日本内科学会雑誌
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92 巻 , 2 号
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  • 荻原 俊男
    2003 年 92 巻 2 号 p. 177-178
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 斎藤 重幸, 大畑 純一, 竹内 宏, 磯部 健, 藤原 禎, 赤坂 憲
    2003 年 92 巻 2 号 p. 179-186
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    第5次循環器疾患基礎調査では収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上の高血圧頻度は男性51.7%,女性39.6%であり,年齢階級が増すに従いその頻度は急激に増加する.重症高血圧の頻度は減少し,経年的には収縮期血圧レベルは低下しているが,拡張期血圧は中年男性で上昇がみられ,軽症高血圧の頻度の低下は鈍っている.循環器疾患の予防のためには軽症高血圧とそれに合併する糖尿病,高脂血症など危険因子の集積に対する管理が重要である.
  • 藤島 正敏
    2003 年 92 巻 2 号 p. 187-194
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    米国合同委員会ガイドラインの血圧分類に準拠して,国際高血圧学会ガイドライン,日本高血圧学会ガイドラインはいずれも随時面圧140/90mmHg以上を高血圧の診断基準とした.これは疫学研究によって,未治療高血圧は140/90mmHgを境にして心血管病が有意に発症することが根拠(エビデンス)の1つになっている.高血圧は重症度を3段階に分類し,血圧レベルと心血管危険因子,臓器障害,心血管病の有無によりリスクを層別化し,治療指針をたてる.
  • 今井 潤, 橋本 潤一郎, 松原 光伸
    2003 年 92 巻 2 号 p. 195-201
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,高血圧診療に家庭自己測定血圧測定が応用されている.上腕カフ血圧計を用い,一定条件下で長期間測定する家庭血圧は再現性が良好で,白衣性高血圧や難治性高血圧の同定,薬効・薬効持続の評価に極めて有効である.今日,大迫研究などを基に家庭血圧高血圧基準は135/85mmHg以上,正常血圧は125/80mmHg未満と設定された. 135/85mmHgは随時血圧160/100mmHgに相当し,降圧治療開始基準といえるが,家庭血圧による降圧目標レベルは大規模介入試験の成績を待たねばならない.
  • 江口 和男, 苅尾 七臣, 島田 和幸
    2003 年 92 巻 2 号 p. 202-207
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    これまで,白衣高血圧は無害な状態であるとされてきたが,正常血圧と比較して臓器障害が進み,予後が悪いという報告もある.我々は,白衣高血圧患者の臓器障害および予後について,特に脳卒中に焦点をあてて解析したところ無症候性脳梗塞および脳卒中予後とも正常血圧と差がないことを示した.ただし,既に臓器障害やインスリン抵抗性を合併している白衣高血圧は‘白衣高血圧症候群’として別個に扱う必要があることを提唱している.
  • 西川 哲男, 齋藤 淳, 祖山 暁子, 伊藤 浩子, 大村 昌夫
    2003 年 92 巻 2 号 p. 208-212
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    原発性アルドステロン症は,稀な2次性高血圧症と考えられてきたが我々の前向き臨床試験にて高血圧症の数%を占める頻度の高い2次性高血圧症であることが判明した.本疾患のスクリーエングを行うに当っては,血中カリウム値によらず高血圧症例に対して,未治療高血圧例に対して血漿レニン活性(PRA)と血漿アルドステロン濃度(PAC)の測定が必須である.副腎病変の画像診断法としてはCTが有用であるが本疾患の局在診断にはCTで判別が困難な症例が多く,片側あるいは両側副腎病変によるアルドステロン症の鑑別に,副腎静脈中PACの定量が最も優れた検査法である.
  • 伊藤 貞嘉
    2003 年 92 巻 2 号 p. 213-219
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎血管高血圧(RVH)は若年または中高年で出現する高血圧で疑われ,原因として動脈硬化,線維筋性異形成(FMD),大動脈炎症候群などがある.腹部血管雑音が聴取され,血漿レニン活性,レノグラム・レノシンチグラム, MR血管撮影や三次元CTにてスクリーニングされる.血行再建術がFMDでは基本となるが,動脈硬化症では慎重に適応を決定する必要がある.動脈硬化症によるRVHは糖尿病,心不全,大血管障害に.腎機能障害を伴う時に頻度が高く,末期腎不全の原因となりうるので注意が必要である.
  • 安東 克之, 藤田 敏郎
    2003 年 92 巻 2 号 p. 220-226
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    治療対象となるのは血圧値が140/90mmHg以上の高血圧患者で,降圧目標は130/85mmHg未満である.生活習慣の修正に加えて降圧薬療法を行うが,第一選択薬は患者の特徴を考慮してとしてはカルシウム拮抗薬,アンジオテンシン変換酵素阻害薬,アンジオテンシンIIタイプ1受容体拮抗薬,利尿薬, β遮断薬, α遮断薬のなかから個別に選択する.
  • 松下 啓, 梅村 敏
    2003 年 92 巻 2 号 p. 227-233
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    若年者高血圧の特徴および治療について,臨床上重要と思われることを中心に概説した.主な特徴は,二次性高血圧症の頻度が高いこと,本態性高血圧症では軽症例が多く臓器合併症が少ないことである.病態生理的には,交感神経機能およびレニン-アンジオテンシン系の亢進が指摘されている.治療は減塩や適性体重の維持など非薬物療法が中心になるが,薬物療法では患者の病態生理を考慮し降圧薬を選択する.若年者高血圧の早期発見,早期治療は将来の心血管系疾患の予防という観点から重要である.
  • 森本 茂人, 岡石 幸也, 中橋 毅, 岩井 邦充, 松本 正幸
    2003 年 92 巻 2 号 p. 234-242
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高齢者の脳・心血管疾患の最大の危険因子である高齢者高血圧は最大の管理・治療対象疾患の一つである.厚生労働省長寿科学総合研究班の「老年者高血圧の治療ガイドライン-2002年改訂版-」においては,合併症を有さない例の降圧目標は収縮期血圧では高齢者ほど高めに設定し, 60歳代では, <140mmHg, 70歳代では, <150mmHg, 80歳代では, <160mmHgとし,拡張期血圧はいずれも90mmHg以下とする.選択降圧薬は長期作用型Ca拮抗薬, ACE阻害薬/アンジオテンシン-I受容体拮抗薬,少量の利尿薬とする.合併症を有する場合の降圧目標治療薬はそれぞれの病態に応じた選択が必要となる.
  • 久代 登志男, 上松瀬 勝男
    2003 年 92 巻 2 号 p. 243-249
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖尿病と本態性高血圧は伴い易い病態であり,合併すると心血管系疾患発症リスクは4~6倍に増加する.厳格な血圧管理が大血管症のみならず細小血管症の予防に不可欠であり, 130/80~85mmHg未満を目標にすべきである.腎保護にはレニン・アンジオテンシン系作用薬が優れており,動脈硬化性冠動脈疾患を有する場合はβ遮断薬が適応になる.しかし,単剤では降圧不十分な場合が多く,カルシウム拮抗薬,少量利尿薬, β遮断薬, α1遮断薬などの併用が必要な場合が多い.糖尿病を伴う高血圧患者に対しては,医師,ナース,栄養士などのチームケアによる生活習慣改善指導と性機能障害などのQOLに影響する病態へ配慮した全人医療が望まれる.
  • 河野 宏明, 小川 久雄
    2003 年 92 巻 2 号 p. 250-257
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    欧米において,虚血性心疾患は死因の第一位を占めている.わが国でも,社会の高齢化と生活習慣の欧米化に伴ない虚血性心疾患が増加している.日本人における虚血性心疾患の第一の危険因子は高血圧であり,血圧のコントロールは虚血性心疾患の一次および二次予防に大きく貢献する.まず行うべきは生活習慣の改善指導であり,これのみで不十分な場合に薬物治療を考慮すべきである.虚血性心疾患合併の高血圧患者の場合,比較的高齢者が多く,他の臓器障害も合併していることがある.したがって,個々の患者状態に応じた薬剤選択および容量設定が必要である.
  • 宮本 浩光, 今泉 勉
    2003 年 92 巻 2 号 p. 258-263
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    欧米の疫学研究では,高血圧は心不全の基礎疾患として最も頻度が高く,降圧治療により心不全発症率が減少することが示され,心肥大も高血圧患者の独立した予後規定因子であることが明らかにされている.心不全を合併する高血圧では,前負荷,後負荷の軽減および心肥大の退縮を目的に, ACE阻害薬やAII受容体拮抗薬と利尿薬を第一選択とし,病態に応じてβ遮断薬や長時間作用型Ca拮抗薬を用いる.
  • 鈴本 洋通
    2003 年 92 巻 2 号 p. 264-269
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腎障害の進行因子として血圧と同時に重要視されているのが蛋白尿であり,減少させる目的でR-A系抑制薬とされるACE阻害薬やAII受容体拮抗薬が用いられる.大規模研究で, Ca拮抗薬はしばしばACE阻害薬やAII受容体拮抗薬のパートナーとして選ばれている事実とをあわせて考えると,併用療法がもっとも現実に即した方法といえる.高齢者を除けば,収縮期血圧を130mmHg以下に下降させることが求められている.
  • 桑島 巌
    2003 年 92 巻 2 号 p. 270-275
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    脳卒中合併例では,従来は降圧目標値を高めに設定するという考え方が多くの専門家の意見であったが, 2001年に発表されたPROGRESS試験の結果では,脳卒中の再発予防のためには,より厳格な血圧管理が必要なことが明らかにされた.十分な降圧目標値を達成するためには, ACE阻害薬に利尿薬の併用,あるいは長時間作用型Ca拮抗薬による24時間をとうしての安定した降圧効果の継続が必要である.また近年降圧薬による痴呆の予防も話題になっている.
  • 芦田 映直
    2003 年 92 巻 2 号 p. 276-281
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高血圧が少なくとも1年間,有効にコントロールされた後ならば,特に生活習慣の改善を厳密に行っている患者では,慎重にゆっくりと段階的に,降圧薬の用量と数を減らすことを考慮する.休薬した患者は,特に生活習慣の改善を続けないと,時には休薬後数カ月または数年して,血圧が高血圧レベルまで再上昇してくるのが普通であるので,定期的なフォローアップが必要である.休薬後の血圧維持率は3~74%であり,研究によりかなり異なる.
  • 藤本 武士, 木村 政勝, 調 漸, 江口 勝美, 中村 龍文, 吉村 俊朗
    2003 年 92 巻 2 号 p. 307-309
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Churg-strauss症候群(アレルギー性肉芽腫性血管炎)は,全身の壊死性血管炎により多彩な臨床像をきたすとされている.その中でも末梢神経障害は高率に認められるが,自律神経障害は極めて稀である1).今回,我々は, Churg-strauss症候群に神経因性膀胱を合併し,治療後良好な経過を呈した1例を経験した.本症に見られる自律神経障害の発症機序,予後などを考える上で貴重な症例と考えられたので報告する.
  • 山崎 尚美, 吉見 通洋, 井上 博之, 出水 みいる, 萩本 直樹, 桑野 和善, 原 信之
    2003 年 92 巻 2 号 p. 310-312
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    38歳,女性.乾性咳嗽,労作時呼吸困難を主訴に受診.胸部X線写真上両側上肺野優位の網状影,胸部CT所見上不均一な淡い濃度上昇を認めた.肺生検組織はNonspecific interstitial pneumonia (NSIP)類似の病理像を呈し,病歴とあわせ慢性過敏性肺臓炎と診断しPrednisolone (PSL)投与を開始した.また両側性の反復する気胸を認めた.慢性過敏性肺臓炎における反復性気胸の報告は少なく貴重な症例と考えられた.
  • 林 正幸, 林 浩子, 青木 理彰, 田中 博志
    2003 年 92 巻 2 号 p. 313-315
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は30歳,女性,腰背部痛を主訴に受診.骨粗鬆症と同時に原発性無月経が判明.入院精査の結果,嗅覚異常を伴わない特発性視床下部性無月経と診断.骨粗鬆症は長期間エストロゲン低値に曝露されたことが原因と考えられた.退院後はより直接的な骨密度の改善を期待してエストロゲン補充療法を施行した.無月経による骨代謝への影響について示唆に富む症例であるので報告した.
  • 伊藤 恒, 吉賀 正亨, 大西 静生, 飯室 麗香, 八木 彩香, 中野 智, 伊東 秀文, 日下 博文
    2003 年 92 巻 2 号 p. 316-317
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    神経線維腫症の60歳男性が難治性の吃逆を主訴として受診した.頭頸部・胸部のMRIにて異常を認めなかったが,横隔神経の伝導検査にて左側の潜時延長と右側の波形変化.振幅低下を認めた.塩酸メキシレチンの投与により吃逆は著減した.難治性吃逆における電気生理学的検査の重要性と,横隔神経の伝導障害が吃逆の原因と考えられる場合には塩酸メキシレチンが有効である可能性が示された.
  • 矢野 聖二, 六車 博昭, 曽根 三郎
    2003 年 92 巻 2 号 p. 318-323
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    非小細胞肺癌は現在最も難治性の癌の一つであり, 1990年代後半から導入された新規抗癌剤により生存期間の延長が得られたもののその期間はわずか数カ月であり,新しい治療法の開発が望まれている.近年,上皮成長因子受容体(EGF-R)が癌細胞の増殖,不死化,浸潤,転移に関与していること,非小細胞肺癌にEGF-Rが高頻度に過剰発現されていること, EGF-Rを過剰発現した非小細胞肺癌患者の予後が不良であることなどが報告され, EGF-Rを標的とした分子標的薬: EGF-R阻害剤が開発されてきた.なかでもEGF-Rリン酸化阻害剤であるゲフィチニブ(イレッサ®)は世界に先駆けわが国において2002年7月に承認され,その臨床的効果が注目されている.本稿ではゲフィチニブをはじめとしたEGF-R阻害剤の非小細胞肺癌に対する成績を紹介し今後の展望と課題について概説した.
  • 柳瀬 敏彦, 名和田 新, 足立 雅広, 高柳 涼一
    2003 年 92 巻 2 号 p. 324-329
    発行日: 2003/02/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,転写調節因子の転写機能を調節する因子として種々の転写共役因子(コファクター)の存在が明らかにされてきており,転写を活性化するコアクチベーターと抑制するコリプレッサーの存在が知られている.我々はアンドロゲン受容体(AR)には異常を認めないアンドロゲン不応症患者において,患者皮膚線雄芽細胞を用いた解析から, ARの転写活性化に不可欠な来知のコアクチベーターの異常が原因であることを証明した.本症例以外でコファクター病として確立しているのはCBP異常によるRubinstein-Taybi症候群がある.その他,乳癌,子宮癌,前立腺癌などのホルモン依存性腫瘍組織において,コファクターの発現の程度やリン酸化が腫瘍の増殖や病態と密接に関係するとの報告や白血病の発症機構におけるコリプレッサーの関与に関する知見等が集積されつつあり,今後,種々の病態においてコファクター重要性が明らかになってくるものと思われる.
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