心房細動(AF)の治療では,心原性脳梗塞予防を第一とし,次にAF自体へのアプローチ(リズムおよびレート治療)を行う.CHADS
2スコアで示される脳梗塞発症のリスク因子を評価し,中等度以上のリスク例にはガイドラインに準拠した抗凝固療法を継続して実施する.最近,新規抗凝固薬が相次いで市販されているが,いずれもいわゆるモニタリングが不要で,固定用量で投与可能で,また頭蓋内出血の副作用も少なく,使用しやすい薬剤と言える.しかし抗凝固薬であることに変わりはなく,その適応,用量設定など,患者背景に応じて適正に使用することが肝要である.一方,カテーテルアブレーションの進歩には目覚ましいものがあり,最近の3次元マッピングの発展等により,AFに対しても積極的に適用されている.とくに発作性AFに対するアブレーションの効果はほぼ確立され,最新のガイドラインでもクラスI適応に位置づけられた.今後のAF治療は大きく転換されるであろう.
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