日本内科学会雑誌
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60 巻 , 5 号
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  • 林 敬民
    1971 年 60 巻 5 号 p. 387-398
    発行日: 1971/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    ソルビット脱水素酵素はソルビトールを酸化し果糖とする脱水素酵素であり,体組織においては肝にもつとも多く存在する.活動性肝障害において本酵素活性値が上昇することから,著者は肝疾患および他の疾患にけるソルビット脱水素酵素活性値の変動を経過を追つて観察し,さらに肝生検像と血清酵素活性値とを対比検討した.急性肝炎においては発黄前より活性値の上昇がみられ,慢性肝炎においては他酵素が正常範囲内にあつても軽度の上昇がみられた.肝硬変症においては一般に低値であつたが,代償不全肝硬変症においては他酵素よりも敏感に反応する.組織像との対比では活性値の上昇は肝細胞の変性と,壊死性変化と相関があつた.以上の結果により,ソルビット脱水素酵素活性値は急性炎症の時に上昇し,しかも他酵素よりも敏感であった.
  • 河野 勝之祐
    1971 年 60 巻 5 号 p. 399-407
    発行日: 1971/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Secretin, panereozyminおよびgastrinによるinsulin分泌刺激作用を,麻酔犬の門脈血および末梢血,正常人,糖尿病患者の末梢血で観察した.三老ともに, insulinはDILA, FILA, IRIとも注射後1分ないし3分にpeakに達し, 10分には速やかに下降し, 30分には前値に復した.この間血糖は無変化であつた.糖尿病患者では分泌像は正常人と同様であるが,分泌の低下がみられた.消化管ホルモンによる急激でしかも一過性のinsulin分泌は血糖を介せずに行なわれていて,食物摂取時,未だ血糖の上昇しない時, insulin分泌をおこさせ,一時的にせよ血糖が無制限に上昇するのを防こうとする反応の現われで,消化管ホルモンは糖代謝の維持にも関与しているものと考えられる.
  • 町田 元実
    1971 年 60 巻 5 号 p. 408-419
    発行日: 1971/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    peroxidase標識抗ヒトIgGヤギ抗体による酵素抗体間接法を用いて,膠原病,殊にsystemic lupus erythematosus (SLE)血清中の自己抗体の検索,ならびに細胞内抗原の電子顕微鏡レベルでの解析と抗核抗体テストの開発を試みた. Target細胞としては,Ehrlich腹水腫瘍細胞, HeLa細胞,ダイコクネズミ肝細胞,ヒト腎尿細管上皮細胞を用いた.酵素抗体間接法の光顕所見は,大部分の膠原病例では,核が均一に染つてみられ,一部の症例では斑点状に,または核周辺に強く染まつたが,同じ材料については,蛍光抗体間接法によるstaining patternと必ずしも一致しなかつた.酵素抗体法は,蛍光抗体法に比べ,抗核抗体テストとしての感度の点ではやや劣るようである.電顕所見では,おもに核chromatinが抗原となり,少数例にrough surface endoplasmic reticulumのcisternae, mitochodriaのmatrixがcytop1asmic antigenとして認められた. SLEの病状増悪時の血中にrough surface endoplasmic reticulumに対する自己抗体の出境する例があつた.以上のことから本法は,研究上はSLEなどのantinuclear factor, anticytoplasmic factorの抗原局在の解明に役立つと同時に,臨床上でもSLEの活動性の判定などに広く利用され得るものと思われる.
  • 清水 啓介, 望月 一郎, 戸塚 忠政, 草間 昌三, 半田 健次郎, 須沢 春雄
    1971 年 60 巻 5 号 p. 420-430
    発行日: 1971/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    呼吸器についてのアレルギー性組織反応の惹起はこれまで主として抗肺抗体を用いた実験が報告されている.著者等は抗気道粘膜抗体の気道に対する影響を知る目的で抗気管・気管支粘膜血清を用いて気道のアレルギー性組織反応の惹起を試みた.すなわち抗家兎気管・気管支粘膜山羊血清を作製し, DEAE cellulose collumn chromatographyを用い,抗体価の高い分画を分離した.この分画をあらかじめ正常山羊血清で前処置した家兎に静脈内注射,気管支内注入を行ない,一部にはSO2吸入を併用し気管,気管支,肺の態度を病理組織学的に検討した.その結果気管および主気管支の粘膜固有層にfibrin染色陽性の細線維の増生が著明なものがみられた.また肺胞壁あるいは細気管支壁にマッソン体類似の芽状膨出物を認めた.これらの変化は主に抗気管・気管支粘膜抗体が関与した抗原抗体反応に基づく変化と考えた.
  • 北尾 武, 北中 勇, 藤永 逸, 服部 絢一
    1971 年 60 巻 5 号 p. 438-443
    発行日: 1971/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    Meningeal leukemiaは白血病の緩解中におこりやすく,その発生機転は非常に興味ある問題を含んでいる. meningeal leukemiaは小児用白血病に多く発症するが,成人例ではその報告例は少ない.今後白血病の治療の進歩とともに成人においてもmeningeal leukemiaの発症頻度は増加するものと思われる.著者らは54才の急性白血病の男性において,約11カ月の経過中に2度の完全緩解をきたし,初回の緩解中に高度の頭痛,嘔気,嘔吐を訴え,髄液所見で脳圧亢進,細胞数増加,ギムザ染色で骨髄芽球を確認し, meningeal leukemiaと診断し,治療としてmethotrexate (Amethopterin) 10mg/週を髄腔内に計8回の注入で臨床症状の消失,髄液所見の改善を得た1例を報告した.
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