日本内科学会雑誌
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64 巻 , 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 粕川 礼司
    1975 年 64 巻 1 号 p. 1-13
    発行日: 1975/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    自己抗体および自己免疫疾患の意味を正しく理解するため,まず,異種,同種,自己という言葉を明らかにし,ついで,動物で作られた自己免疫疾患を,歴史的にたどりながら,両者の意味と相互の関係を概観した.流血抗体の病因的意義を考察する際,次の3項の検討が重要であると思われる. 1)対応抗原が抗体にaccessible (接触可能)か, inaccessible (隔絶)か. 2)抗原が生食水に可溶性か不溶性か. 3)抗原が標的細胞の膜表面に存在するか,細胞内にあるか.これらの観点から,ヒトにおける,一般によく知られた自己抗体と著者が経験した自己抗体とを例挙しながら,各抗体の病因的意義を考察した.著者が経験した自己抗体として, 1)抗組織寒冷凝集素. 2)トリプシン処理ヒトO型血球凝集素. 3)慢性糸球体腎炎患者にみられた抗組織抗体. 4)培養細胞膜抗原と反応する抗体(慢性糸球体腎炎,慢性関節リウマチ,アミロイドージス)を紹介した.この中で,健常人にもみられる自己抗体として,いくつかの自然抗体を示した.特異な自己抗体としてのリウマトイド因子に関し,この抗体が真に自己抗体か,或いは同種抗体かを論じ,この抗体の病因的意義を, 1)補体を結合するか. 2)補体と競合するか. 3)病変組織に認められるか.の3点から,著者の実験を基にして検討した.最後に,自己免疫病からimmune complex病へと移り変る免疫病にみられる,最近の概念の変化に言及した.
  • 橋田 昌晴, 杉本 俊六, 笠原 浩一郎
    1975 年 64 巻 1 号 p. 14-22
    発行日: 1975/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本態性高血圧症の成因としてcatecholamineが何らかの役割を演じているのではないかという推察が種々の研究から行なわれてきた.われわれはcatecholamine代謝の面から本態性高血圧症の原因を追究する一助として,高血圧者11名(うち本態性高血圧者7名,慢性腎炎3名,腎血管性高血圧者と思われる症例1名),および正常者7名に3H-norepinephrine(NE)を静注し,尿中への3H-NE, 3H-epinephrine (E), 3H-normetanephrine (NM), 3H-metanephrine (M), 3H-vanillylmandelic acid (VMA)の排泄量を分離測定した.本態性高血圧例においては,正常者に比し尿中への3H-NE, 3H-VMAおよび総3H排泄量が有意に増加し,また尿中への3H-NM+3H-Mと3H-VMAとの排泄量の比,すなわち3H-VMA/3H-NM+3H-Mも有意に増加していた.腎性高血圧症においても,本態性高血圧症と同様の傾向が認められた.この成績から,本態性高血圧症においては,交感神経末端におけるNEの摂取,貯蔵,不活性化機構などの代謝異常が存在するものと推定された.一方, 3H-NE静注後には,正常者,高血圧着ともに3H-E, 3H-Mが少なからず尿中に排泄されることが証明された. 3H-Eおよび3H-M排泄量の絶対値については,高血圧例と正常例との間に有意差を認めなかつたが,総3H排泄量を100%としたときの排泄量の割合として比較すると,本態性高血圧者においては正常者に比し3H-E, 3H-Mともに有意に低下していた.
  • 近藤 和興
    1975 年 64 巻 1 号 p. 23-32
    発行日: 1975/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    二次性aldosterone症におけるrenin-angiotensin系(以下R-A系)の役割を検討した.悪性高血圧,腎血管性高血圧,肝硬変症,うつ血性心不全,ネフローゼ症候群のいずれにおいても血漿aldosterone (以下PA)と血漿renin活性(以下PRA)はともに高値を示した.悪性高血圧,腎血管性高血圧群ではPAとPRAとはr=0.54と有意の紹関(P<0.05)が認められたが, PAと血清Na値,血漿cortisolとの間に相関なく, PAと血清K値とはr=一0.52と負の相関を示した(P<0.05).肝硬変症では腹水の発生する以前よりR-A系の亢進が認められたが, PAはPRAとの間には有意の相関なく,また血清K値,血漿cortlso1との間にも有意の相関は認められなかつた.しかしPAは血清Na値とr=-0.42,血漿renin基質とr=-0.51と有意の負の相関を認やた(P<0.05).腎の傍糸球体装置は悪性高血圧,腎血管性高血圧,肝硬変症のいずれにおいても, renin産生の指標とされる傍糸球体顆粒係数は高値であつたが,その形態は各疾患により異なつていた.以上のように,これ等の二次性aldosterone症では,腎でのrenin産生亢進によりR-A系が亢進していることが認められたが,このR-A系と高aldosterone血症との関係は各疾患により異なり,高血圧性二次性aldosterone症では高aldosterone血症はR-A系の亢進によると考えられたが,肝硬変症では肝でのaldosterone代謝低下等の他の因子の関与も考えられた
  • 木村 英作, 許 哲明, 赤嶺 達生, 牟田 直矢, 中島 康雄, 村上 文也
    1975 年 64 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 1975/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    軽度の肥満を呈した28才男のLawrence-Moon-Biedl症候群の1症例を報告する.本患者の両親は従兄妹結婚で,軽度の肥満,多指趾症,知能障害,性器発育不全(包茎,睾丸のhypoplasia),網膜色素変性症などのLawrence-Moon一Biedl症候群に定型的な六主徴を具え,先天性総胆管拡張症を合併していた.本稿では本症例の臨床像,検査所見の概要を述べると共にとくに内分泌機能の態度についてこ,三の考察を行なつた.
  • 豊岡 照彦, 赤岡 家雄, 西沢 常男, 吉村 隆, 西田 〓太郎, 伊藤 幸治
    1975 年 64 巻 1 号 p. 38-43
    発行日: 1975/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    精薄,自傷行為, choreoathetosisおよび痙性麻痺などの特異な精神神経症状と,若年性痛風症を併せもつ疾患は,その最初の記載者名からLesch-Nyhan症候群とよばれ,本邦でも十数例報告されている.後にこの症候群は,プリン生合成の過程でhypoxanthineまたはguanineから,それぞれのnucleotideへの転換の際に必要な酵素hypoxanthine-guanine phosphoribosyl transferase (HGPRT)の先天性欠損症であることが判明した.最近われわれは, 5才から若年性痛風の症状とHGPRTの欠損を示すが,精神神経症状を全く呈さず,重篤な腎不全にこ推移した男子の1症例を経験した.母および同胞2人のHGPRT活性はほぼ正常値を示した.また皮膚生検でえた線維芽細胞を組織培養し, 3H-hypoxanthineの取り込みをautoradiographyで調べた結果,患者では取り込みをまつたく認めず,母および姉2人では細胞の取り込みにmosaicismを認めた.この事実は伴性劣性遺伝におけるLyonの仮説で説明でき,また患者は男性で,家族内の女性は臨床生化学的にも正常であつたことなどから,本症例の遺伝様式は伴性劣性遺伝と考えられた.本家系は精神神経症状を伴わないHGPRT欠損症と思われる.かかる家系例で,線維芽細胞のtissue cultureとautoradiographyから,一家系内で伴性劣性遺伝を証明したものは,本例が嚆矢であろう. HGPRTの完全欠損と部分欠損の区別の可否について考察した結果,本症例にこついてもその区別をさけて単に,「精神神経症状を伴わないHGPRT欠損症の一家系」とした.
  • 森田 寛, 横内 正利, 金沢 康徳, 梶沼 宏, 柴田 整一, 小坂 樹徳, 金沢 一郎, 加納 いつ
    1975 年 64 巻 1 号 p. 44-51
    発行日: 1975/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Fabry病(angiokeratoma corporis diffusum)は希な遺伝性の糖脂質代謝異常症である.本症例は16才の男子で,発熱,四肢末端の熱感を伴つた疼痛発作,発汗低下,皮膚の血管腫,角膜の混濁を認めた.尿検査では蛋白(±)の他には異常を認めず,腎機能も正常であつたが,腎生検組織像で尿細管は全く異常なく,糸球体にのみfoam cel1が存在し,初期のFabry病が強く疑われた.なお,細小血管にはフィブリノイドと思われるPAS強陽性物質の沈着がみられた.そこで,尿沈渣の薄層クロマトグラフィーを行ない,尿中へのceramide trihexosideの出現,増加,また,血清中のα-galactosidase活性の著減を証明してFabry病との診断を確定し得た.本例においては,一般にあまり有効でないとされているステロイドが著効を示しているが,このことは,腎臓にみられた血管病変との関連で注目される.
  • 1975 年 64 巻 1 号 p. 98
    発行日: 1975年
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
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