日本内科学会雑誌
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101 巻, 10 号
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内科学会NEWS
目次
特集 関節リウマチ(RA):診断と治療の進歩
Editorial
トピックス
I.病因
  • 山本 一彦
    2012 年 101 巻 10 号 p. 2818-2823
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)を含むリウマチ性疾患の多くは遺伝因子,環境因子など複数の要因が働いて発症する.以前より,主要組織適合遺伝子複合体HLAをはじめとする幾つかの疾患関連遺伝子が報告されていたが,最近になりゲノムワイドの関連解析(genome-wide association study:GWAS)を用いて多くの疾患の疾患関連遺伝子の解析が進められている.特にRAの解析が進んでいるが,疾患感受性遺伝子には民族差があり,欧米人のデータとともに我が国独自の研究が必要である.
  • 川人 豊
    2012 年 101 巻 10 号 p. 2824-2829
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチの病因は,近年の遺伝子解析の進歩で様々な遺伝子の関与が明らかにされつつあるが,遺伝因子よりも病因への関与度が高い環境因子については,未だに不明な点が多い.環境因子のなかでも古くより感染性病原体の関連が示唆されており,今なお有力なものであるが,現在最もエビデンスレベルの高い環境因子は,喫煙である.本章では,これらの環境因子を含め,関節リウマチの発症機序についても概説する.
II.病態
  • 宇月 美和, 村上 賢也, 鎌滝 章央, 窪田 綾子, 勝呂 徹, 澤井 高志
    2012 年 101 巻 10 号 p. 2830-2838
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)の病理組織像の特徴は(1)滑膜細胞の多層化,(2)リンパ球などの炎症性細胞浸潤,(3)血管新生,(4)軟骨や骨の破壊,(5)線維芽細胞様滑膜細胞の増生であるが,最近では生物学的製剤などの治療により,(1)(2)(3)の所見が消失し典型的な像を示さない症例が多くなってきている.(5)はRA特異的な細胞として多くの研究者が注目しており,CD14,CD34などが陽性となるが,治療によって変化することのないRAの病理組織学的マーカーの発見が今後も必要と思われる.
  • 松本 功
    2012 年 101 巻 10 号 p. 2839-2843
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)において,動物モデルは潜在的新薬の検討に広く使われている.しかしながら,どの動物モデルがRA患者の治療反応性を予見できるかは議論の分かれるところである.昨今のRAに対する治療はTNFα,IL-6など炎症性サイトカインを阻害する生物学的製剤の登場により大きく進化し,T細胞をターゲットとしたCTLA-4Igや,B細胞除去抗体である抗CD20抗体の効果も実証され,RAにおける病因の中枢はこれら3つの経路に依存すると考えられる.振り返ると,RAで認可された薬や承認待ちの薬で最もよく使用されていた動物モデルは,アジュバント関節炎(adjuvant induced arthritis:AIA),コラーゲン誘導関節炎(collagen typeII-induced arthritis:CIA)であったが,本稿では重要な関節炎動物モデルを列挙し,現状までの病因論,RA治療・臨床応用の観点からそれらを対比し論じる.
  • 村上 孝作, 藤井 隆夫, 三森 経世
    2012 年 101 巻 10 号 p. 2844-2850
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)は種々の自己抗体の出現を特徴とする代表的な全身性自己免疫疾患である.自己抗体の中でリウマトイド因子(RF)と抗CCP抗体は,関節リウマチの診断のみならず,治療反応性や骨破壊進行を予測するための重要な血清学的マーカーである.しかし,抗体価と疾患活動性との相関については両者で異なる可能性があり,臨床的意義の異同について概説する.
III.診断
IV.治療
V.評価
VI.合併症
座談会
MCQ
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 奥村 謙
    2012 年 101 巻 10 号 p. 2964-2972
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    心房細動(AF)の治療では,心原性脳梗塞予防を第一とし,次にAF自体へのアプローチ(リズムおよびレート治療)を行う.CHADS2スコアで示される脳梗塞発症のリスク因子を評価し,中等度以上のリスク例にはガイドラインに準拠した抗凝固療法を継続して実施する.最近,新規抗凝固薬が相次いで市販されているが,いずれもいわゆるモニタリングが不要で,固定用量で投与可能で,また頭蓋内出血の副作用も少なく,使用しやすい薬剤と言える.しかし抗凝固薬であることに変わりはなく,その適応,用量設定など,患者背景に応じて適正に使用することが肝要である.一方,カテーテルアブレーションの進歩には目覚ましいものがあり,最近の3次元マッピングの発展等により,AFに対しても積極的に適用されている.とくに発作性AFに対するアブレーションの効果はほぼ確立され,最新のガイドラインでもクラスI適応に位置づけられた.今後のAF治療は大きく転換されるであろう.
  • 梅原 久範, 岡崎 和一, 千葉 勉
    2012 年 101 巻 10 号 p. 2973-2981
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/10/10
    ジャーナル フリー
    IgG4関連疾患は,21世紀に生まれた新たな疾患概念で,血清IgG4高値と病変部への著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を特徴とする.これまでにも多くの情報が日本から発信されてきたが,厚生労働省難治性疾患調査研究班を中心としたオールジャパン体制で,「IgG4関連疾患の病名統一」,「IgG4関連疾患の概念確立」,「IgG4関連疾患包括診断基準の制定」などの輝かしい成果が世界に発信されている.
専門医部会
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