日本内科学会雑誌
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82 巻 , 5 号
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  • 川井 啓市
    1993 年 82 巻 5 号 p. 625-626
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 吉田 豊, 棟方 昭博
    1993 年 82 巻 5 号 p. 627-631
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎(UC)とCrohn病(CD)の症候論について述べた. UCでは血便が必発の症状であり,診断は血便からの鑑別を中心に進めるべきである. CDでは腹痛,全身倦怠,下痢が3徴候であり類似の症状を呈する疾患の鑑別が診断上重要である.両疾患ともに診断に特異的所見はないため,疾患に特徴的な所見の把握と除外より総合的になされる.
  • 牧山 和也, 井上 健一郎, 宮崎 義継
    1993 年 82 巻 5 号 p. 632-638
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    炎症性腸疾患の基本検査の主な目的は,血中の炎症反応と腸管病変の形態学的異常を捉えることによって病態を把握し診断につなげていくことである.血液,生化学検査では炎症反応と続発性の異常をつかみ,糞便検査と内視鏡検査, X線検査によって診断と病態を明確にしていく.診断手順のなかで最も重要な部分は,早期に(初診時に)大腸前処置なしで直腸からS状結腸を観察し潰瘍性大腸炎でないかどうかをまず診断することである.免疫学的検査は疾患特異性に乏しい.腹部超音波検査が腸管壁の強い浮腫を捉えるのに役立つときがあり,大腸結核の迅速な診断にはPCR法が有用である.
  • 丹羽 寛文
    1993 年 82 巻 5 号 p. 639-643
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    炎症性腸疾患の診断には内視鏡検査が最も重要である.内視鏡検査では得られる情報量が多く,特に生検により組織学的裏付けが可能であることは大きい強みである.炎症性腸疾患の範畴に入る疾患には多数のものがあり,本論文では典型例の所見を述べたが,それぞれの内視鏡所見はよく似ており,内視鏡所見のみでは鑑別不可能なこともある.鑑別には細菌学的な検討,現病歴,現症の把握を含め多くの点を考慮する必要がある.
  • 太田 玉紀, 渡辺 英伸
    1993 年 82 巻 5 号 p. 644-650
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    炎症性腸疾患の生検診断では, (1)肉眼像を反映する内視鏡所見, (2)病期による肉眼像・組織像の変化, (3)生検部位による組織情報の差異を考慮して生検組織を鏡検することが大切である.
  • 馬場 忠雄, 中條 忍
    1993 年 82 巻 5 号 p. 651-655
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    狭義の炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎とCrohn病の病態,特に,成因・発生機序については,十分には解明されていないのが現状である.両疾患は,成因・発生機序において,全く別個の疾患と考えられているが,臨床症状, X線像,内視鏡像においては,必ずしも鑑別診断が容易でない症例もあり,この点について解説した.今後,初期像,重症化機序,腸粘膜内免疫動態など,病態の解明が進むにつれて,より鑑別診断が容易になることが期待される.
  • 朝倉 均, 船越 和博, 杉村 一仁, 笹川 哲也
    1993 年 82 巻 5 号 p. 656-662
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    潰瘍性大腸炎は大腸の非特異性の慢性炎症性疾患であるが,活動期には顆粒球の浸潤と腺窩膿瘍がみられ,炎症としてはacute on chronicの像を呈する.その成り立ちについて,マクロファージとT細胞の活性化や血管内皮の透過性亢進と細胞接着因子から解説し,腸上皮細胞の変性・壊死についてはADCCとcytotoxic T細胞の面から考察した.現在,本症の内科的治療は抗炎症作用と免疫抑制作用とから各種薬物が使用されていて,その治療指針について言及した.
  • 日比 紀文, 岩男 泰, 細田 泰雄, 渡辺 守, 土屋 雅春
    1993 年 82 巻 5 号 p. 663-668
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Crohn病の病因はいまだ不明で,遺伝的素因,感染,食事因子,血流障害,免疫学的異常といった観点から研究がなされてきた.特に,単球・マクロファージ系細胞の機能異常および管腔より侵入した外来抗原に対する免疫反応の異常が,肉芽腫や潰瘍,瘻孔などの病変を形成するという考えが有力となっている.初期治療として栄養療法が有用であるが,再燃や進展を防ぐには,免疫学的異常をふまえた適切な免疫統御療法が必要となる.
  • 飯田 三雄
    1993 年 82 巻 5 号 p. 669-674
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,腸結核は著しく減少したが,胸部X線で異常を認めない原発性腸結核はむしろ増えている.腸結核の大部分は,嚥下された結核菌がパイエル板を覆う腸粘膜上皮から侵入することによって発生する.本症の診断上,瘢痕萎縮帯や腸管の変形を二重造影法で描出することと,内視鏡で採取された生検組織の培養が重要である.通常3者併用療法によって治療し,その効果はX線・内視鏡検査で判定する.治療に対する反応は確定診断上重要な所見の一つである.最近,腸結核の大腸粘膜を発生母地として大腸癌が発生する可能性が示唆されており,注意深い経過観察が必要である.
  • 多田 正大
    1993 年 82 巻 5 号 p. 675-678
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Behcet病の特殊型としての腸管Behcet病の症状は病変の発生部位,重症度によってさまざまであるが, Behcet病の4主症状がすべて発現することはまれである.本症にみられる消化管病変は口腔から肛門にいたるまでのすべての部位に発生するが,好発部位は回盲部である.初期には紅暈を伴うアフタ様潰瘍が多発する.進行すると潰瘍は境界鮮鋭な円形ないし卵円形になり,打ち抜き様(punched-out)と表現されるような下掘れ傾向を呈する.病理組織学的には特異的な炎症所見がみあたらないが,そのことが逆に本症の特徴でもある.
  • 馬場 正三
    1993 年 82 巻 5 号 p. 679-682
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    単純性腸潰瘍胃の歴史は古いが,その病態はなお,不明な面が多く単一疾患単位として良いかの問題がある.病態の次第に解明されつつあるいくつかの疾患を含め,結腸・直腸・小腸の単純性潰瘍について記述する.
  • 押谷 伸英, 小林 絢三
    1993 年 82 巻 5 号 p. 683-687
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    虚血性大腸炎は,血管側因子に起因する大腸の血流低下および腸管側因子に起因する腸管内圧の亢進などが複雑に関連し,腸管壁の傷害をひきおこす症候群である.近年,本邦において増加しており,まれな疾患ではなくなっているが,なお,その病因に関しては不明な点が少なくない.また,大腸内視鏡検査の普及に伴い,軽症例の診断が可能となり,このために若年発症例が少なくないことが判明した.臨床的に重要なことは,腸管壊死の発生を早期に診断し,適切な治療法を選択することにある.
  • 桜井 幸弘
    1993 年 82 巻 5 号 p. 688-692
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    薬剤性大腸炎は偽膜性大腸炎と出血性大腸炎に大別され,いずれも薬物投与による大腸細菌叢の変化が原因とされている.偽膜性大腸炎は重症疾患に合併することも多く,放置すれば死亡する.主症状は下痢,発熱であるが,腹満,イレウス,急性腹症を示したり,あるいは無症状のものさえある.診断はClostridium diffcileの培養,毒素の証明と内視鏡による偽膜の確認である.治療は原因薬物を中止し,バンコマイシンの投与が効果的である.
  • 酒井 義浩
    1993 年 82 巻 5 号 p. 693-696
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    赤痢アメーバの経口感染であり,大腸粘膜に侵入して多彩な潰瘍性病変を発生させる.その内視鏡像は潰瘍に対応した白苔であり,潰瘍が小さい場合は丘状に膨隆したつややかな粘膜の上に類円形の白苔として認められ,時に厚い白苔が突出して認められる.潰瘍は多発性で広い領域に及ぶ.直腸に好発し,連続するS状結腸にもしばしば認められる.次いで盲腸,回盲弁に好発する.白苔からの生検がアメーバの検出上必須である.
  • 樋渡 信夫
    1993 年 82 巻 5 号 p. 697-700
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    アフタ様大腸炎は,粘液便または粘血便を主訴とし,内視鏡的には中心に白苔,周囲に紅量を伴った小隆起~陥凹, X線的には中心にバリウム斑を伴った透亮像が散在性~びまん性に多発し,生検組織所見では大腸粘膜の腫大したリンパ〓胞およびその周囲や被覆上皮に限局した炎症像を認める.病因は不明である.アフタ様潰瘍は種々の腸疾患の初期および治癒期にみられるが,特にアフタ様潰瘍のみからなるCrohn病との鑑別診断が病態解明の面からも重要である.
  • 池添 逸夫, 堀 信治, 里見 匡迪, 阿保 博己, 下山 孝
    1993 年 82 巻 5 号 p. 701-707
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    わが国の細菌性腸感染症は,衛生環境が整備され,生活水準が向上するにつれ次第に様変りし,法定伝染病は激減した.しかし,最近は海外渡航者が増加し,輸入食品に依存する度合いが増大したため,輸入型の細菌性腸感染症がクローズアップされるようになった.同時に,新しいタイプの食中毒起因菌も話題になっている.治療面ではニューキノロン系抗菌薬が市場に登場し,化学療法も変貌を遂げている.
  • 名倉 宏
    1993 年 82 巻 5 号 p. 708-714
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腸管リンパ装置(GALT)はパィエル板等リンパ小節を形成するものばかりでなく,腸管の粘膜固有層や上皮間に分布するすべての免疫担当細胞や上皮細胞を含めた腸管全域に及ぶ腸管付属リンパ装置の総称であり, mucosal immune systemの構造的基盤である.それは単に腸内の抗原に反応し,腸管粘膜の保護にあたるのみならず, central lymphoid organとして免疫担当細胞の分化や全身の免疫能の制御にも関与している.またその免疫機能は,腸管の消化吸収機能と同様に自律神経系によっても支配されており,腸管が“小さい脳”と呼ばれることがある。
  • 倉園 久生, 唐澤 忠宏, 竹田 美文
    1993 年 82 巻 5 号 p. 715-719
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腸管感染症の発症に,菌が産生する蛋白毒素が重要な役割をしていることが明らかとなっている典型的な例として,コレラ菌のコレラ毒素,毒素原性大腸菌の易熱性エンテロトキシンと耐熱性エンテロトキシン,腸管出血性大腸菌のVero毒素,腸炎ビブリオの耐熱性溶血毒について,毒素の性状,作用機序,および発症との関わりについて,現在までの知見をまとめた.
  • 岡崎 幸一郎, 水野 兼志, 加藤 健, 橋本 重厚, 福地 総逸
    1993 年 82 巻 5 号 p. 743-744
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は, 74歳女性で,原因不明の腹水を呈し,血清CA125が1054U/mlと著明に高値であった,卵巣癌を疑い,腹腔鏡検査を施行したところ,腹膜にび漫性に小豆大の結核結節を認めた. CA125は,利尿薬で腹水が減少するとともに低下し,さらに,抗結核薬投与により著明に低下した.原因不明の腹水患者で, CA125が異常高値を示した場合,悪性腫瘍のみならず,結核性腹膜炎も念頭に置くべきであると考えられたので報告した.
  • 古閑 寛, 石黒 恭子, 石原 久子, 宮田 榮三, 祖父江 文男, 宮下 泉, 山本 絋子, 太田 兼吉
    1993 年 82 巻 5 号 p. 745-746
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    一過性黒内障を主徴とした抗リン脂質抗体症候群の2症例を報告した.第1例は32歳の男性で, SLEと診断された.第2例は33歳の男性で,基礎疾患を有さず,頭部MRIにて無症候性の梗塞巣が認められた.既報告例の検討でも若年者に多く,他の虚血性脳血管障害の合併が高率であることが特徴的であった.他に原因のはっきりしない一過性黒内障では,抗リン脂質抗体によるものの可能性があり,その面の検索も重要と考えられる.
  • 前田 圭子, 川嶋 剛史, 松村 昭彦, 中川 雅夫, 西村 敏夫, 神武 裕, 青木 茂, 坂本 力
    1993 年 82 巻 5 号 p. 747-748
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は22歳男性.右胸痛に続く左胸痛にて来院.胸部X線像上,右気胸及び両肺野の多発性結節性陰影を認め入院となった.基礎疾患は認めなかった.結節性陰影に対して経皮的エコー下穿刺を施行したところ,膿が採取された.この膿から嫌気性菌であるpeptococcusが検出され, peptococcusによる肺膿瘍と診断された.若年健康人に肺膿瘍が両肺野に多発性に出現し,気胸で発症した例はまれであるので報告する.
  • 石丸 恵子, 石橋 和明, 森山 篤志, 小森園 康二, 有馬 暉勝, 浜田 富志夫, 馬場 泰忠
    1993 年 82 巻 5 号 p. 749-751
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    汎血球減少,発熱,黄疸,肝脾腫を呈し,骨髄に著明な血球貪食像を示す組織球の増生が見られたT細胞悪性リンパ腫の1例を経験した.剖検では,肝脾を中心に消化管,腎,骨髄などほぼ全身の臓器に広範な単核球の浸潤を認め,免疫組織学的にこの単核球はT細胞系腫瘍と考えられ,本例は血清抗HTLV-I抗体が陽性であることからも,成人T細胞白血病(ATL)の範畴に属するものと考えられた.本症例はT細胞の形質を持つリンパ系腫瘍と悪性組織球症(MH)との関係において興味ある症例と考えられ報告した.
  • 斉藤 元泰, 藤村 政樹, 安井 正英, 新谷 博元, 松田 保, 居軒 功, 森下 大樹, 中村 勇一, 村田 義治, 藤岡 正彦, 村本 ...
    1993 年 82 巻 5 号 p. 752-754
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    気管支喘息に合併したブロンコレアの1例を経験した.胸部X線写真では異常所見は認めず,喘鳴消失後も1日300mlに及ぶ喀痰の喀出が続いた.喀痰中には多数の好酸球を認め, BALFではマクロファージの著減とリンパ球,好酸球の増加を認めた.喀痰量のコントロールを目的にエリスロマイシン内服とフロセマイド吸入を試みたが,効果に乏しく最終的にはステロイドが著効を示した.
  • 高橋 孝喜, 十字 猛夫
    1993 年 82 巻 5 号 p. 755-760
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    輸血後GVHDは,輸血後1~2週間後に発熱と紅斑を認め,続いて肝機能障害・下痢・下血が出現する.さらに骨髄無形成による汎血球減少症を呈し,最終的には敗血症等の重症感染症や大量出血により死亡する.免疫不全状態にない症例にも発症することが明らかになり,従来「術後紅皮症」といわれたものの多くは本症と考えられる.有効な治療法がなく,現在も年間100例以上の発症が推定され,予防対策の確立が緊急課題である.現段階では輸血血液に対する1500~5000cGyの放射線照射が,有効性・安全性の面から広く実施可能な予防法と考えられる.適応のある待機手術例で自己血輸血を推進することが重要であり,内科系の医師の協力により各医療機関でその体制を整えることが期待される.以上の予防対策を広く講ずる前提に,臨床に携わる医師が本症の病態を正しく理解し,同種血輸血の有用性と危険性を正しく認識していただくことが必要と考えている.
  • 矢永 尚士, 丸山 徹
    1993 年 82 巻 5 号 p. 761-766
    発行日: 1993/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心拍や血圧は規則的な変動をくり返している.大集団を対象とした統計によれば急性心筋梗塞や急死の発症好発時間帯は午前中に存在する.生体現象は周期性変動と非周期性変動を示すものに分けられるが,周期性変動を生体リズムと呼ぶ.周期性の有無はクロノグラムの作成とその分析により判断される.分析法としてはフーリエ解析,最大エントロピー法,自己相関法,コサイナー法などが用いられる.生体リズムには生活リズム(運動・安静,覚醒・睡眠,食事など),環境リズム(昼,夜,明暗など)の外因が深く関与する.さらに基礎疾患,自律神経,体液性変化がリズムに影響,修飾する.周期性変動が臨床的に内因性か外因性かを鑑別することは困難であるが,基礎的には少なくとも刻時機構(生体時計ないし体内時計)の一つは視交叉上核にあることが証明されている.生物リズムの概念は新しいものではないが,心血管系への応用は最近のトピックであり,その臨床的意義について検討が続けられている.
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