なつた.心重量300g以上の73剖検例,健康者220例を対象とし,両群をもつともよく鑑別する心電図計測項目13個をえらび出し,本理論にもとづき判別式を作成せるに,心重量400g以上の例では100%が, 300g以上のものでも88%が正常対照から正しく判別された.この際STやTの変化は左室肥大の判別に大きな情報を有するが, (Sv1+Rv5)の大きさはあまり情報をもたないことが示された.次に,心電図計測値6項目に年令,性,身長,体重を加えて,心重量推定式を作成した.推定心重量と実測値は相関係0.08をもつてよく一致した.この際心重量推定にはST偏位度がもつとも重要であり, (Sv1+Rv5)がこれにつぐことが示された.
  • 長沢 絋一
    1970 年 59 巻 5 号 p. 419-431
    発行日: 1970/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    X線心陰影の客観的診断法を開発するために,背腹方向心陰影の計測値を用い,数量化理論により心疾患を鑑別する判別関数,および心重量を推定する式を導き出した.本態性高血圧,腎性高血圧,僧帽弁膜症,大動脈弁膜症の計73剖検例,および心重量正常の前記以外の疾患23剖検例につき,心陰影左縁と各肋骨下縁の交点から正中線までの水平距離を,右縁では最大値を示す上記距離をはかり,それらの計測値とその組合せからえらんだ14のパラメータを用いて,上記5群の同時鑑別を行なつた結果,対象96例中92例(95.8%)という高い適中率がえられた.心重量の推定には上記症例に加えて,心重量300g以上の39例,計135例を用い,身長,胸郭横径,年令,性を含む17の計測値により心重量推定式を作成した.本式によりえられた心重量推定値と剖検時実測値は0.87という高い相関をもつて一致した.
  • 伊藤 孝一郎, 山本 桂一, 菊地 昌弘
    1970 年 59 巻 5 号 p. 432-437
    発行日: 1970/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    横隔膜ヘルニアで空腸が胸腔内に脱出し,嵌頓性イレウスを起こし死亡した症例を経験した.症例は女. 18~19才ころ坑内で仕事中,落盤により腰椎骨折をきたした.その後無症状であつたが, 28才ころから腹部膨満,下痢,胃痛,下腹部痛などを時々訴えた. 45才の時突然激しい上腹部痛が起こり,嘔吐(+),近くの医師より麻薬の注射をうけたが軽快せず,急患として入院.腹痛,胸痛,背部痛激しく,呼吸困難あり,ショック状態.試験穿刺で右胸腔より血性の液を証明した.その後吐血,下血あり,診断不明のまま66時間後に死亡した.剖検の結果は右側Bochdalek裂孔に相当してヘルニアあり,肝の一部を始め腹腔内臓器が胸腔内に入りこんでいた.とくに空腸は嵌頓性イレウスを起こし,壊死に落ち入り血性胸水や下血をきたしたことが判明した.既往の落盤による外傷性横隔膜ヘルニアと考えられた.
  • 沖田 信光, 松林 晧爾, 槙林 親教, 加藤 明道, 脇坂 滋, 榊原 庸晃, 織田 卓五郎
    1970 年 59 巻 5 号 p. 438-441
    発行日: 1970/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    1957年にKnedelは1家系中5名に電気泳動上,同一血清に二つの異なつたアルブミンが存在することを見つけ,これをdoppel-albuminamieと命名した.このアルブミン異常は遺伝性の血清蛋白異常症であり,現在まで20数例の報告があるにすぎない. Wiemeはこの異常アルブミンの電気泳動上の易動度の差異により, Albn, AlbraおよびAlbs1のあることを明らかにした.最近われわれはslow typeを示す本症の2家系を経験し,二~三の検索を行なつたが,臨床的に特異な所見は見出すことができなかつた. Albn/Albsl比はほぼ1前後であり,グロブリンには異常を示さなかつたが, AlbnとAlbslの量的関係は同一家系内では一定の比率を示すと思われる所見をえた.
  • 1970 年 59 巻 5 号 p. 490
    発行日: 1970年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
feedback
Top