日本内科学会雑誌
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50 巻 , 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 中村 舜吾
    1961 年 50 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 1961/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    腸チフス菌培養濾液で感作したO型ヒト赤血球は,腸チフス患者および腸チフス免疫家兎の血清と凝集を起こすが,この赤血球凝集反応をTyphus abdominalis-Middlebrook-Dubos (T.a.-M・D)反応と称する.腸チフス患者,腸チフス混合ワクチン接種者,腸チフス以外の疾患,腸チフスの既往歴のある者,健康者について,また腸チフス死菌を接種した家兎についてそれぞれT.a.-M・D反応と, Widal反応とを行なつた.腸チフス患者では, Chloramphenicolを発病早期に使用すると, Widal反応は高い凝集価を示さないが, T.a.-M・D反応は総べての症例において明らかに陽性であつた.腸チフスワクチン接種者では, T.a.-M・D反応は陽性であつたが, Widal反応は一般に陰性であつた. T.a.-M・D反応は健康者,腸チフス以外の疾患,腸チフス既往歴のある者に,それぞれ陰性であつた.腸チフス死菌で免疫した家兎のT.a.-M・D反応とWidal反応との間には平行関係が見られた. T.a.-M・D反応はWidal反応よりも腸チフスの診断に役立つ.
  • 関 孝慈
    1961 年 50 巻 2 号 p. 142-153
    発行日: 1961/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    従来より著者の教室で行なつている肺空洞の病態生理学的究明の一環として,空洞壁の透過性を種々検討しているが,すでに,ガス体のそれについては実証報告した.著者はさらに液体および抗結核剤の透過性を究明すべく,イヌおよび家兎の山村実験空洞内に32P溶解の各種溶媒および14C標識の抗結核剤(PAS・Na-14C, INAH-14C)をそれぞれ経皮的に空洞内に直接穿刺注入し,その後,経時間的にそれらの血中濃度をGeiger-Müller-Counterあるいは2Π-Gas-Flow-Counterで測定する方法によつて,また一部は同様の処置を行なつた空洞のRadioautographyによる観察も行なつて,これから空洞壁の液体透過性の実相を明らかにしえた.さらに種々検討を加え,その結果,空洞壁よりの液体透過性は溶媒の滲透圧に逆比例し,空洞壁および周囲組織の諸性状と極めて密接に関連するが,空洞の所在部位による差異はほとんどなく, INAHはPASに比して,迅速かつ大きな透過性を有すること等を究明しえた.
  • 三神 美和, 小山 千代, 荒木 仲, 阿久津 初枝, 小林 成子, 八木下 富子, 菅野 照子
    1961 年 50 巻 2 号 p. 154-161
    発行日: 1961/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本態性高血圧患者120例にRegitine-test,うち27例にMecholyl-testを施行して,主として薬物学的な面から本症の病因を観察した.その結果約13.3%にRegitine-test陽性群を認めた.またMecholyl-testではP型が大部分で,いわゆるS型は1例もみられず, P型のすべてはRegitine-test陽性群に属した.その他臨床的検査により動脈硬化の強いものが多かつた.本態性高血圧症の中にはいわばカテコールアミン型高血圧症と動脈硬化の存在により, Regitine-testの修飾されることのあることを知つた.なおMecholyl-testの成績から本症においては交感神経血管緊張状態は増大していないのではないかと思われる.
  • 北村 次男
    1961 年 50 巻 2 号 p. 162-170
    発行日: 1961/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    本研究は胆汁リン脂質の量及びその組成を明らかにし,更にP32を用いて胆汁リン脂質の肝よりの分泌過程と,閉塞性黄疸時の高リン脂質血の成因の解明を目的とした.イヌ肝胆汁リン脂質濃度は血漿よりも遥かに高く数倍に及び,胆汁中に分泌されるリン脂質の1日量は,全血漿リン脂質の20%に達する.胆汁リン脂質のほとんどはレシチンで,セファリン及びフィンゴミエリンはモル比でそれぞれ数%及び1%以内であつた.従来閉塞性黄疸時に見られ高リン脂質血の成因に胆汁リン脂質は関与しないとされていたが,胆管閉塞後3日目に開放したイヌで,筋注したP32O4の胆汁及び血漿リン脂質へのとり込みを測定し,正常犬と比較することによつて,閉塞性黄疸時の高リン脂質血は,胆汁リン脂質の血中への逆流が大きな役割を果すことを証明した.
  • 高崎 浩, 藤田 浩, 川上 素直, 永井 一, 駒田 道子
    1961 年 50 巻 2 号 p. 171-176
    発行日: 1961/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    慢性腸疾患経過中に発生した下半身麻痺の2症例につき記述した.両例ともがんこな腸炎,大腸炎が前駆疾患となり,第1例は真菌,緑膿菌,ブドウ球菌などの菌交代症にひきつづき,第2例は4年前赤痢罹患後に続く慢性腸疾患の経過の結果である.そして,出血斑,血圧亢進,激烈な疼痛などの出現後,数日にして,下半身の運動および知覚障害が出現している.髄液所見は少なく,短期日に回復の傾向を示しているが,一方では再発性であり,軽度の膀胱直腸障害,月経異常を伴なつている.しかして原因としては,腸内細菌毒素,ビールス感染,アレルギー,脊髄血管性障害,代謝障害(ビタミン欠乏)などが考えられて,それぞれの項についての考察を加えてみた.
  • 角南 宏, 入野 昭三, 西下 秀男, 白石 彰徳, 岡田 耕一, 野村 迪夫
    1961 年 50 巻 2 号 p. 182-188
    発行日: 1961/05/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    近年白血病患者数は増加の一途をたどりつゝあり,臨床医家の注目をあびるに至つている. Virchowが本症を初めて記載して以来,既に1世紀以上を経過しているが今日未だその発生の原因は不明である.著者は白血病発生機転を解明する目的で,まず実験的研究の手段として,マウス白血病を取り上げて検討した.すなわち発癌物質並びに放射線が白血病を誘発する過程をみるに,造血臓器の低形成が白血病発生に先行し,一定の潜伏期をおいて脾又はリンパ節,胸腺に白血病細胞の増殖が起こり,続いて末梢血液に白血病細胞の増加が見られた.次に著者の経験した前白血病状態と考えられる患者例でも,初め一見再生不良性貧血の如き骨髄の低形成状態に続いて白血病が発生している.以上の結果から推測すると,白血病の発生には遺伝的要素が重要な基盤となるが,それに加えて造血組織の低形成を招くような外的因子が重視さるべきものと考える.
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