副腎皮質ホルモンが糖代謝にどのような影響を与えるかを研究し,併せて甲状腺,副腎並びに性腺機能失調時における副腎皮質ホルモンの推移を考察する目的で,家兎をcortisone, thyradin, alloxan各投与群及び甲状腺剔出群に分かち,各群のinsulin抵抗性,肝並びに筋のATP ase,血清無機燐,血糖を測定した結果, cortisone投与群ではthyradin投与群に比し遥かに抵抗性の強いことを認め,又血糖の上昇,血清無機燐の減少,肝ATP aseの減少,筋ATP aseの増加など甲状腺ホルモンと相反する傾向を示した.次に各内分泌腺機能失調時の皮質ホルモンの推移を血中及び各臓器内total 17-OHCSの測定により検討したが, thyradin投与群,甲状腺剔出群においては共に皮質機能の減衰を認め, cortisone並びにDOCA投与群においては投与量,又性別によりそれぞれ異なる推移を示すことをみとめ,性ホルモン投与群では性別による大きな差異は認めないが,性腺剔出群において,雄性は減少し,雌性は増加を示した.
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