日本内科学会雑誌
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60 巻 , 8 号
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  • 大藤 真, 高原 二郎, 小川 紀雄, 細木 秀美, 花房 学
    1971 年 60 巻 8 号 p. 711-720
    発行日: 1971/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    下垂体門脈血中releasing factor (RF)にかんする研究は少なく,未だ下垂体門脈血中のRF動態を示した報告はみられない.著者らはイヌを用い経咽頭法により下垂体およびその周辺を露出させ,下垂体のpays tuberalisを切断,そこより流出してくる血液を採取しin vivo法およびin vitro法によりCRF活性を測定した.下記の結果をえた.1)手術後におけるCRF活性は比較的短時間(60~90分)で増減を示した.2)それらの変動は大量のdexamethasoneにより抑制された.3) pyrogen負荷によりCRF活性は著明に増加を示し,pyrogenのACTH分泌作用がCRFを介することが推定された.4) lysine-8-vasopressin (LVP)負荷時にはCRF活性は増加を示さずLVPは下垂体前葉に作用することが示唆された.5) Metopirone静注時には早期(0~30分)にCRF活性の増加がみとめられた.6) pyrogen負荷によるCRF活性の増加は一定量のdexamethasone一定時間以上前に投与することにより抑制された.
  • 西本 幸男, 勝田 静知, 山木 戸道郎, 西田 修実, 重信 卓三, 平郡 昭義, 栗屋 昌一, 正木 純生, 大成 浄志, 行武 正刀
    1971 年 60 巻 8 号 p. 721-726
    発行日: 1971/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性気管支炎に検出されるリウマチ因子(RF)と本症の二,三臨床所見との比較検討を行なうとともに,これと比較する意味で他の慢性肺疾患についても併せ検討した.その結果,RFの頻度は慢性気管支炎において最も高く,ついでサルコイドーシス,塵肺,気管支端息および肺結核の順であつた.慢性気管支炎を西本分類でみた場合は感染を主症状とする感染閉塞型および感染型に,また換気機能による分類では閉塞型および混合型にそれぞれRF陽性者を多数認めた.喀痰の性状を粘液性および膿性に分けると膿性痰を示す症例にRFは高頻度であり,肺機能検査では%DLCOよびstatic complianceの低下したものにやや高率に出現する傾向を認めた.肺結核をNTA分類でみると病巣の大きさに比例してRFの頻度も上昇した.サルコイドーシスでは肺野病変を示す症例に,また塵肺では%DLCOの低下した症例にそれぞれRFが高頻度に証明された.
  • 山田 剛太郎, 小林 敏成, 幡 慶一, 辻 孝夫, 太田 康幸, 小坂 淳夫
    1971 年 60 巻 8 号 p. 727-734
    発行日: 1971/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本邦初例のheavy-chain病症例の腹腔鏡下肝生検により得た肝組織について光学顕微鏡的,電子顕微鏡的に観察検討した.光学顕微鏡的には,Glissoa鞘にンパ球,形質細胞と考えられる細胞等の軽度の浸潤が認められるにすぎなかつた.電子顕微鏡的観察では,肝実質細胞は,粗面小胞体が比較的少なく,しかも,核の近くに限局して存在し,一方,グリコーゲン顆粒が多く認められた.Glisson鞘に浸潤している形質細胞と考えられた細胞は,よく発達したGolgi野と,層状配列を示す粗面小胞体を有し,典型的な形質細胞として観察されたが,その粗面小胞体に付着しているpolysomeを構成しているribosomeを数え,その分布より,これらのpolysomeで合成されている蛋白質の分子量を算定すると25,000~30,000前後となり,本例のheavy-chain病蛋白の沈降係数3.7と合わせ考えて,肝内に浸潤しているかかる細胞は,heavy-chain病蛋白を合成している細胞と断定した.
  • 小林 逸郎
    1971 年 60 巻 8 号 p. 735-741
    発行日: 1971/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    血小板ADP凝集の記録方法として,血小板浮遊液の濁度変化による透過光線の変化を経時的に測定する方法が最も広く用いられている.本法により血小板ADP凝集の強さを定量的に表現しようと試みた.すなわち,ADPにより最大の凝集を示した時の血小板浮遊液のoptical density (OD)と血小板を除いた血漿自身のODの比をもつて凝集の強さを百分率変化として表現した.実験には10例の症状の安定した患者ならびに健康者を用い,同一個体から日を変えて3回採取した検体にて,血小板ADP凝集の強さの再現性,濃度一反応関係,個体差を二元配置法にて推計学的に検討した.用いたADPは最終濃度10-6, 3×10-6,10-5モルである.各濃度のADPによる反応の10例の平均値で,再現性は危険率1%以下で認められた.個体差も危険率1%以下で各濃度による反応に認められた.3濃度間の濃度一反応関係は,一次性,二次性ともに認められた(P⟨0.01).この原因として,血小板ADP凝集の強さに上限があり,二次性を構成する最終濃度10-5モルADPを除いてADP凝集の強さの濃度一反応関係をあらわすと, Y=358.382+64.324X(X=ADP log Concentation)なる一次式であらわせた.
  • 日野原 重明, 納 光弘, 橘 敏也, 柴垣 昌功, 篠田 智璋, 吉田 尚
    1971 年 60 巻 8 号 p. 742-747
    発行日: 1971/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    昏睡と高度の低ナトリウム血(118mEq/1)をおこした患者を検索し,それが下垂体前葉機能不全症とADH分泌異常症の合併によるものと判断したので報告する.このような両者の合併例はまだわが国では報告されていない.副腎皮質ホルモンの投与によつて,患者の血清ナトリウム値は正常となり,あらゆる症状が改善された.また,治療前のADHは6.Oμu/mlで正常値上限の約2.5倍を示したが,副腎皮質ホルモンの投与で,この値が2.6μu/mlに下つたことから,ADH過剩と副腎皮質ホルモンの間に関連性があるとみなした.また,血清ナトリウムの改善に伴い,脳波では主にθ波の消失を,心電図では第I度A-Vブロックが消失して正常化するのを観察した.この患者の昏睡状態は血清ナトリウムの急激な低下によつて招かれたものと考えられる.この患者の入院中の異る条件下の各期間について,ナトリウムと水の出納を比較検討した.
  • 池田 斉, 村勢 敏郎, 中尾 喜久
    1971 年 60 巻 8 号 p. 748-755
    発行日: 1971/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    糖原病第III型は“debrancher” enzymeの先天的欠損により,肝,骨格筋などに側鎖の短い異常グリコーゲンが蓄積する疾患であり,von Gierke病,Hers病などと共に,hepatomegalic typeの糖原病に属している.従来本邦では,hepatomegalic typeの糖原病のほとんどが,“von Gierke病”として取り扱われてきた感があるが,これらの疾患は,予後および治療の上でかなりの相違があり,ことに本疾患とvon Gierke病とを鑑別することは,臨床的に非常に重要であることを強調したい.本疾患の飢餓時の代謝はきわめて興味があり,本症例では空腹時に血糖が低下して,血中のNEFAおよびグリセロールが著しく上昇した.また本疾患の骨格筋組織の変化については,従来,比較的関心が薄かつたが,本症例においては,筋組織の異常を示す種々の検査所見がえられた.
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