日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
112 巻, 12 号
選択された号の論文の24件中1~24を表示しています
内科学会NEWS
目次
特集 内科医が支えるメンタルヘルス
Editorial
トピックス
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 矢野 邦夫
    2023 年112 巻12 号 p. 2280-2286
    発行日: 2023/12/10
    公開日: 2024/12/10
    ジャーナル フリー

    「成人におけるワクチンで予防できる疾患」にはインフルエンザ,肺炎球菌感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,百日咳などが挙げられる.これらは長期間の疾患,入院,死亡を引き起こしている.実際,インフルエンザによって多くの入院や死亡が報告されている.肺炎球菌によって高齢者が入院を必要としたり,死亡することがある.ヒトパピローマウイルスによって男女で癌が発生し,子宮頸がんでは多くの女性が死亡している.これらの疾患ではワクチンを接種することによって被接種者を守ることができる.成人が百日咳に罹患しても軽症である.しかし,百日咳の成人が乳児に濃厚接触することによって,乳児が感染して重症化することがある.そのため,乳児を守ることを目的として,妊婦,医療従事者,赤ちゃんが生まれる家族にワクチンを接種する.これらの疾患はワクチンによって予防できるため,啓発を強化して接種率を高めることが大切である.

  • 松下 正
    2023 年112 巻12 号 p. 2287-2294
    発行日: 2023/12/10
    公開日: 2024/12/10
    ジャーナル フリー

    血友病に対する治療は,定期補充療法の導入によってインヒビターのない患者のQOLの向上は著しいものとなり,近年日本血栓止血学会によりガイドラインが整備され,治療手段の均てん化が進んでいる.しかしながら,凝固因子製剤の半減期は短く頻回の静脈注射が必要であり,患者にとって苦痛を伴うものであった.また輸注凝固第VIII因子,第IX因子に対する同種抗体(インヒビター)の発生は血友病の止血管理において大きな障壁となっており,免疫寛容導入療法(ITI)によるインヒビター抗体の消失により止血管理が大きく改善する効果がある.こうした状況は近年いくつかのブレークスルーにより大きく変容しつつある.より持続的な治療効果を発揮する半減期延長型製剤が登場し,患者のQOLの大きな改善につながっている.またバイスペシフィック抗体という新しい治療コンセプトによる新規治療薬が血友病Aにおいて登場し,さらに血友病患者の抗凝固因子活性を様々な方法で抑制するre-balancing治療が今後続々と登場する予想である.またインヒビターのない血友病患者に対する商業的遺伝子治療薬が2022年欧州で初めて承認された.このように血友病治療の手段の新規開発は大きなブームを迎えており,本稿では,これら新規薬剤を中心に標準的な血友病治療法と今後のパースペクティブについて解説する.

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シリーズ:一目瞭然!目で診る症例
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