日本内科学会雑誌
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62 巻 , 8 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 高安 正夫
    1973 年 62 巻 8 号 p. 881-897
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 杉谷 義憲
    1973 年 62 巻 8 号 p. 898-906
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳シンチグラフィーは,脳血管障害の局在診断に有力な検査手段である.しかし脳血管障害時の脳シンチグラムは,病巣局在の不明瞭なものが多い.そこで対照比較法を考案,適用し,その判読をより正確,客観的なものとした,そして脳シンチグラフィー施行時に,脳局所循環動態計測を併用し,脳局所RI希釈曲線,腕頭時間,脳局所平均通過時間,脳血管障害部(L)と対照部位(C)のRI分布比(L/C比)の解析を同時に行ない,病巣の局在診断のみならず,機能診断,定量的診断が同時に行なえるように.した.以上の操作は全て, on line RIデータ処理装置にて,短時間内に行なえた.脳血管障害時の陽性脳シンチグラム発現機序につき,動物実験と臨床データとの関連において追求し,病巣周囲に現れる未熟毛細血管が関与しているであろうとの成績を得た.本研究により,脳シンチグラフィーは脳血管害診断のより有力な臨床検査手段となつた。
  • 羽田 靖子, 黒川 一郎
    1973 年 62 巻 8 号 p. 907-917
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    虚血性心疾患の発生もしくは促進因子としてのcatecholamine (CA)の作用を,その血液凝固線溶能に及ぼす影響から検討すべく,生理的微量のnoradrenalineおよびadrenaline負荷,ならびに運動負荷における血液凝固線溶能につき系統的に検討した.またCAの血液凝固線溶亢進作用に対する機序の一部を解明する目的で,交感神経受容体遮断薬を用いてCAへの影響をin vivo, in vitroで検討した.その結果, CAにより血液凝固能は亢進し,線溶能も同様に亢進をみた.しかしてCAは主として栓球と第XII因子への直接作用を介して凝固亢進作用をもたらすものであることが結論づけられた.そしてαならびにβ遮断薬はいずれもCAのかかる作用を抑制することを明らかにした.
  • 沼野 藤夫, 高野 照和, 相良 淳史, 島本 多喜雄
    1973 年 62 巻 8 号 p. 918-929
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高安病の成因は未だ不明であるが臨床的に若い女性に多く,心臓より直接出る大動脈およびその直接分岐や肺,冠動脈に病変が限局している特徴が知られている.一方実験的にestrogen長期投与家兎大動脈に高安病患者動脈組織像と酷似した変化を観察したことより,本病態成立の重要な因子としてestrogen関与が想定されたため,高安病患者70名(平均年令33± 1.2才)および健康婦人58名(33.4± 1.7才)につき内分泌的な面より調査,比較検討を加えた.その結果, 1)初潮年令は対照14.3± 0.2才に対し, 13.5± 0.2才で約1年早い(p<0.05). 2)月経の不規則で,基礎体温もはつきりした二相性を示さないものが対照群(58名中3名)に比し多い(34名中12名, steroid使用者除く). 3)初発年令23.8± 1.0才で易疲労感,脈の減弱,消失を初発症状とするのが多い. 4) 43名の妊娠経験患者のうち妊娠中または分娩直後に症状の発現をみたもの22名. 5)本学外来受診治療中の患者48名中31名は乳房,皮下脂肪よく発達した女性型(F型)を呈し,筋肉型(M型) (9名),中間型(N型) (8名)よりはるかに多い. 6)うち27名について行なつた尿中estrogen総排泄量は11.46±0.78γ/day (卵胞期), 9.89±0.48γ/day (黄体期)で,健康婦人(29名) 8.80±0.58γ/day (卵胞期), 12.43±1.05γ/day (黄体期)に比し,患者群では卵胞期でのその生理的排泄抑制が不充分で,有意の高値(p<0.05)を示した. 7)一方尿中pregnandio1排泄量は,高安病患者では低く,黄体期の生理的なその有意の増加を示さない(高安病群0.90±0.15mg/day,健康婦人群1.48±0.23mg/day). 8)尿中17-OHCS排泄量は両群の間に差はないが(高安病患者4.3±0.3,対象群5.8±0.8mg/day), 17-KS排泄量は有意の低値(6.7±0.6, 9.4±0.8mg/day) (P<0.05). 9)甲状腺機能検査(BMR, T3 uptake test, T4 test)肝機能検査では異常値を示す患者は少ないが,血液検査で低色素性貧血を示す患者が多いという結果が得られ,内分泌的な動態変化の存在が示唆された.このhormonal unbalanceの状態が血管壁,ことに平滑筋の代謝に障害を及ぼし,更に心拍動による激しい血流の機械的ストレスが加わつて限局した血管域に複雑な病態を進展させてゆくことが想定され,今後さらにこの面からの研究,治療への応用が検討される必要があろうと思われた.
  • 手嶋 秀毅, 井上 貞久, 吾郷 晋浩, 池見 酉次郎, 永木 和義, 稲井 真弥
    1973 年 62 巻 8 号 p. 930-935
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    遺伝性血管神経性浮腫(hereditary angioneurotic edema; H. A. N. E.)は血中の補体第1成分阻止因子(C1 esterase inactivator, C1 inactivator, C1 inhibitor; C1 INH)の活性低下があるために補体系,プラスミン系,キニン系の活性に異常をきたし,臨床症状として急性限局性浮腫が内臓粘膜,皮膚に発生して全身各所の浮腫,圧迫症状,疼痛等による々の症状を呈する常染色体優性遺伝を示す疾患である.本症にkallikrein inhibitorの欠損があることが発見され,さらに補体系の特有な変動のあることが判明し,補体とキニン系,プラスミン系との関連や,補体の酵素作用を明瞭にする手がかりを与える疾患として注目されている.しかし本邦ではまだ山本ら1)の1報告があるにすぎない.最近われわれは42才の男性で呼吸困難,腹痛発作,四肢の浮腫があり特有の補体系の異常と遺伝性を有する疾患を経験した.なおこの症例では, C1 INHの活性低下はみられたが,蛋白量としては正常人とほぼ等量にみられた.交叉免疫電気泳動でも単峰の沈降線を示し,正常人と等しかったので, Rosen2),Laurel13)らの蛋白はあつても正常人と異なつた沈降線を呈するとする症例とも異なるので報告する.
  • 荒川 昌昭, 北島 和彦, 調 輝男, 寺尾 章, 荒木 淑郎, 柴田 進
    1973 年 62 巻 8 号 p. 936-942
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    われわれは最近8例のdisseminated intravascular coagulation (DIC)症候群患者を経験した.その臨床症状は身体各部位への出血を始めとして多彩であつた.その中で精神神経症状としては,嗜眠,半昏睡,譫妄状態等意識状態に関連した症状が全例にみられた他,大脳半球症状を呈したものが4例,痙攣発作を示したものが2例であつた.これらの症状はいずれも一過性でheparinを主体とした治療により,臨床検査成績の改善とともに軽快の傾向を示した.しかしこの8例中,1例が治癒,7例が死亡した.5例について病理解剖を施行したが,とくに脳の病理所見では出血,軟化,小動脈の血栓形成等が認められた.血栓形成はDICの経過が長かつた症例ほどその程度は強度であった.なお今回の症例はいずれもthrombotic thrombocytopenic purpura (TTP)の3主徴または5主徴を兼備していたため,われわれはDICとTTPの異同について若干の考察を加えた。
  • 鵜沢 春生, 柴田 洋三郎, 山中 正義
    1973 年 62 巻 8 号 p. 943-949
    発行日: 1973/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Zieve's syndromeはLeslie Zieveによつてjaundice-hyperlipemia-hemolytic anemia症候群として提唱され, 1960年DurhamによつてZieve's syndromeと記載された.酒客が大酒を契機として来たす急性アルコール性肝炎の一つと考えられる.ここに報告すう1例は55才め男,酒客で大酒のあと高度の高脂血症(乳様血清,総コレステロール500,中性脂肪1200,脂質燐40.9各mg/dl),貧血,肝腫,黄疸および肝機能異常があり,入院.禁酒のみで約1カ月後にすべての異常は正常化した.肝生検電顕所見では内腔の嚢状膨大にリボ蛋白とおもわれる顆粒を多く含んだ滑面小胞体およびlysozomeの増加が著明で,明らかな脂肪滴はみられなかつた,高脂肪食,高含水炭素食の負荷で高脂血症はおこらず,焼酎(アルコールとして100g/day)投与で血清遊離脂肪酸と中性脂肪の増加が招来された.ヘパリン静注後血漿リポ蛋白リパーゼは正常であつた.高脂血症発生機構について論じた。
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