日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
72 巻 , 1 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 織田 敏次
    1983 年 72 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 川村 光信, 内藤 周幸, 林 洋, 橋本 佳明, 加藤 泰一, 松島 照彦
    1983 年 72 巻 1 号 p. 18-24
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ω3系の多価不飽和脂肪酸の一つであるエイコサペンタエン酸(C20:5ω3, EPA)は,エスキモー人についての疫学的研究や内外の実験結果から,抗血栓,抗動脈硬化作用を有することが示唆されている.しかし,現在までの臨床実験は,対象者の日常生活に種々の制約を加えたり,他の食品を犠牲にして魚を大量に摂取させており,今日の一般的食生活の立場からのEPAの実際的な効果や有用性については十分な検討がなされていなかつた.今回,我々は,日常生活を規制しないで, 20~50才台の健康成人男女各6名を男女別々に3名ずつ, at randomに,精製してEPAの濃度を高めた魚油を与えた実験群(エチルエステルの形でEPAとして1日2.0g投与)とタラの肝油を与えた対照群(トリアシルグリセロールの形でEPAとして1日0.37g投与)とに振り分け,二重省検法により4週間の長期投与を行ない,以下の結論を得た. 1)実験群では,前値に比し,血清コレステロールが有意に低下し,トリアシルグリセロールも低下傾向を示した. 2)両群共に,前値に比し,血漿および血小板リン脂質のEPA/アラキドン酸比(C20:4ω6, AA)は有意に上昇した.特に実験群では,対照群より有意な上昇を示した.しかし, 3)血小板凝集能については,実験群で,最終凝集惹起濃度0.5μg/mlのcollagenでの最大凝集率が低下傾向を示したに過ぎなかつた.このことからEPAの血小板凝集能抑制効果は著明ではないと考えられ,さらに投与量を増した臨床治験を要すると思われる.
  • 綱川 宏
    1983 年 72 巻 1 号 p. 25-37
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,体表面電位分布から心表面電位分布を求めようとする心電図逆問題解が幾つかの手法で行なわれているが,その生理的検討はいまだ十分でない.今回我々は27例の正常男子を対象とし,先にOkamotoらが開発した手法を用い,体表面電位分布から双極子の位置と成分および,推定双極子で説明し得ない体表面電位部分を非単一双極子成分(残渣)とし,これを2msecごとに経時的に求めた.結果: (1)QRS波の残渣は24.0±3.5%, QRS前半では21.3±3.8%,後半では26.5±4.9%で, 23例(85%)では後半の残渣が高値を示した.残渣曲線上, 27例中11例ではQRS開始より24.4±6.7msecに, 25例では46.4±8.1msedこ急峻なピークを形成した. QRS波の瞬時主双極子は,ほぼ全例心臓の位置するあたり12cm以内を時計方向に移動した. (2) ST-T波の残渣QRS波より安定して低値をとり, ST部では20.1±2.8%, T波では18.9±3.1%であつた. T波の頂点付近50msecの時間帯での主双極子は全例ほぼ心臓の位置するあたりにあり,移動範囲は2cm以内であつた.以上より,正常者のQRS波のかなりの部分は単一双極子で代表し得るが,初期と後半には非単一双極子成分が増大し,多双極子的となることが示唆された.またST-T波はより単一双極子的であり,双極子が固定していたことより,心室再分極過程は比較的固定した単一双極子で代表し得る可能性が示唆された.
  • 新 啓一郎
    1983 年 72 巻 1 号 p. 38-46
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本態性高血圧症患者に対する食塩持続的経口負荷の影響を調べるため,入院安静と軽度食塩制限(6g/日)により血圧15G/90mmHg以下に下降した本態性高血圧症患者(高血圧群) 11例,ならびに正常血圧対照者(正常血圧群) 11例に5日間の食塩負荷(16g/日)を行ない,血圧, Na平衡,血漿レニン活性(PRA),血漿ノルエピネフリン濃度(PNE)およびアルドステロンの血漿濃度(PA)ならびに尿中排泄量の変化を比較した.食塩負荷により血圧は正常血圧群では変化しなかつたが,高血圧群では有意に上昇した. Na平衡(蓄積量)には両群で差がなかつた. PRAおよびPNEは両群で同程度低下し,血圧と一定の関係はなかつた. PAおよび尿中アルドステロン排泄量の減少の程度は高血圧群で正常血圧群より有意に少なかった(いずれもp<0.05).PA変化率とPRA変化率の比は,高血圧群で正常血圧群より有意に小さかった.また, PAの低下の少ない例ほど血圧上昇は大であつた(r=0.66, p<0.01).以上の所見は,本研究で対象とした本態性高血圧症患者の血圧は食塩摂取量に明らかな依存性を有すること,および本症患者ではNa平衡の変化に対応するアルドステロン分泌調節に障害があり,これは,一部,本症患者でみられた血圧上昇に関与すると考えられる.
  • 宮崎 利久, 広瀬 信義, 川村 潤, 影山 洋, 飯国 紀一郎, 柳下 徳雄
    1983 年 72 巻 1 号 p. 47-54
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は39才女性.数年前から四肢の肥大変形がいちじるしくなり, 2年前から労作時に呼吸困難を自覚するようになつた.今回強度の呼吸困難のために当科に入院した.入院時はうつ血性心不全の状態であり,利尿薬,強心配糖体にて治療をおこなつた.血清アルカリフォスファターゼ25.9K-AUと上昇し,ハイドロオキシプロリンの尿中排泄は192mg/日と増加していた.骨X線検査ではほとんど全身の骨に肥厚硬化像を認め,骨組織ではosteoclastによる骨吸収とosteoblastによる骨新生が混在し, lamellar boneの旺盛な形成とこれにともなうmosaic patternを認めた.以上の所見から汎発性骨Paget病と診断した. Swan-Ganzカテーテル検査により安静時心拍出量7.96L/min,心係数4.77L/min/m2と高心拍出状態が証明された.ま心腔内におけるstep-upをともなわずに混合静脈血酸素飽和度が90%と著しく高いことから,病変骨における血管増生,動静脈痩によつて高心拍出量性心不全をきたしたものと考えられた.本邦においては骨Paget病は希な疾患であり,未だ高心拍出量性心不全を合併した症例の報告はない.さらに著老らはムコ多糖分解酵素を用いて,病変骨マトリックスにおいて,生理的には存在しないデルマタン硫酸が豊富に存在していることを証明し,本疾患の骨マトリックスにおける質的な異常を示唆する,興味深い知見を得た.
  • 桜田 恵右, 樋口 晶文, 佐々木 春喜, 森岡 正信, 鈴木 洋一, 田中 英二, 宮崎 保
    1983 年 72 巻 1 号 p. 55-61
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖原病は小児期疾患としては必らずしも希なものではなく,本邦においてもすでに200例以上の報告をみているが,成人に達してからの発症例は少なく,さらに痛風を合併するものは希である.われわれは27才の男子で多発性関節痛を主訴に受診し,著明な肝腫大,高尿酸血症,空腹時の低血糖,高乳酸血症,高焦性ブドウ酸血症,高脂血症ならびに糖負荷試験後の乳酸値の減少などより糖原病Ia型(von Gierke病)と診断し,肝組織内にPAS染色, carmine染色陽性のグリコーゲンの異常沈着を認めると共に,酵素生化学的にグリコーゲン量の著増とGlucose-6-Phosphatase活性の著しい低下より,糖原病Ia型(von Gierke病)と確定診断しえた症例を経験した.本例は成人に達してからの発症であり,痛風結節は認められなかつたが,関節炎症状は高尿酸血症, allopurinolが著効を示した点より,痛風を合併した成人糖原病Ia型と診断した.又臨床的には何らの出血傾向を認めなかつたが, ADP凝集能,エピネフリン凝集能,血小板停滞率など血小板機能に異常を認めたので,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 司馬 清麿, 矢島 途好, 沼野 藤江, 沼野 藤夫, 前澤 秀憲
    1983 年 72 巻 1 号 p. 76-82
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高安病の成因について疫学的事実により遺伝的要因が注目されている.現在わが国で報告されている家族内発現例は16家系になる.今回われわれは姪と伯母に発症した1例を経験した.姪は炎症反応が強く前面に出ており, CRP強陽性,血沈亢進および大動脈閉鎖不全を合併していたのに対し,伯母はむしろ炎症反応がはつきりせず,自覚症状に乏しかつた.両者は全く異なつた臨床病態を示していた.これは多くの家族内発現例が互いにきわめて相似した臨床経過,臨床病態を示すという認識からはずれるものであつた.又家族全員にHLA typingの検索を行なつた結果,両者のHLA-typingは異なつており,姪は母親よりAW24-BW52のhaplotypeを継承しており,伯母は日症と密接な関係があるとされているhaplotype (AW24-BW52-DW12)を有していないことを確認した.このことは我々に本症の発症に2コ以上の多遺伝子が関与し,又その臨床病態の形成や病勢に強く干渉していると想定させた.
  • 清水 完悦, 露崎 輝夫, 望月 俊直, 平野 誠一郎, 川畑 和人, 木川田 隆一, 田中 俊夫
    1983 年 72 巻 1 号 p. 83-89
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    妊娠後半期より著明な心不全症状,急性心タンポナーデを呈し,剖検にてspindle celltypeの原発性心膜中皮腫と診断された希な1例を経験した.症例は29才の女性.心拡大,エコー上多量の心膜液を認め,心膜穿刺にて血性液を採取した.細胞診は陰性であつた.症状発症後,約1カ月の経過にて死亡.心膜以外には転移を全く認めなかつた.心臓原発腫瘍は多いものではないが,その中でも原発性心膜中皮腫は極めて少なく,現在までに約120例の報告をみるにすぎない.本邦では1981年までに文献上20例の報告があるので,本例とそれらを比較検討した.発症年令は20才台がもつとも多かつた.男性15例,女性6例と,男性に多く認めた. Andersenの基準で厳密に判定すると,本例を含め7例のみが原発性心膜中皮腫と診断された.発病より死亡までの期間は平均13カ月で,死因はほとんどが“tissue tamponade”による心不全,出血による急性心タンポナーデであつた.心電図所見では,低電位差と非特異的ST-T変化を多く認め,特に低電位差は17例中8例と高率に出現した. Daweの組織学的分類による報告では, 24例の原発性心膜中皮腫のうち, spindle cell typeが13例で, epithehal type 6例, mixed type 5例に比べ高率を示した.しかし本邦では, epithellal type 10例, mixed type 6例にたいし, spindle cell typeは本例を含めわずかに3例にすぎず欧米に比し少なかつた.
  • 酒井 洋, 竹沢 信治, 青山 邦夫, 服部 孝夫, 小林 逸郎, 小久江 浅二, 横田 修
    1983 年 72 巻 1 号 p. 90-96
    発行日: 1983/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は68才の女性.慢性鉄欠乏性貧血の精査目的に入院.入院時高度の低色素性貧血を認め,便潜血持続陽性.口唇,舌に血管腫あり.胃内視鏡検査で胃内に多発する血管腫とその部位よりの出血を認めたため, Rendu-Osler-Weber病と診断した.入院後長期の便秘を契機にして肝性脳症をおこしたため,門脈-大循環系シャントの存在を疑い選択的腹部動脈撮影を施行したところ,肝内動静脈瘻と胃十二指腸動脈一門脈瘻を認めた、肝内動静脈瘻を伴うRendu-Osier-Weber病は,今までに本邦では本例を含めて5例報告されており,うち4例に肝性脳症を, 2例に慢性消化管出血を認めている.本例の肝性脳症の原因としては,肝内動静脈瘻によるシャント,慢性消化管出血と長期の便秘による腸管内のアンモニアの産生の亢進を考えた.
feedback
Top