日本内科学会雑誌
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81 巻 , 7 号
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  • 内野 治人
    1992 年 81 巻 7 号 p. 989-990
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 朝長 万左男
    1992 年 81 巻 7 号 p. 991-998
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    白血病の診断と分類は,現在形態学と細胞化学にその基礎をおくFAB分類によって行われている.最近のモノクローナル抗体を用いる免疫学的マーカー分析法や遺伝子解析法の進歩がさらに,病型分類を精緻なものとしつつあるが,混合型白血病の提唱など新たな問題も生じてきている.白血病の生物学的特徴と治療反応等の臨床的特徴の両者を反映した,より実際的な分類法の確立に向けた努力が現在なお続けられている.
  • 鎌田 七男
    1992 年 81 巻 7 号 p. 999-1005
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    白血病における染色体変化は白血病病型の確定診断,病態研究,予後推定などに役立っている.また,最近では分子生物学的手法が導入され,病型特異的染色体変化を分子レベルで捉えるようになってきた.すでに20余個の遺伝子プローブが分子レベルでの“転座”を証明するのに使われている.このような分子・細胞遺伝的手法は白血病の“完全治癒”を目指す治療計画にも大きく貢献している.
  • 白川 茂, 北 堅吉, 大野 敏之, 三輪 啓志
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1006-1012
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年,白血病細胞の同定には従来の形態学,細胞化学,染色体分析のほか,各種の分化抗原を認識する単クローン抗体を用いた免疫学的形質の検索(表現型phenotype)や分子生物学的手法によるDNA解析(遺伝子型genotype)などが行われ,白血病の診断,分類に寄与するとともに白血病病態の一層の理解に役立っている.
  • 平井 久丸
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1013-1017
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    白血病も他の悪性腫瘍と同様に遺伝子変異をその病態の本質とする疾患である.癌遺伝子と癌抑制遺伝子の研究の進歩とともに,白血病において様々な遺伝子変異が見い出され,病態が遺伝子レベルで理解されるようになってきた.一方, PCR法の普及によって遺伝子変異が簡便かつ高感度で検出されるようになって,白血病の診断や治療効果の判定に遺伝子解析の有用性が明らかになってきた.本稿では癌遺伝子と癌抑制遺伝子について概説し,白血病との関係について例を挙げて述べる.
  • 仁保 喜之
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1018-1022
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    白血病は,造血幹細胞から各系の血液細胞へ分化,増殖,成熟するという正常の造血機構から逸脱して,ある段階迄分化した幼若球が腫瘍性を帯びて,それ以上成熟せずその段階で無制限に増殖を続けて行く病態である.但し,慢性骨髄性白血病のように幼若球から成熟球までまんべんなくそろっているという増殖形式を取る場合もある.多彩な白血病細胞の増殖機構と抑制について,サイトカイン, antisense oligonucleotideなどを含めて解説する.
  • 外山 圭助
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1023-1027
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    白血病の診断には,白血病を疑う徴候を認めたら,急性か慢性かに大別して検査を進める.まず末梢血及び骨髄検査によって白血病であることを診断し,ついで,治療方針の決定に重要な,リンパ性か,非リンパ性かを細胞化学的に決定する.急性白血病ではさらにsubtypeに分類する.最近は白血病の診断ならびに分類に形態学的のみならず免疫学的,細胞遺伝学的,分子生物学的手法が導入され,治療の選択,予後の判定に役立つようになった.
  • 松田 保, 中村 忍
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1028-1032
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    白血病の合併症として重要なのは,貧血,白血球の低下による感染症,および,血小板の産生低下やDICによる出血性素因があげられる.貧血に対する対策は白血球除去赤血球の輸注が標準であるが,必要最小限にとどめるべきである.白血球低下による感染症に対しては,適切な抗菌薬,場合によってはCSFの使用,さらに感染機会の減少につとめることが重要である.出血の原因としては,血小板数の低下が重要で,その補充を行う. DICもしばしば合併し,抗凝固薬を使用するが,血小板の補充が必要である.
  • 中村 徹, 上田 孝典
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1033-1039
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    抗白血病薬の大部分はDNA合成阻害薬であり, nucleotide合成阻害薬とDNA損傷誘発薬とに分けられる.前者は時間依存性,後者は濃度依存性に作用する.最近一次作用点がDNAではない2, 3の薬物も開発された.抗腫瘍効果の強いものほど骨髄抑制も強いので,両者を予測してそのバランスを考えた投与法が必要である.幸い骨髄抑制は比較的短期に回復するので補助療法で乗切り,その他の重篤な副作用が出現すれば抗白血病薬の種類が切換えられる.
  • 大野 竜三
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1040-1045
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    急性骨髄性白血病は化学療法や骨髄移植療法の進歩により,治癒可能な疾患となったので,治癒を目指した治療がなされるべきである.治癒をもたらすには,強力な寛解導入療法,地固め療法と維持・強化療法が必要である.強力治療の遂行のためには, G-CSFは強力な補助療法剤であり,慎重に投与されれば十分有用性がある. all-trans retinoic acidによる分化誘導療法は急性前骨髄球性白血病に驚異的な完全寛解率をもたらす.
  • 大島 年照
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1046-1052
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    成人急性リンパ性白血病(ALL)は完全寛解が得られても再発しやすく骨髄性白血病よりも難治性である.したがって,完全寛解率および長期生存率を高めるには強力な導入療法と地固め療法,維持療法, CNS白血病の予防がプログラムされた治療が必要である. ALLは白血病細胞の表面マーカーにより, C-ALL, B-ALL, Null-ALL, T-ALL,およびmixed lineage leukemiaのphenotypeに分けられ,それぞれのタイプにより薬物効果の違いが認められる.また,染色体異常(Ph1染色体),年齢,初診時の白血球数なども予後に重要な影響を及ぼす.
  • 柴田 昭, 橋本 誠雄
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1053-1059
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性骨髄性白血病の治療は従来のbusulfan等の薬物療法といった種瘍量の減少をはかる治療方法から,根治を目指す治療方法に変わりつつある.選択的Ph1陽性細胞の減少効果のあるインターフェロンα,大量の薬物と放射線によってPh1陽性細胞の根絶を図り, HLA一致正常donorより骨髄細胞を輸注し血液学的再構築を図る同種骨髄移植である.これらの治療の選択と集積は, CMLの根治につながるものと考えられる.
  • 正岡 徹
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1060-1064
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    日本での白血病の骨髄移植は1000例を越え, follow up期間も長くなって5年生存率で評価が可能となってきた.早期の白血病では5年生存率は急性非リンパ性白血病で53%,リンパ性58%,慢性骨髄性で62%となっている.間質性肺炎, GVHD対策も進歩し成績向上に貢献している.最近コロニー刺激因子の導入は白血球減少期間を著明に短縮した.骨髄採取への応用の研究も始まってきている.
  • 下山 正徳
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1065-1069
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    mdr1遺伝子とその産物であるP-glycoprotein, mdr3遺伝子,トポイソメラーゼIIなどが多剤耐性に関係している. mdr1遺伝子のmRNAの発現,モノクローナル抗体によるP-glycoproteinの検出法が臨床的に応用可能である.急性白血病や悪性リンパ腫では再発例の約1割,成人T細胞白血病・リンパ腫では病初より4割近くの症例がこのメカニズムで耐性であると報告されている.耐性克服の方法についても解説した.
  • 平嶋 邦猛
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1070-1075
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    二次性白血病には,治療として行われた放射線治療,化学療法に誘発されたと見なおされる白血病と,先行する疾患の自然経過として発症した白血病が含まれる.いずれも白血病発症機序の解明に多くの示唆を与える病態である.治療誘発性白血病は,その多くが急性骨髄性白血病であるがde novo白血病と異なった発症病態を示し,染色体異常の頻度が高く,治療抵抗性である.その発生頻度を示し,対策について考案する.
  • 森 眞由美
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1076-1080
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    高齢者の白血病は, FAB分類上,一般成人と変わりないが,予後不良群とされる,非定型的白血病,前白血病状態を経ての発症,染色体分析上の予後不良群などが多い.その上,腎,肝,骨髄など臓器の加齢に伴う変化により,薬物代謝も一般成人と異なる.また,他の合併症も多い.年齢, perfomance status,各臓器の機能などに応じ,治療法,治療量をきめ細かに設定しなければならない.
  • 山口 理世, 松井 保憲, 田中 栄作, 網谷 良一, 倉澤 卓也, 川合 満, 久世 文幸
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1105-1107
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は15歳男性,高校生.主訴は湿性咳嗽.既往歴は慢性副鼻腔炎,滲出性中耳炎,外耳炎. 12歳頃から鼻汁,湿性咳漱を自覚していた.高校1年生の健康診断で胸部X線像上の異常を指摘され,当院での胸部X線縁, CT等の精査にて両下肺を中心に散布する小結節性病変と気管支の拡張を認め副鼻腔気管支症候群と診断した.喀痰は粘膿性で, Bordetella bronchisepticaのみを繰り返し検出した.本菌は,ブタ,イヌ,マウス等の哺乳類で気道感染症の起炎菌となり得るとされているが,ヒトでの報告は,肺炎,気管・気管支炎のみで,これまでのところ本例のような副鼻腔気管支症候群の報告はない. Bordetella bronchisepticaの産生する菌体外毒素が気道の線毛上皮を傷害することが動物実験で報告されており,本菌はヒトにおいても慢性気道感染症の発症要因の一つになり得るものと考えられた.
  • 藤田 俊夫, 津田 隆志, 野中 麗永, 宮島 武文, 田中 吉明, 小玉 誠, 和泉 徹, 柴田 昭
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1108-1110
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は55歳,男性.拡張型心筋症(DCM)によるNYHAIV度の左心不全にて入退院を繰り返し, 4回目の入院に際し, pimobendan追加療法により著明な臨床症状の改善を認め退院した.その半年後,再び著明な下腿浮腫・高度三尖弁逆流を示すNYHA IV度の心不全出現により入院. furosemide 240mgまでの増量でも浮腫は改善せず, dobutamine持続静注により尿量の増加と浮腫の軽減を認めた.しかし,連日投与では耐性が出現するため, denopamine内服に変更し, pimobendanとの併用追加療法を開始した.尿量増加,体重減少は維持され,浮腫は併用追加療法3週後に完全に消失した.
  • 老松 寛, 岡田 隆夫, 高橋 尚子, 沢井 仁郎, 沢井 圀郎, 佐藤 良二
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1111-1113
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は46歳男性. 27歳時に強直性脊椎炎の診断.頚部前傾位,著明な脊椎運動制限,ブドウ膜炎,特徴的な脊椎X線像を認め, HLA-B27陽性.心拡大,心電図上高電位差, ST・T変化と,心エコー図で肥大型心筋症様の左室壁肥厚を呈し,右室心筋生検にて,脂肪浸潤を伴う間質の線維増生を認めた.これまで,強直性脊椎炎に肥大型心筋症様の左室壁肥厚を伴ったとする症例はみられず,本例が心筋生検所見をも検討し得た初めての報告と思われる.
  • 黒岩 竜一, 清永 和明, 藤本 英司, 木佐 貫彰, 福盛 順子, 有馬 新一, 中尾 正一郎, 田中 弘允, 澤田 祐介
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1114-1116
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は68歳,女性.有機燐製剤を服毒後第8病日に,胸部誘導心電図のST上昇と左室前壁,心室中隔,心尖部の壁運動低下を認めた.筋逸脱酵素は有機燐製剤により持続的に上昇していた.慢性期には左室壁運動は著明に改善し,心電図では,胸部誘導のr波の回復がみられたが陰性T波は残存した.冠動脈造影では有意狭窄を認めなかった.これらの所見から本症例は有機燐剤中毒に心内膜下梗塞を合併した例と孝えられた.限局性心筋障害を伴った有機燐中毒の例はまれであると考え報告した.限局性心筋障害の原因としては,自律神経の異常やアルカローシス時に発生しやすい冠〓縮の関与が考えられた.
  • 宮崎 浩司, 稲田 進一, 米井 嘉一, 小沢 ゆか子, 稲垣 恭孝, 宮本 京, 鈴木 修, 大川 日出夫, 桐生 恭好
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1117-1118
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    症例は69歳女性, Raynaud現象,高γグロブリン血症,手指硬化症,舌小帯の短縮とともに上部消化管造影で食道の軽度拡張を認め,血清学的に抗セントロメア抗体陽性であることから,全身性硬化症(PSS)の初期の可能性が考えられた,また,表在リンパ節は触知しなかったが傍大動脈リンパ節腫脹を認め,開腹生検を施行しT細胞性悪性リンパ腫と診断. PSSと悪性リンパ腫の合併は本邦では本例を含めて4例の報告のみとまれである.また,自己免疫疾患と高γグロブジン血症をともなったT細胞リンパ腫の合併例は自己抗体の産生機序を考察する上で貴重と考えられた.
  • 山崎 昇
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1119-1124
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    再灌流障害の発生機序に,(1)活性酸素ラジカル,ならびに, (2) Ca2+ overloadの関与が重要と考えられる.動物実験的には,ラジカル産生抑制薬(アロプリノロール),ラジカルスカベンジャー(SOD・カタラーゼ・マンニトール)及び抗酸化薬(α-トコフェロール・グルタチオン・アスコルビン酸)の再灌流障害に対する有効性が報告されているが,臨床的には,これら薬物の有用性についての検討はほとんどなされていない.再灌流障害は冠動脈内血栓溶解療法(ICT),経皮的冠動脈形成術(PTCA)や冠動脈バイパス術(CABG)のみならず,虚血性心疾患の突然死,特に異型狭心症の冠スパスムからの寛解時にみられる重症不整脈,さらには突然死を予防するために,従来の抗狭心症薬・抗不整脈薬のほかにラジカル産生抑制薬・フリーラジカルスカベンジャー・抗酸化薬など抗ラジカル薬の併用が必要と考える.再灌流障害に対する理想的なラジカルスカベンジャーとは経口投与が可能で,長期に効果(long acting)があり,副作用ができるだけ少なく,再灌流障害に対して確実に予防効果を有する薬物である.再灌流障害の予防に有効な抗ラジカル薬の早期開発が望まれる.
  • 日野原 重明
    1992 年 81 巻 7 号 p. 1125-1130
    発行日: 1992/07/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    20世紀末の医学の現状をふまえて,新しい研究方法や教育方法導入による医学の刷新により, 21世紀の医学はどう変貌すべきかを主として内科学的立場から展望したい.
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