日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
80 巻 , 6 号
選択された号の論文の23件中1~23を表示しています
  • 安部 英
    1991 年 80 巻 6 号 p. 815-816
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 青木 延雄
    1991 年 80 巻 6 号 p. 817-821
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    止血は血管損傷部位に止血栓が形成されることによって達せられるが,止血栓の形成機序は,血管内にできる血管閉塞性の血栓の形成機序と共通するところが多い.血栓形成は一般に血小板の血管傷害部位への粘着凝集にて始まる血液凝固機序の局所的活性化によって起こる.この反応は,血管内皮を場として行われる血小板凝集と血管内血液凝固の制御調節機構および線維素溶解機構によって修飾される.
  • 塚田 理康
    1991 年 80 巻 6 号 p. 822-827
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    従来の量的異常(血小板減少症)に加えて,血小板機能検査の一般化により,機能低下および機能亢進の検出が容易に行われている.しかし,数の算定と異なり,機能検査の標準化は出血時間を含め未だ不十分で,種々の問題点を抱えたまま施行されている現状である.それらの問題点を認識した上で検査を施行し,その成績を解釈することが重要である.
  • 櫻川 信男
    1991 年 80 巻 6 号 p. 828-833
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    分子生物学的手法の導入による血液凝固機序の解明は目覚ましく,各種凝血因子や派生物質を分子マーカーとして把握する.血液有形成分,凝血因子は血管内皮上に関連しつつ止血血栓現象を惹起する。注目されている諸点はparadoxical phenomen, vW病,抗凝固療法でのINR,抗リン脂質抗体症候群および凝血活性型酵素とその阻害物質との複合体の意義などである.
  • 松田 保
    1991 年 80 巻 6 号 p. 834-838
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    線溶は血管内または血管外に生じたフィブリンが溶解する現象であり,細胞の破壊によって,細胞中に含まれているt-PAが放出されても生ずるが,凝固を生ずるトロンビンにも線溶活性化作用がある.線溶の亢進は出血傾向,低下は血栓傾向の原因となるが,前者の代表的な場合は急性前骨髄球性白血病にDICを合併した時であり,後者の代表的な場合はPAI-1の増加する感染症,リポ蛋白(a)の増加する動脈硬化性疾患である.
  • 丸山 征郎
    1991 年 80 巻 6 号 p. 839-843
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血管内皮細胞は, (1) PGI2, EDRF(内皮細胞由来平滑筋弛緩因子)を産生し,血管拡張/血小板機能を抑制する, (2) thrombomodulin (TM),ヘパリン様分子を産生し,凝固を制御する. (3) tissue plasminogen activator (t-PA)を産生放出する一方,内皮細胞表面にplasminogen, urokinaseを結合せしめて線溶を賦活する, (4)外因系のインヒビターであるLACI (lipoprotein associated coagulation inhibitor)を産生する,等の機能を有し,抗血栓的である.
  • 大熊 稔
    1991 年 80 巻 6 号 p. 844-849
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    出血性疾患は止血に関与する要因の立場から,血管異常,血小板異常と凝固・線溶系異常によるものに分類される.それらの診断の進め方として,病歴聴取と理学的所見の把握のポイントを述べ、診断確定のためのスクリーニング試験と特殊検査の進め方を記述した.本症の診断には病歴と理学的所見が重要で,検査データーへの過信は危険であるが,近年遺伝子工学的手技の導入などにより,分子レベルでの診断が可能となりつつある.
  • 山崎 博男
    1991 年 80 巻 6 号 p. 850-854
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血液成分の変化を介して血栓症の診断を行うにあたり,簡単な手法で安定した結果が得られ,生理的変動少なく健常者と患者間の差が明らかな指標が有用である.血小板についてはその活性化の程度を知るより良い方法が求められるている.凝固線溶に関する分子は血液中に大量に存在し,血栓形成時その一部しか動かぬところに診断上の問題がある.このため血栓形成時,特異的に出現する分子マーカーの把握が有用とされる.
  • 藤村 欣吾, 藏本 淳
    1991 年 80 巻 6 号 p. 855-859
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ITPは紫斑を主体として種々の出血症状を示す慢性の後天性の血小板減少症である.診断に際して血小板減少を来す原因あるいは基礎疾患を除外することが必要である.血小板減少の本態は血小板に対する自己抗体が血小板表面に結合(PAIgG)し, Fc部分が脾を中心とする網内系細胞のFcレセプターを介して貧食される結果血小板減少を生じる.治療としては抗体産生の抑制薬としての副腎皮質ステロイド薬と血小板破壊場所の除去を目的とした摘脾が主体となる.
  • 渡辺 清明
    1991 年 80 巻 6 号 p. 860-865
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血小板機能異常症は,血小板の粕着,凝集,放出などの止血機能が障害されるため起こる.本症は先天性,後天性の多くの疾患に伴う.病因としては,アラキドン酸代謝障害,細胞内Ca++の低下,顆粒の消失などがあるが,ここでは膜糖蛋白異常を中心に, Bernard-Soulier症候群,血小板無力症,あるいは後天性血小板機能異常症の病態について述べた.本症は出血傾向は軽度のものが多く,治療を要さないものがあるが,必要に応じて血小板輸注, DDAVP投与,投与薬物の中止などを行う.
  • 福井 弘
    1991 年 80 巻 6 号 p. 866-874
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    従来,止血・凝血学的に検索され,診断されてきた血友病A, Bおよびvon Willebrand病について,免疫学的検索,蛋白ならびにDNAレベルでの解析による病因・病態の知見の進歩についてのべた.これらの解析法は現在のところ研究室レベルのもので,臨床検査室で容易に行いうるには至っていない.今後,技術的進歩により容易に診断に役立ちうることが期待される.
    又,これら疾患の出血治療の現況についても概説した.
  • 小林 紀夫
    1991 年 80 巻 6 号 p. 875-879
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    播種性血管内凝固症候群(DIC)の病態につき.厚生省特定疾患汎発性血管内凝固症調査研究班および血液凝固異常症調査研究班の調査結果を中心に解脱した.現在使用可能な薬物によるDICの治療につき概説した.
  • 斎藤 英彦
    1991 年 80 巻 6 号 p. 880-884
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    先天性に血栓症を起こしやすい状態(先天性血栓性素因)が最近深部静脈血栓症の原因として注目されている.主として血液凝固制御機構の障害や線溶能の低下によるもので,アンチトロンビンIII,プロテインC,プロテインS,プラスミノゲンなどの遺伝的減少や質的異常を原因とするものである.臨床的には, 45歳以下の若年者にくり返し静脈血栓症や血栓性静脈炎がおこり,家族歴のある場合もある.一般人口における頻度は2500~5000に1人で,血友病などの先天性出血性素因よりも多いといわれる.
  • 風間 睦美
    1991 年 80 巻 6 号 p. 885-890
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    SKやUKに比べて血栓親和性が大きい第3世代の血栓溶解薬を用いて,心筋梗塞,脳血栓症に対する血栓溶解療法が行われ,有効性が認められるようになった.十分な線溶亢進を確認し,一方出血の合併を予知するため,トロンビン時間法などによるベッドサイドでの逐一的なモニターが必要である.また治療後の再閉塞を防止するためには,ヘパリン,抗血小板薬あるいは経口抗凝固療法による長期の後療法が行われなければならない.
  • 間瀬 勘史, 安永 幸二郎
    1991 年 80 巻 6 号 p. 891-896
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    抗血小板薬は古くからアスピリンを中心に動脈血栓症,とくに脳血管障害や虚血性心疾患の再発予防を目的として投与されていたが,健康人からの発症予防(一次予防)についての検討も行われ次第に評価されつつある.近年,血小板研究の進歩による血栓症の解明や強力な薬物の開発などにより抗血小板薬の適応も広がりつつあるが,一方ではその効果に限界も認められてきており,血栓症を血小板のみならず多方面から検討した臨床応用が必要と思われる.
  • 高橋 孝喜, 十字 猛夫
    1991 年 80 巻 6 号 p. 897-901
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    輸血は患者が現在不足している成分を患者に与え,臨床的危機を回避する一過性の補充療法であり,根本療法ではない.発熱,発疹等の即時型副作用や同種免疫等の長期的な悪影響を及ぼす可能性を念頭におき,適時最小の使用を心掛ける必要がある.現在欧米では,「全血の適応は止血困難な大量出血と交換輸血以外にはまれにしかない」といわれている.供給に限りのある生物資源としての血液製剤の有意義な運用が社会的にも要請されている.
  • 長尾 和彦, 岡田 隆夫, 大友 透, 沢井 圀郎, 佐藤 良二, 老松 寛, 吉田 豊, 笹野 伸昭
    1991 年 80 巻 6 号 p. 924-926
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は34歳,女性.血中cortisol,尿中17-OHCS高値, ACTH低値. Cortisol日内変動消失,デキサメサゾン抑制試験では8mgで抑制なく,メトピロン試験は無反応.さらにCT,シンチグラムより両側副腎腺腫を疑い,両側副腎温存下に腺腫摘出術施行.右4.33g,左6.25gの摘出腫瘍は病理組織学的に腺腫,および過形成からのより腺腫に近い移行像と考えられ,また,腫瘍内cortisol含量より両側共に機能性と確認された.両側副腎皮質腺腫によるCushing症候群はまれであり,しかも,本例は結節性過形成からの腺腫移行を推測させる極めて貴重な症例と考えられた.
  • 中村 早苗, 松浦 文三, 道堯 浩二郎, 水上 祐治, 堀池 典生, 恩地 森一, 谷口 嘉康, 赤松 興一, 太田 康幸
    1991 年 80 巻 6 号 p. 927-928
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は16歳,男性.昭和62年頃,後頭部と両側耳介後部に皮下腫瘤出現.平成元年3月,好酸球性リンパ〓胞増殖症と診断.経過中皮下腫瘤の増大とネフローゼ症候群の合併を認めた.末梢血好酸球11%,血清IgE 475U/ml.腎生検にてメサンギウム増殖性糸球体腎炎と診断. prednisolone 60mg/日の投与により,蛋白尿の改善と末梢血好酸球数,血清IgEの正常化,および皮下腫瘤の縮小を認めた.両疾患に共通のアレルギー機序の関与が考えられた.
  • 野田 八嗣, 番度 行弘, 柴田 和彦, 西田 哲也, 川端 雅彦, 竹森 康弘
    1991 年 80 巻 6 号 p. 929-930
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は, 57歳女性で,造影CT時のイオパミロン50ml bolus静注30分後より,チアノーゼを伴う頻脈性のショック状態となり,著明な低酸素血症と胸部X線像上肺水腫の所見をみた. Swan-Ganzカテーテル検査では,左心不全は否定され,ステロイド,昇圧薬,持続陽圧呼吸などで症状は改善した.なお,同造影剤の予備テストは陰性であった.非イオン性造影剤による非心原性肺水腫は,極めてまれであり報告した.
  • 高田 昇, 高蓋 寿朗, 田辺 修, 田中 英夫, 藤村 欣吾, 藏本 淳
    1991 年 80 巻 6 号 p. 931-932
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    当科の軽症血友病A8例では全血凝固時間は正常, aPTTは軽度延長し,第VIII因子活性は6~21%であった.家族歴は3家系に見られ,出血回数は少なく,関節出血はなく,外傷後の筋肉血腫が多い. 6例に術後の過剰出血, 2例に中枢神経系の出血があり, 1例は両下肢を失った.全員に輸血歴があり, 7例は慢性肝疾患があり,うち1例は肝癌で死亡した.軽症血友病は診断や治療が遅れる上,合併症や後遺症で苦しむので,軽視してはならない.
  • 中島 薫, 幸田 久平, 森田 幸悦, 寺田 省樹, 呉 禎吉, 中澤 修, 安藤 政克, 宮崎 悦, 森井 一裕, 藤井 重之
    1991 年 80 巻 6 号 p. 933-935
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    同一のHLAハプロタイプA24 (AW24)-BW52-DR2を有する兄妹潰瘍性大腸炎発症例を経験した.発症における遺伝因子の重要性を示唆する症例と考え報告する.
  • 青柳 一正
    1991 年 80 巻 6 号 p. 936-940
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    各種の疾患において活性酸素が組織障害の直接的な原因物質であることが判明してきた.原子や分子が不対電子を有するとフリーラジカルと呼ばれ,一般に高い反応性を持つ.酸素がその分子の場合,活性酸素と呼ぶ.高い反応性を持つ活性酸素は生体に重要な物質の合成反応に用いられるが,制御されない物質の酸化は物質の変性を起こし,さらなる傷害を起こす.腎疾患を例にとると尿毒症の発症に伴い生成が著しく増加するメチルグアニジンは活性酸素とクレアチニンの反応生成物である.また,ネフローゼを起こすピューロマイシンアミノヌクレオシドは細胞における活性酸素の産生を増加させ,その産生増加はアラキドン酸代謝やPAFと関連していることが示唆された.外因物質による生体内の活性酸素の増加は,発癌や老化との関連があり,また,細胞における活性酸素の産生調節は疾病の治療薬の開発にとって重要である.
  • 山下 直秀
    1991 年 80 巻 6 号 p. 941-946
    発行日: 1991/06/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    イオンチャネルは細胞内外のイオン濃度差を利用し,細胞膜を通してイオンを移動させる働きを有する.イオンチャネルの開閉により細胞膜電位が変化して細胞の興奮状態が変り,また細胞内のCa2+などのイオン濃度が変化する.イオンチャネルは電位依存性,イオン選択性,アゴニストの必要性などから分類される.またレセプターとイオンチャネルが同一構造内に含まれる,レセプター-チャネル複合体も存在する.最近の研究の進歩から,イオンチャネルは細胞の情報伝達機構に重要な役割を果たしていることが明らかになっており,またイオンチャネルの一次構造も次々に決定されてきている.さらに最近いくつかの疾患にイオンチャネルが関与していることが報告されており,今後もこの分野での発展が期待される.
feedback
Top