日本内科学会雑誌
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96 巻, 2 号
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内科学会ニュース
会告
特集●大腸癌:診断と治療の進歩
Editorial
トピックス
I.疫学と病態
II.診断
  • 菅野 康吉
    2007 年 96 巻 2 号 p. 231-238
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
     大腸癌の遺伝子診断の現状と問題点について解説した.遺伝性大腸癌の遺伝子検査は確定診断と,発端者における二次癌のリスクの推定,未発症血縁者では発症前検査を通じて易罹患性の有無を明らかにし,変異を持つ場合には早期発見と早期治療を目的とする予防対策に役立てることができる.散発性大腸癌では,病理診断で得られない情報を得ることが重要と考えられ,糞便,血漿中からの遺伝子変異の検出による大腸癌スクリーニング等への応用について最近の知見を紹介する.
  • 岡本 真, 山地 裕, 東郷 剛一, 川邊 隆夫, 小俣 政男
    2007 年 96 巻 2 号 p. 239-244
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
     便潜血検査は大腸癌スクリーニング検査として広く普及している.症状を訴えて診断された大腸癌と比較すると,検診便潜血陽性で発見される大腸癌の特徴として,(1)早期癌が多い,(2)腫瘍径が20mm以下のものが多い,(3)内視鏡治療の適応となるものが多い,(4)これらの特徴は高齢者でも若年者と同様である,などがあげられる.欧米の大規模なRCTでは,大腸癌死亡抑制効果も証明されており,便潜血検査は大腸癌スクリーニング検査として有効な方法といえる.
  • 岡田 晋一郎, 佐々木 純一, 河村 裕, 小西 文雄
    2007 年 96 巻 2 号 p. 245-251
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
     CT colonographyは,大腸内視鏡検査と比較して遜色のない感度,特異度,陽性的中率を有する検査法である.また,美しく構成された画像は診断の理解を深め,低侵襲で狭窄病変より近位の病変も評価できることなど,内視鏡検査にはない長所がある.一方で,生検が不可能であること,粘膜の色調変化が見られないことなど短所もある.大腸癌術前検査から大腸癌スクリーニング検査へ用途を広げるためには課題も残る.
  • 工藤 進英, 笹島 圭太, 井上 晴洋, 浜谷 茂治, 石田 文生, 大塚 和朗, 池原 伸直, 工藤 由比, 樫田 博史, 請川 淳一, ...
    2007 年 96 巻 2 号 p. 252-265
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
     1993年,拡大電子スコープが開発されI~V型のpit pattern 分類は組織・病理所見と良く対応し,腫瘍・非腫瘍の鑑別並びにsm深部浸潤の指標となった.さらに,超拡大電子スコープendocytoscopeが登場し,構造異型のみならず細胞異型まで生体内で観察可能となった.超拡大0~3型に分けられるendocytoscope分類,EC分類は生体内で細胞レベルでの病理組織に対応し,より正確な診断がなされる.
III.治療と予防
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 藤田 次郎, 比嘉 太, 健山 正男
    2007 年 96 巻 2 号 p. 347-352
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
     近年,呼吸器疾患の臨床現場において非結核性抗酸菌症(特にMycobacterium avium complex,以下MAC症)の重要性が高まりつつある.肺MAC症の病型として,i)fibrocavitary disease, ii)fibronodular disease,およびiii)hypersensitivity diseaseの3つの型がある.臨床的にはiii)は稀であり,i),およびii)が重要な病型である.i)は主として上肺野を主体に空洞形成を示すもので,高齢者,喫煙者,あるいは塵肺など既存の肺疾患を有するものに多く認められる.ii)は主として,中年女性の中葉,または舌区を主体に発症する.画像所見として,i)の病型においては,空洞形成が,ii)の病型においては,小結節と気管支拡張が特徴的である.それぞれの病型の病態の差を反映する病理所見を解析すると,i)は肉芽腫の進行に伴う壊死形成を,ii)は肉芽腫による気管支壁の破壊を特徴とする.
  • 八木 秀男, 松本 雅則, 藤村 吉博
    2007 年 96 巻 2 号 p. 353-362
    発行日: 2007年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
     血栓性微小血管障害症(TMA)とは,細血管障害性溶血性貧血,破壊性血小板減少,細血管内血小板血栓を3主徴とする病態で,神経症状優位とされる血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)と腎症状優位とされる溶血性尿毒症症候群(HUS)に大別される.そして前者ではVWFを特異的に切断し,その機能を調節している酵素であるADAMTS13活性が著減するも,後者ではこのような所見は殆ど見られないこと,さらにTMA患者における臨床症状の検討からも同酵素が脳神経症状の発現に関与している可能性が示唆された.そしてその成因としてADAMTS13活性低下により,VWF/血小板血栓が形成され,脳血管障害が引き起こされるものと推測されている.最近,日米の合同研究によりその副作用としてTTPを発症する薬物であるチクロピジンの後継薬であるプロピドグレルではその発症頻度は減少するも,その発症様式はチクロピジンとは異なり,内服開始後二週間以内の早期に発症し,ADAMTS13活性は正常で,血漿交換の有効性が乏しいことが示された.
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