治療中の肺結核患者108人に肝生検を行ない,全例光顕的に,一部電顕を用いて検索し,結核病型,治療期間,使用抗結核薬,年令などについて検討を行なつた.組織異常は37%にみられたが,非特異的反応性肝炎というべき病像をとるものが大部分である.電顕的には化学療法を開始後粗面小胞体の内腔拡大,滑面小胞体の増加が認められた.一方これと同時に行なった肝機能検査では異常率は33%であつた.また個々の薬物の肝毒性を知るために, PZA, PAS, 1314THを家兎に投与し,肝の病理組織学的検索を行なつたところ,各薬物とも体重あたりヒト常用量の5倍量の投与で著明な影響を与えることを知つた.
抄録全体を表示