日本内科学会雑誌
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59 巻, 1 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 中村 隆
    1970 年 59 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 1970/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 未治療時の態度と治療による変動を中心として
    遠藤 勝己
    1970 年 59 巻 1 号 p. 16-27
    発行日: 1970/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近時,イソスリンに加えて経口抗糖尿病薬が続々開発され,糖尿病患者の生命は延長しつつある.しかし治療による血糖・尿糖の良好なコントロールにも拘らず,血管合併症の急激な進展を阻止し得ない場合がある.動脈硬化症や血管内血栓症などの血管障害と線溶系との関係が論議されている折柄,糖尿病の病態を線溶面から把握するため治療前後の線溶能を測定した結果,未治療時における高フィブリノーゲン血を伴う線溶能低下と,インスリン注射後の線溶能促進,およびSU薬(tolbutamide)・biguanide薬(buformin)投与後1~2週の線溶促進が5~6週後にreboundする傾向を認めた.さらに,血糖値と線溶能との関係を同時採血の検体で,未治療早朝空腹時および糖負荷試験実施時に測定し,検討した.また脂質と線溶との関係を検討するため,未治療時に血清総コレステロール値とユーグロブリン溶解時間および血漿フィブリノーゲン量を同時測定し考察を加えた.
  • 五十川 正矩
    1970 年 59 巻 1 号 p. 28-36
    発行日: 1970/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血清肝炎の発病を減少させるために次の事項について検討した. (1) 供血源が売血か献血かによつて,血清肝炎発病率にどれほど差異があるか. (2) 副腎皮質ステロイド薬が血清肝炎を予防し得るか否か.対象は394例で,輸血後6カ月間経過観察し,これを売血輸血を受けた売血群,売血輸血後間歇投与方式によりβ-methHAsoneを投与した売血-ステロイド投与群と献血を受けた献血群の3群にわけた.血清肝炎発病率は売血群57.8%,売血-ステロイド投与群18.9%,献血群20.1%であつた.売血群と献血群との発病率は献血群において明らかに低く,このことより献血輸血は血清肝炎発病率を大幅に低下せしめ得ることを認めた.売血-ステロイド投与群の発病率は売血群より著明に低く,また両群の発病率の差は輸血量・年令・性別・原疾患の差によるものではないことより,副腎皮質ステロイド薬が血清肝炎の発病を抑制したと推定した.
  • 小沢 正人
    1970 年 59 巻 1 号 p. 37-46
    発行日: 1970/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    目的:神経芽細胞腫患者にみられるシスタチオニンとβ-アミノイソ酪酸の尿中排泄の特異性の問題およびシスタチオニン尿の発生機序の解明、方法: 7症例におけるこれら二つのアミノ酸の検出およびメチオニン負荷実験とピリドキサール燐酸投与実験。成績:シスタチオニン尿は全症例に, β-アミノイソ酪酸尿は5例に認められた.シスタチオニンの尿中排泄量はメチオニン負荷により,著明な増加をみ,ピリドキサール燐酸投与により明らかな減少をみた.結論:シスタチオニン尿は本疾患に特異的である.その発生機序は, 1. 腫瘍組織内のメチル基転移活性が高まり,メチオニンからシスタチオニンへの過形成を生ずるため, 2. ピリドキサール燐酸の相対的欠乏によるシスタチオネース活性の低下によるためと考えられる.
  • 堀内 篤, 松崎 正一, 大島 年照, 岡安 大仁, 萩原 忠文
    1970 年 59 巻 1 号 p. 47-53
    発行日: 1970/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近の白血病治療の進歩はめざましいものがある.しかし一方,二次的病変である感染症,とくに肺感染症の合併は増加の傾向にあり,それに対する予防的対策が検討されはじめている.われわれは1年4ヵ月の観察期間中, 5回にわたり胸部X線写真上それぞれ異なつた陰影の消長を示した急性白血病の1例を経験した.初回は両側全肺野におよぶ気管支肺炎像であり,その後再び左下肺野に気管支肺炎および随伴性肋膜炎の像がみられた.さらに出血による左肺門部の腫瘤状陰影,ついで左上,中肺野の気管支肺炎像を認め,死亡前には左上肺野にアスペルギルス症を思わせる陰影が出現し,剖検によつてこれを確認しえた.白血病における感染症は,抗白血病薬の投与による顆粒球減少症が主な誘因とされているが,本症例の骨髄の白血病細胞は常をこ35%前後で,著明な増加を示さなかつたため,抗白血病薬の投与量は少なく,その他の因子の関与も考えられた.
  • 久野 則一, 紫芝 良昌, 川村 友信, 松崎 宸, 鎮目 和夫, 神保 実, 竹内 一夫
    1970 年 59 巻 1 号 p. 54-58
    発行日: 1970/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    著者らは末端肥大症に糖尿病を合併し,さらにコルチゾールが過剰に分泌され,デキサメサゾン投与によつてその分泌が抑制されないという,クッシング症候群に類似した副腎皮質機能を呈した症例を経験した.末端肥大症は臨床的に軟部組織の肥大があり, HGHが160mμg/mlと異常に高く,ブドウ糖100g投与で抑制されぬことから確実であり,トルコ鞍の拡大,視神経萎縮から下垂体腫瘍に基づくものであることが明らかであつた.尿中17-OHCS, 17-KSはllmg/day, 18mg/dayで,デキサメサゾン8mgによつても抑制されなかつた.糖同化能は異常に低下しており,糖尿病状態のコントロールにNPHインスリン140単位を要した.開頭して下垂体腫瘍を摘出したところ,組織はいわゆる“mixed tumor”であつた.術後HGH, 17-HCS, 17-KS値は正常化し,かつデキサメサゾン2mgで抑制されるようになり,糖尿病状態も改善した.下垂体腫瘍からHGH, ACTHが過剰に分泌されたため,かゝる臨床症状を呈したと考えられ,かゝる症例は稀であるのでこゝに詳細を報告した.
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