日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
111 巻, 7 号
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内科学会NEWS
目次
特集 最新の造血器腫瘍疾患診療~一般内科医に役立つ診断から外来治療の流れ~
Editorial
トピックス
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 後藤 慎平
    2022 年 111 巻 7 号 p. 1439-1442
    発行日: 2022/07/10
    公開日: 2023/07/10
    ジャーナル フリー

    近年,従来からのマウス等の実験動物を用いた疾患モデルに加えて,ヒト由来細胞を用いた様々な研究が可能となり,ヒト生体内の微小環境を疾患病態と共に培養皿内に再現できるようになった.背景には,iPS細胞からの分化誘導法,オルガノイド培養,CRISPR-Cas9等によるゲノム編集,シングルセル解析といった個々の要素技術の大きな発展があり,これらを組み合わせてヒト由来細胞を用いた疾患モデルは飛躍的に発展してきた.呼吸器はガス交換のための広大な肺胞面積を必要とし,肺胞を支える多数の分岐を持つ気道と目的に特化した細胞を備えて協調し,免疫細胞だけでなく上皮細胞も生体防御に役立っている.私たちの向かう先にはヒト由来細胞を用いて従来は解明が困難だったヒト肺の成り立ちを知り,難治性呼吸器疾患の病態解明から診断と治療につなげることであり,その先には肺を臓器として再生したいという未来がある.

  • 田中 篤
    2022 年 111 巻 7 号 p. 1443-1449
    発行日: 2022/07/10
    公開日: 2023/07/10
    ジャーナル フリー

    薬物性肝障害(drug-induced liver injury:DILI)は実臨床における肝障害の成因として極めて重要であり,鑑別疾患として常に念頭に置く必要がある.被疑薬としては抗菌薬,解熱鎮痛抗炎症薬,精神神経領域薬が多く,漢方薬や健康食品・自然食品によるものも少なくない.近年では抗腫瘍薬や免疫チェックポイント阻害薬によるDILIが注目されている.異常高値を示す肝酵素によって肝細胞障害型,胆汁うっ滞型,混合型に分類される.診断のためには,肝障害を来たしうる他の原因を丁寧に除外すること,原因として疑われる薬物の服薬歴およびその服用時期を詳細に聴取することが重要である.薬物リンパ球刺激試験の結果は参考となるが,確実なものではない.確定診断を目的とした被疑薬の再投与は禁忌である.治療方針としては被疑薬の投与を中止することが大原則で,多くは薬物の中止だけで軽快するが,中には重症化する症例もみられる.患者には今後被疑薬の服用は避けるよう説明する.

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第31回東海支部教育セミナーまとめ(企画:専門医部会)
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