日本内科学会雑誌
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57 巻, 3 号
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  • 阿部 達生, 久保 雅子, 井上 幹茂, 上田 昌司, 十倉 保宣, 高藤 均, 木村 政美, 中島 吉弥, 谷口 正美, 滝野 辰郎, 藤 ...
    1968 年 57 巻 3 号 p. 313-324
    発行日: 1968/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    G-6-PD欠乏による遺伝性非球状赤並球性溶血性貧血症母子の赤血球ならびに赤芽球のG-6-PD活性を細胞化学的に検討した.本症は伴性遺伝をすることが知られており,したがつて本症ヘテロでの本酵素にかんする知見はLyonの仮説を裏付ける有力な手段となる.著者らは本実験で,ヘテロではG-6-PD活性を有する赤血球群と有しない赤血球群のモザイクを確かめ, Lyonの仮説を支持する所見をえた.しかし,本症ヘミでも,少数酵素活性を有する赤血球群が存在し,偽モザイク現象をみとめた.この現象が赤血球の成熟現象にもとつくもので, G-6-PD欠乏症でも,網状赤血球をふくむ若い赤血球や,赤芽球には本酵素の存在することを細胞化学的に示した、こめような細胞化学的なG-6-PDの検討にもとづき,遺伝子の発現機序について若干の考察をおこなつた.
  • 富永 教洋
    1968 年 57 巻 3 号 p. 325-335
    発行日: 1968/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    結合織疾患,とくにSLEの抗DNA抗体の臨床的意義を究明する目的で,間接蛍光抗体法によるDNAスポットテストを中心に抗核因子を検索した.抗DNA抗体検出試験はSLEに感度,特異性ともにすぐれていたが,抗核抗体はSLE以外の結合織疾患でもしばしば陽性であつた.抗DNA抗体価は活動性SLEとくに活動性ループス腎炎に高値を示し,臨床的活動性と平行したが,長期観察例で陰性となつた例は少なかつた.またステロイド投与で低下,臨床症状の再燃に先行して上昇し,ステロイドの維持量,投与中止時期判定にも役立つ.さらに経過中腎症状出現時にはそれ以前の値よりさらに高値を示していた.以上より本抗体の腎症発症への役割りを考察し,ヒドラジノフタラジン投与例のDNA抗体価の動きからSLEの発症機序についての意義も考案した.
  • 青沼 美隆
    1968 年 57 巻 3 号 p. 336-346
    発行日: 1968/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    治療中の肺結核患者108人に肝生検を行ない,全例光顕的に,一部電顕を用いて検索し,結核病型,治療期間,使用抗結核薬,年令などについて検討を行なつた.組織異常は37%にみられたが,非特異的反応性肝炎というべき病像をとるものが大部分である.電顕的には化学療法を開始後粗面小胞体の内腔拡大,滑面小胞体の増加が認められた.一方これと同時に行なった肝機能検査では異常率は33%であつた.また個々の薬物の肝毒性を知るために, PZA, PAS, 1314THを家兎に投与し,肝の病理組織学的検索を行なつたところ,各薬物とも体重あたりヒト常用量の5倍量の投与で著明な影響を与えることを知つた.
  • (第1報)寒天,アドレナリン,大腸菌内毒素投与による血小板凝集物質の出現について
    島本 達夫
    1968 年 57 巻 3 号 p. 347-353
    発行日: 1968/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    細菌内毒素,寒天,アドレナリンなどの静注により動物の流血中血小板数が減少することが知られている.一方1958年島本(多)らは赤痢菌内毒素を静注するとウサギのヘパリン加血漿にほかのウサギからえた生理食塩水浮遊血小板を凝集する性質が現れる事実を発見し,この活性物質を血小板凝集物質と呼んだ.著着は細菌内毒素ばかりでなく寒天,アドレナリンの静注によつてもウサギのヘパリン加血漿中に血小板凝集物質が出現することを発見し,この物質の性質,とくにCaイオンとの関連について検討した結果, ADP,トロンビン. TAgなど血小板を凝集する物質として従来記載された物質と相異する性質を示す事実を認めた.
  • (第2報)血漿の殿粉ブロック電気泳動による血小板凝集物質の出現について
    島本 達夫
    1968 年 57 巻 3 号 p. 354-360
    発行日: 1968/03/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ウサギのヘパリン加血漿について殿粉プロック電気泳動を行なつた.泳動前の血漿の血小板凝集活性の有無にかかわらずアルブミンと一部重なるが,さらに陽極よりの分画に血小板凝集活性が出現することを確認した.この活性について先に報告した寒天,アドンナリン,または細菌内毒素負荷ウサギのヘパリン加血漿中に出現する血小板凝集物質との関連について論じ,かつADP.トロンピンTAgなど血小板凝集活性を示す物質との相異について述べた.
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