日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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71 巻, 5 号
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  • 織田 敏次
    1982 年 71 巻 5 号 p. 553-554
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 司会者のまとめ
    亀田 治男
    1982 年 71 巻 5 号 p. 555-556
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 岡 博
    1982 年 71 巻 5 号 p. 557-561
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 武内 重五郎
    1982 年 71 巻 5 号 p. 562-567
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 浪久 利彦
    1982 年 71 巻 5 号 p. 568-571
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 山本 祐夫
    1982 年 71 巻 5 号 p. 572-576
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 司会者のまとめ
    長島 秀夫
    1982 年 71 巻 5 号 p. 577-578
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 谷川 久一
    1982 年 71 巻 5 号 p. 579-583
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 市田 文弘
    1982 年 71 巻 5 号 p. 584-590
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 古田 精市
    1982 年 71 巻 5 号 p. 591-596
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 司会者のまとめ
    服部 信
    1982 年 71 巻 5 号 p. 597-598
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 武藤 泰敏
    1982 年 71 巻 5 号 p. 599-603
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 平山 千里
    1982 年 71 巻 5 号 p. 604-608
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 奥田 邦雄
    1982 年 71 巻 5 号 p. 609-612
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 鈴木 宏
    1982 年 71 巻 5 号 p. 613-614
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
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  • 松本 芳彬
    1982 年 71 巻 5 号 p. 615-626
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    多発性筋炎に伴う心病変を全身性疾患の立場から検討するため, 26例を対象に非観血的心機能検査と心臓カテーテル検査成績から心病変を,胸部X線像から肺病変を検索し,これら病変と骨格筋病像との関連について臨床的検討を行なつた.心エコー図で4例に心膜液貯留を, 1例に僧帽弁逸脱所見を認めた.血行動態的には大多数の例でhyperkinetic stateを呈し,熱希釈法による心拍出量測定値もこれに対応したが, 2例にうつ血型病態をみた. 10例に心電図異常(上室性および心室性期外収縮,低電位, T波異常,心室内伝導障害)を認めた. 2例でヒス束以下の伝導遅延を認めたが,洞結節および房室結節の機能は6例で正常であつた. 5例の心筋組織像は共通して炎症性細胞浸潤所見を欠き,間質の線維化に比して,高度の心筋線維の変性が主であつた. 1剖検心では著明な脂肪浸潤を認め,骨格筋像と強い類似性をみた.以上,非観血的方法でも50%の例で心異常所見が認められたが,これは固有心筋のみならず,心外膜および刺激伝導系の病変に対応する所見と考えられた.心病変は筋病像の改善が十分でない例に多く認められた.一方,間質性肺病変は73%の例に認められ,多くの例で経時的に増悪を示した.以上の成績から,多発性筋炎では心病変はステロイド治療による筋病像の改善と強い関連を有するが,肺病変は無関係で,病因的に何らかの臓器障害の差異が考えられた.
  • 原沢 茂, 谷 礼夫, 柴田 晴通, 菊地 一博, 牧野 孝史, 瀬上 一誠, 野見山 哲, 三輪 正彦, 鈴木 荘太郎, 三輪 剛
    1982 年 71 巻 5 号 p. 627-634
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本誌の第1報および第2報にて,著者らは胃,十二指腸潰瘍の病態を胃排出能の面から,検討した.又病態と治療の関係において,腸管吸収の低い抗コリン薬(四級アンモニウム塩)を経口投与することにより胃排出遅延を有する潰瘍例で,胃排出能の捉進作用のあることを報告した.本来め胃運動抑制作用という抗コリン薬の薬理作用とは,異なる効果を証明した.今回はこれらの経口投与の成績をもとに,潰瘍患者に抗コリン薬を微量筋注することによりどのような作用がみられるか,又その用量との関係はどうかなど胃排出能の面から検討した.対象は胃潰瘍患者で入院中の症例を対象とした.胃排出能測定はacetaminophen法で行ない服用後45分の血中acetaminophen濃度(mcg/ml)で表示した,使用したコリン薬はbutropium bromide(以下BB)で試験食服用と同時投与で行ない, placebo投与との比較で検討した.胃排出能遅延(7.0±2.2mcg/ml)を示している胃潰瘍症例において, BB 0.25mg筋注では胃排出能は10.8±5.0mcg/ml, BB 0.5mg筋注では10.1±3.7mcg/m1とそれぞれ有意な胃排出能の改善がみられた(P<0.05). BB 1.0mg筋注では7.8±5.0mcg/mlと胃排出能は不変であり, BB 2.0mg筋注では4.3±2.3mcg/mlと胃排出能の有意な抑制が認められた(P<0.05).このように胃排出能遅延症例におけるBB微量筋注の効果は,高い用量依存性が認められた(r=0.999).胃排出能亢進状態(15.3±3.5mcg/ml)にある症例におけるBB 0.25mg筋注では, 13.2±4.5mcg/mlと胃排出能には有意の差がみられなかつたが, BB 0.5mg筋注では11.1±3.9mcg/ml, BB 1.0mg筋注では10.4±5.0mcg/ml, BB 2.0mg筋注では7.1±4.3mcg/mlと有意に,しかも用量依存性に胃排出能の抑制効果が認められた(P<0.05).
  • 稲本 元, 猪 芳亮, 大澤 炯
    1982 年 71 巻 5 号 p. 635-640
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎不全患者のごとき生体防御能の低下した患者では,結核の肺外散布が起こり易いであろうと推測されている.そこで透析患者における肺外結核症の様相につき,疫学的検討を行なつた.対象は全国161施設7274名の透析患者で,そのうち肺外のみに病巣を有する結核患者は52人,肺外および肺に同時に病巣を有するもの27人,肺のみのもの58人であつた.全結核に対する肺外のみの結核の割合は透析患者男子で30%,女子で51%であり,一般住民に比べ男子で4.5倍,女子で2.8倍と著しく多かつた.全結核の罹患率を考慮すると透析患者の肺外結核罹患率は一般住民に比べ男子で38倍,女子で52倍と驚くほど高かつた.肺外結核の発病は透析開始直前から増加し,開始直後に最も高頻度となり,その後も頻度は高いが漸減した.これらのことより腎不全および透析は,肺外結核発病の誘因と考えられた.結核透析患者では結核の既往を有するものが多く,結核は再発によるものが多いと考えられた.肺外罹患臓器で最も頻度が高かつたのはリンパ節で以下腎・尿路と続き筋肉と脳実質を除き全身ほぼ全ての臓器が侵襲されていた.罹患臓器により患者の致命率が異なつており,致命性の高い臓器は結核菌に侵襲されにくいという関係が示唆された.
  • 河野 雄平, 柊山 幸志郎, 川崎 晃一, 阿部 功, 尾前 照雄, 武谷 溶
    1982 年 71 巻 5 号 p. 641-646
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    境界域高血圧における交感神経系の関与が年令によつて異なるか否かを調べるため,若年と壮年の境界域高血圧者(BHT)について血漿カテコールアミン(CA)を測定し,同年代の正常者(NT)と比較検討した.若年群44名のうちBHT29名(22±1才), NT15名(21±2才),壮年群42名のうちBHT22名(50±2才), NT20名(51±2才)の計86名の男性を対象とした.安静臥床時の血圧,心拍数,血漿CA,血漿レニン活性(PRA)および1日尿Na排泄量(UNaV)を測定した.若年群のBHTはNTに比し,心拍数,血漿ノルアドレナリン(NA),アドレナリン(Ad)の高値を示した(P<0.01).壮年群のBHT, NTの間にはこれらの値に差を認めなかつた. BHTにおいては,若年群が壮年群より血漿NA, Adの高値を示したが(P<0.01), NTでは両群で差を認めなかつた.若年群の全例について,血漿NA又はAdと収縮期血圧(r=0.660, r=0.638),心拍数(r=0.584, r=0.611)との間に正相関がみられた.壮年群の全例については,血漿NA, Adと血圧には相関はなく,心拍数との間にのみ弱い正相関(r=0.351, r=0.376, P<0.05)があつた.これらの成績は境界域高血圧において交感神経-副腎系の機能亢進が若年者には存在するが,壮年者には認められないことを示す.
  • 林 博史, 石川 富久, 上松 治儀, 小島 春紀, 稲垣 春夫, 河合 直樹, 外畑 巌
    1982 年 71 巻 5 号 p. 647-656
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    心尖部肥大型心筋症の体表面電位図を記録し,その電位分布の特徴を明らかにするとともに,定量的評価を試みた.心エコー図,心臓カテーテル法などで診断した肥大型心筋症のうち, 201Tl摂取指数が心尖部において特に高く,心尖部肥大型心筋症と判定されたAPH群19例を対象とした.年令は22才から63才,平均44.5才で,全例男性であつた.対照として,健康成人(N群)43例(平均年令28.9才)を用いた,電位図は, 85点の誘導点からの単極誘導心電図からマイクロコンピューター内臓の電位図記録装置で記録した. APH群のR波の最大値は,左鎖骨中線上の第4・第5肋間および左前腋窩線上の第4肋間にあり, N群のそれと同じであつた, S波の最大値を示す誘導点もAPH群とN群の間で差がなかつた.しかし, APH群のおのおのの電位はN群に比して著しく大きかつた.巨大陰性T波の分布は,最大R波の分布領域とほぼ一致した.最大正電位に達するまでの時間(peak voltage time)は, APH群は平均43.5±8.5msec, N群は平均36.2±6.5msecで,前者が有意に延長していた(P<0.05). ‘niche’の出現時間は, APH群は平均34.4±7.8msec, N群は平均27.0±4.5msecで,前者が有意に遅延した(P<0.01). ΣS(V1, E5, F5誘導のS波の和)およびΣR(G3, G4, H4誘導のR波の和)+ΣS(同上)は,心尖部領域の201T1摂取指数との間におのおの正の相関関係を有した.我々の設定した体表画の心尖部領域に,極大が停滞する時間(apical activation time)は,心尖部201Tl摂取指数との間に正の相関関係を有した.
  • IgA欠損血液の輸血による手術成功例
    藤井 浩, 関 茂樹, 陶山 芳一, 清水 忠雄, 西村 伸治, 鹿岳 研, 加納 正
    1982 年 71 巻 5 号 p. 657-664
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性免疫不全症は一般に短命であるにも拘らず,悪性腫瘍に罹患し易い.一般集団の場合に比較して悪性腫瘍の合併率は100~1000倍に達するといわれている. IgA単独欠損症の場合,合併する悪性腫瘍はとくに上皮性腫瘍(癌)のことが多い.本邦では子宮癌と肺癌の合併が知られているが,消化器癌や重複癌の合併例はここに報告した症例が最初のものである.症例: 63才,男性.胆〓炎にて入院中に胃癌とIgA単独欠損症が偶然発見された.血清IgA値は0.1mg/dl以下,唾液中の分泌型IgAは欠如しているが,遊離型SCは認められた.抗IgA抗体陽性. IgA欠損供血者の血液7単位を輸血し,胃切除術に成功した.切除胃の前庭部にBorrmann II型進行癌(管状腺癌)とI型早期癌(乳頭状腺癌)の多発胃癌が認められた.その後経過順調であつたが, 1年3カ月後さらに大腸癌が発見された.このときIgA単独欠損症は以前と同様に認められた.今回は血液入手困難のため高度洗浄赤血球輸血にて手術を行なつたが,姑息手術にとどまつたが輸血反応はみられなかつた.上記2回の輸血に際して血清補体価の減少や血清IgEの変動はみられなかつた.原発性免疫不全症における悪性腫瘍発症の成因にはいろいろの考え方があるが, IgA単独欠損症の場合はIgA系組織(分泌組織)から発癌することが注目される. IgA系の脱落のみならず,粘膜上皮細胞自体の異常が発癌との関係で考慮される.また,術前に抗IgA抗体陽性のIgA単独欠損症であることを診断し, IgA欠損血液の輸血を行ない手術を成功せしめたが,本邦ではこのような対策は初めての経験で,わが国における輸血学の歴史上,画期的なこととして特筆されるものである.
  • 山崎 要, 藤堂 泰宏, 安冨 栄生, 古出 隆士, 山本 忠生, 河合 喜孝, 岩崎 忠昭, 宮本 巍
    1982 年 71 巻 5 号 p. 665-672
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    56才,男. 14カ月前から徐々に増強してきた呼吸困難のため入院した.入院時全身の浮腫,著明な腹水貯留,頚静脈怒張,奇脈を認めた.心臓聴診上第2肺動脈音の減弱と心基部でLevine 3/6度の全収縮期雑音を聴取した.検査で血沈値の軽度亢進と軽い肝機能異常を認めた.胸部X線写真上心胸比は75%で著明な心拡大があり,心電図でも右室肥大を認めた. Mモード法心エコー図で右室腔の拡大と右室流出路の異常エコー像を認め,さらに多量の心膜液貯留,右心不全,低心拍出量の所見も認めた.心臓超音波断層図で右室流出路に6×3cmの充実性腫瘤を認め,この腫瘤の移動の様子を詳細に知り得た.右心カテーテル検査と右房造影で右室圧の上昇,三尖弁閉鎖不全と右室腔内の陰影欠損を認めた.以上より心タンポナーデを伴う右室内腫瘍と診断,心膜穿刺で心タンポナーデの改善をはかり浮腫を軽快させてから手術による腫瘍の摘出に成功した.病理組織学的検査で粘液腫と診断した,右心室粘液腫は希な疾患で現在まで34例の報告をみるにすぎず,本邦では8例目である.我々の症例の如く心タンポナーデを合併した例は無い.腫瘍による肺塞栓はしばしば見られる合併症で,心臓カテーテル検査,心臓血管造影,腫瘍の摘出術にあたり注意を要する.心臓超音波断層法は単に安全で非観血的方法というのみにとどまらず腫瘍の形態や移動の様子を詳細に知り得る優れた検査法である.
  • 井上 昌也, 那須 輝史, 笹岡 力三, 五十嵐 暢, 榎本 巧
    1982 年 71 巻 5 号 p. 673-678
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ヒトのサルモネラ症の大多数は腸管の急性感染症として発症するが,中でもSalmonella typhimuriumは胃腸炎の病因となるサルモネラ中最もしばしばみられる菌である.しかし本菌による菌血症或いは病巣感染の報告例は比較的少ない.著者らは本菌による腹膜炎で初発し,さらに胸膜炎,心膜炎を逐次発症するという特異な経過をたどつた症例を経験した.患者は66才,女性,昭和54年1月から腹部膨満感,右上腹部痛,食欲不振等が出現し2月入院.黄色やや混濁した腹水からS. typhimuriumを検出した.同菌は便中にもみられたが,血液中には証明されなかつた. cephalothin (CET)の静注および腹腔内注とaminobenzil penicillin経口投与により,約1週間で腹水中の菌は陰性化し,臨床的にも順調な経過で3月下旬退院した.ところが1週間後に左胸痛,咳痰,発熱,呼吸困難出現し,左胸膜炎の診断で4月再入院した.胸水から再びS. typhimuriumを検出し,今回もCETの静注と胸腔内注にtetracyclineを併用静注し,比較的速やかに胸水中の菌は陰性化した.今回は便中にも血中にも菌は認められなかつた.再入院時,心臓部超音波検査で心膜液の貯留を認め,同一機作による心膜炎の合併と考えた.腸管リンパ節で増殖した本菌が腹腔内に散布され腹膜炎を起こし,ついでリンパ行性又は菌血症により胸膜炎,心膜炎を起こしたと考えられるが, S. typhimuriumの腸管外感染症例で,かかる臨床経過をとつた例は内外に未だ報告をみない.
  • 多能性幹細胞障害説との関連で
    林 英夫, 迫 雅美, 春山 春枝, 小石 堯夫, 藤田 洋一, 貝塚 逸郎, 小関 忠尚
    1982 年 71 巻 5 号 p. 679-684
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    約6年間に亘り慢性期を呈し,最後に単球性急性転化を来して死亡(急性転化3ヵ月後)したPhiladelphia染色体陽性慢性骨髄性白血病の1剖検例を報告した.症例は45才(最終入院時)男子. 30才の時胃潰瘍にて胃切除術を受けた.その後数回に亘り原因不明の下血があつたという. 1971年2月(39才の時)末梢白血球増加を指摘され,骨髄穿刺にて骨髄細胞中Philadelphia染色体陽性と判明,慢性骨髄性白血病と診断.以来, busulfan, 6MP, cyclophosphamide, carboquoneなどにより良好にコントロールされていた.しかし, 1977年2月中旬より高熱,激しい下肢痛が出現し,脾臓の急速な腫大,貧血の急激な悪化,末梢血中幼若単球の著増などを来し,単球性急性転化の診断で1977年2月24日最終入院.入院時顔面蒼白,躯幹皮膚leukemiacutis,脾臍下4横指触知,両鼡径部リンパ節2×2cm径のもの数個宛触知などの理学的所見あり.末梢血Hb 6.5g/dl,白血球59700 (myelobl 10%, promyel 13%, monoblast 64%など),骨髄穿刺NCC 24万, myelobl 7.5%, promyel 40%, monoblast~promono 22%など.血液生化学検査はLDH 2060U,血清尿酸12.9mg/dl, S-lysozyme 1600 (50~150), U-lysozyme 28000 (0~5)各μg/ml (括弧内は正常値).なお末梢血病的単球(monoblast~promono)の約50%は墨汁貪食陽性.単球性急性転化の診断にてDNCPによる化学療法2クール施行するも1977年5月30日死亡.単球性急性転化の報告は詳細なものに乏しいので報告し,併せて急性転化について若干考察を加えた.
  • 木村 透, 進藤 俊彦
    1982 年 71 巻 5 号 p. 685-691
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    甲状腺機能亢進症治療中に,薬物性肝障害を伴い発症したインスリン自己免疫症候群(以下IAS)の1例を報告する.患者は77才,女性.甲状腺機能亢進症をmethimazole (MMI)で治療中,投与1カ月後より血中にインスリン抗体を認め, 1.5カ月後に1週間にわたり低血糖発作が頻発した. PEG法による総インスリン(TIRI)は680μU/ml, 125I-インスリン結合率(%B)は81%を示した. MMI中止後TIRI, %Bは速やかに低下したが, propylthiouracil (PTU)投与1カ月後より再び上昇, 2.5カ月後に低血糖様症状を呈した後, PTU中止に伴い再度低下した. 131I治療後もその低下傾向は変らず,従来の報告と異なりPTUもMM1と同様にIAS発症に関与した可能性が考えられた.インスリン抗体はIgG-K型に属し,各病期を通じ同様であつた.一方本例では, IAS発症と同時に抗甲状腺薬による肝内胆汁うつ滞型肝障害が出現し,全経過を通じインスリン抗体と肝機能の間には極めて平行した関係が認められた.又,抗甲状腺,抗肝,抗グルカゴンなど各種自己抗体に関する検査はmicrosome testを除きすべて陰性であつた.本例では甲状腺機能亢進症, IAS,薬物性肝障害と,いずれも免疫異常が考えられる三疾患の合併が特徴であり,経過よりみて甲状腺機能亢進症を背景として,抗甲状腺薬の投与が,肝障害をひきおこすと同時にIAS発症のきつかけになつたと考えられた.このことより今回のIASと薬物性肝障害の間には,何らかの類似した発症機序が存在するのではないかと想像された.
  • 池田 喜彦, 手塚 博, 渡辺 文治, 佐藤 彬, 遠山 杏子, 赤沢 昭一, 三宅 清兵衛, 長瀧 重信
    1982 年 71 巻 5 号 p. 692-696
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    膵性胸水を伴い,その胸水中trypsinが高値を示した慢性再発性膵炎の1例を報告する.症例は46才,男.大酒家である,昭和44年より上腹部激痛を反復し,昭和50年7月,同症状にて某病院入院中,腹痛消失後に右胸痛,呼吸困難が出現したため当科に入院した.入院時,右側胸水貯留を認め,血性,滲出性でT. P 4.0g/dl, amylaseは10200IU/l,血清,尿中もそれぞれ2525IU/l, 20480IU/lと高値であつた.胸水は頻回の胸腔穿刺排液にもかかわらず増加傾向を示し,しかも41病日に気胸を併発した.約1週間,持続吸引後,胸水は次第に減少し, 80病日にはほぼ消失した.これに一致して血清amylaseも正常化した.入院中,本例はamylase産生肺癌との鑑別が困難であつたが,胸腔内膵液瘻による膵性胸水と診断した.退院後,胸水の再貯留はなく,胸膜癒着もほとんど認めなかつた.なお,胸水貯留時には内視鏡的逆行性膵管造影は施行しなかつた.今回,我々は, 5年間凍結保存した本例とamylase産生肺癌例(日内会誌64: 1177, 1975.)との胸水中trypsinを測定し,本例ではtrypsinが高濃度であつた.このことは本例において,胸腔内と膵とが直接交通していることを示唆するもので,胸水中trypsinの測定により両疾患の鑑別が容易であることを示した.さらに胸水中trysinの薬理学的作用についても若干の考察を加えた.
  • 宮田 康司, 本松 利治, 加藤 堅一, 井林 博, 小田 健一郎
    1982 年 71 巻 5 号 p. 697-702
    発行日: 1982/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    特発性低K血性周期性四肢麻痺の重症患者に頻発する麻痺発作中に,たまたま10%arginine塩酸塩300mlの点滴静注投与で著明な麻痺発作改善効果を認め,引き続きその臨床効果を反復確認した. arginine投与により四肢麻痺発作と低K血症の改善および尿中K排泄, CK/Ccrの増加を認めたが血中pHには有意の変化はなかつた. 10%arginine 300ml投与時の血清K増加は平均2.4±0.60(前値2.3±0.45→後値4.8±0.80)mEq/lであつた.またarginineと同様,塩基性アミノ酸lyslne HCl投与で同様の四肢麻痺発作に対し著明な改善効果を認めたが,酸性アミノ酸のsodium g1utamate投与ではKC1, acetazolamideの点滴投与と同様に麻痺発作の改善を全く認めえなかつた.すなわちarginineとlysineの四肢麻痺発作に対する効果は塩基性アミノ酸に特異的な効果であり,その作用機序として筋細胞内Kと塩基性アミノ酸の交換効果が示唆された.またarginine HCl 30gの連日点滴静注投与で四肢麻痺発作の出現頻度はむしろ増加し,本薬は麻痺発作中の治療法として急性投与の臨床的有用性が注目された.
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