日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
98 巻, 10 号
選択された号の論文の46件中1~46を表示しています
ニュース
会告
特集●膠原病・リウマチ性疾患診療のより深い理解を目指して
Editorial
トピックス
I.診断不明の関節炎を如何に診断するか
II.合併症を見逃さないために
  • 松井 利浩
    2009 年 98 巻 10 号 p. 2453-2459
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    膠原病・リウマチ性疾患診療において,感染症・日和見感染は頻度も多く,生命予後を左右する重要な合併症である.治療に用いるステロイド,免疫抑制薬などが感染のリスクを増加させるが,最近では生物学的製剤使用に伴う日和見感染,結核の発症増加が懸念されている.膠原病・リウマチ性疾患診療にあたる医師は,常に感染症合併の有無を念頭に診察にあたり,感染症の早期発見,早期治療に努めることが重要である.
  • 東 直人, 佐野 統
    2009 年 98 巻 10 号 p. 2460-2467
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    リウマチ性疾患に合併する骨粗鬆症には,ステロイド性骨粗鬆症と関節リウマチ(RA)に伴う骨粗鬆症がある.ステロイド性骨粗鬆症は続発性骨粗鬆症の中で最多であり,ガイドラインに基づいた早期からの予防と治療が不可欠である.RAも続発性骨粗鬆症を来す代表的疾患である.関節破壊の進行は不動化による骨量低下を助長するため,やはり早期から抗リウマチ薬や抗サイトカイン療法によるRAに対する適切な治療が必要である.
  • 徳田 均
    2009 年 98 巻 10 号 p. 2468-2475
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    膠原病の呼吸器合併症は,その頻度はもとより,膠原病患者の生命予後という点から見ても最も重要な合併症である.疾患としては気道病変,間質性肺炎,血管病変など多彩であるが,近年,膠原病に対する新しい治療法が導入される中で,肺感染症の重要性がクローズアップされるようになった.その危険因子として,従来から指摘されてきた免疫抑制薬投与の他に,気管支拡張症,間質性肺炎等の既存の肺病変が重要である事も明らかとなってきた.生物学的製剤などの新しい免疫修飾薬剤を導入するに当たって,感染症のリスクを十分評価し,呼吸器科医と連携しながら診療に当たることが必要である.
  • 神田 浩子
    2009 年 98 巻 10 号 p. 2476-2485
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    膠原病は免疫異常により多彩な症状を呈する疾患の総称であり,腎病変はその一症状であると同時に重要臓器障害でもある.膠原病に伴う腎病変について,頻度,臨床所見,腎病理像,治療,予後を各々解説するとともに,関節リウマチに対する抗TNFα阻害薬による血管炎関連の腎障害例を中心にまとめ,紹介した.
III.適正な治療のために
座談会
MCQ
特別企画:シンポジウム 変貌するインフルエンザにどう向き合うか
今月の症例
医学と医療の最前線
  • 尾崎 承一
    2009 年 98 巻 10 号 p. 2601-2613
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    血管炎は罹患血管サイズに基づき分類されてきたが,近年,抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎と結節性多発動脈炎に関する新たな分類アルゴリズムが提唱されている.本邦の血管炎患者数はANCA関連血管炎,特に顕微鏡的多発血管炎において増加が著しい.血管炎の発症機序としては液性免疫や細胞性免疫などの異常があるが,前者には免疫複合体,ANCA,抗内皮細胞抗体(AECA),抗リン脂質抗体が関与し,後者には病的自己反応性T細胞による肉芽腫形成性組織障害が関与する.近年,ANCAやAECAなどの研究が進んでいる.ANCAの病原性が動物実験により詳細に解析され,その分子機序が明らかにされている.AECAの対応抗原がプロテオミクスの手法で網羅的に解析されている.血管炎の治療はステロイド薬と免疫抑制薬の併用療法が主体であるが,それらの副作用を回避するために,より安全な薬物療法を検証する前向き臨床試験が行われて,エビデンスに基づく治療法が提唱されてきている.
  • 加藤 元嗣, 浅香 正博
    2009 年 98 巻 10 号 p. 2614-2620
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    Helicobacter pyloriH. pylori)は生涯に渡って胃粘膜に感染して胃炎を惹起する.慢性胃炎を背景として胃・十二指腸潰瘍,胃癌などの様々な上部消化管疾患が起きる.胃癌は組織型を問わずH. pylori感染粘膜から発生することがほとんどである.高度の萎縮,腸上皮化生,体部胃炎では分化型胃癌が,非萎縮や全体胃炎では未分化型癌の発生が高く,背景粘膜の炎症や萎縮の程度によって,胃癌リスクが異なる.動物実験ではH. pylori除菌が胃癌発生を抑制することが認められ,除菌を早期に行う方が胃癌予防の効果は強い.中国でのH. pylori除菌による無作為二重盲検比較試験では,除菌は胃癌発症を抑制しないとの結果であった.しかし,胃癌の内視鏡的切除後の異時性多発癌をエンドポイントとした無作為化試験がわが国で行われ,H. pylori除菌によって有意に異時癌の発症が抑制された.H. pylori除菌は胃癌の発育進展を抑制すると推測できる.胃癌撲滅のために,H. pylori除菌を基本に据えた施策を早急に計画するべき時期に入ったといえる.
  • 菅谷 憲夫
    2009 年 98 巻 10 号 p. 2621-2628
    発行日: 2009年
    公開日: 2012/08/02
    ジャーナル フリー
    世界的にブタ由来新型インフルエンザウイルスによる流行が拡大し,日本でも大規模な流行発生が不可避となった.迅速診断を実施し,早期にノイラミニダーゼ阻害薬で治療するという日本で確立したインフルエンザ診療を徹底し,重症化を防止することが最大の目標となる.高齢者などハイリスク患者の重症肺炎に備えて,レスピレーターの準備も必須である.
診療指針と活用の実際
東北支部教育セミナーまとめ
シリーズ:考えてみよう (臨床クイズ) 問題
シリーズ:一目瞭然! 目で見る症例
プライマリ・ケアにおける内科診療
総合内科専門医の育成のためにII
シリーズ:指導医のために
シリーズ:世界の医療
シリーズ:考えてみよう (臨床クイズ) 解答
地方会
会報
feedback
Top