日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
110 巻, 12 号
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内科学会NEWS
目次
特集 内科医が知っておくべき境界領域疾患
Editorial
トピックス
MCQ
シリーズ:地域医療を実践する内科医とは
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 松瀬 厚人
    2021 年 110 巻 12 号 p. 2623-2630
    発行日: 2021/12/10
    公開日: 2022/12/10
    ジャーナル フリー

    真菌は人間の生活環境中に普遍的に存在し,耐熱性のAspergillus属等は,宿主の状態に応じてアレルギーから感染症まで幅広い呼吸器疾患の原因となる.真菌を原因とするアレルギー性呼吸器疾患は,好中球性炎症やステロイド抵抗性の要素を有し,重症難治化しやすい.真菌感作重症喘息やアレルギー性気管支肺真菌症等が代表疾患であり,治療の中心はステロイドホルモンであるが,なかには抗真菌薬が有効な症例も存在する.これらのアレルギー性呼吸器疾患に対して,原因真菌の十分な検索を行わずに漫然と抗真菌薬を投与し続けることは抗真菌薬耐性の誘導にもつながるため慎むべきである.近年,好酸球性重症喘息に使用される抗体製剤は真菌を原因とするアレルギー性呼吸器疾患に対しても高い効果が期待される.今後は,抗真菌薬や抗体製剤をどのような症例に選択するかを判断するための臨床指標が求められる.薬物治療に加えて,環境整備による真菌曝露量の減少も重要な治療戦略となる.

  • 藤原 靖弘
    2021 年 110 巻 12 号 p. 2631-2636
    発行日: 2021/12/10
    公開日: 2022/12/10
    ジャーナル フリー

    好酸球性消化管疾患(eosinophilic gastrointestinal disorders:EGIDs)は消化器症状を認め,消化管に好酸球浸潤を来たす慢性アレルギー疾患で,好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis:EoE)と好酸球性胃腸炎(eosinophilic gastroenteritis:EGE)に大別される.EoEの病態は詳細に解明されつつあり,Th2免疫応答を主体として,さまざまなサイトカインや好酸球から放出される物質による炎症期とTGF(transforming growth factor)-β1やperiostin等が関与する線維化期に分けられる.EoEの治療はプロトンポンプ阻害薬や局所ステロイド療法が用いられる.EGEは重症例や難治例が多く,全身ステロイド治療を要する症例が多い.EGIDsに対する食物除去の有効性は報告されているが,成人での実施は困難なことが多い.欧米において病態からさまざまな生物学的製剤が開発されつつある.食道以外の臓器別の浸潤好酸球数の定義,本邦において保険適用薬剤がないこと,アレルゲン同定が困難なこと等が課題である.EGIDsの現況について総説した.

専門医部会
シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
第30回東海支部教育セミナーまとめ(企画:専門医部会)
医療事故の再発防止に向けた提言より
内科学会からのお知らせ
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