日本皮膚科学会雑誌
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112 巻 , 6 号
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生涯教育講座
  • 藤本 学
    原稿種別: 生涯教育講座
    2002 年 112 巻 6 号 p. 785-792
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2014/12/27
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    Scleroderma is an autoimmune disorder characterized by fibrosis in the skin and is divided into two types: systemic sclerosis and localized scleroderma. The etiology and pathogenesis of scleroderma are still unclear. Autoantibodies have been useful diagnostic tools and their clinical significance is reviewed in this article. Furthermore, recent studies have revived the idea that autoantibodies and B lymphocytes play principal roles in systemic autoimmune diseases. In the tight skin (Tsk/+) mouse, a genetic model of systemic sclerosis, B cells exhibit a hyper-responsive phenotype due to the disruption of the CD22/SHP-1 negative regulatory pathway. This inhibitory pathway is regulated by CD19, and the loss of CD19 expression significantly reduces skin fibrosis and autoantibody production in Tsk/+ mice. Two features of scleroderma, fibrosis and autoimmunity, thus affect each other, which may provide a clue to comprehending the pathogenesis of the disease.
原著
  • 岸本 和裕, 東條 理子, 尾山 徳孝, 中村 晃一朗, 金子 史男
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 6 号 p. 793-801
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    近年,デスモグレイン・ELISA法(Dsg ELISAs)により天疱瘡の診断,病型分類が高い感度,特異性のもとに確立された.そこで,本研究では当科で経験した天疱瘡患者33例について臨床症状,治療,ELISAスコアなどのデータをもとにその治療における抗Dsg抗体価測定の意義を検討した.その結果,①Dsg ELISAスコアは臨床症状の重症度を的確に反映していた(軽症 vs.重症:Dsg3;84.5±50.8 vs. 208.0±84.6;p<0.01,Dsg1;107.9±46.2 vs. 194.8±41.1;p<0.01,軽症 vs.中等症:Dsg3;84.5±50.8 vs. 168.8±41.3;p<0.05,中等症 vs.重症:Dsg1;144.0±41.8 vs. 194.8±41.1;p<0.01).また,症状の変動にも鋭敏であり,軽快に伴って有意に低下し(活動期 vs.軽快期:Dsg3;172.2±55.1 vs. 70.1±56.7;p<0.01,Dsg1;161.0±52.8 vs. 78.7±56.8;p<0.01),再燃時には再び上昇した(軽快時 vs.再燃時:Dsg1;98.5±46.8 vs. 164.4±43.0;p<0.01).大部分の症例(粘膜症状を有する例83%,皮膚症状を有する例73%)で症状の再燃前にDsgスコアの上昇が認められた.②経過中に必要とされた治療強度が高い群では低い群に比べてDsgスコアは有意に高値を示した(高値群 vs.低値群:Dsg3;224.9±46.9 vs. 134.9±53.0;p<0.01,Dsg1;188.7±60.9 vs. 130.5±40.7;p=0.01).③抗Dsg抗体プロファイル(Dsg3/Dsg1)の違いによって治療強度が異なっており,Dsg3+/Dsg1+群,Dsg3+/Dsg1–群,Dsg3–/Dsg1+群の順に,より強い治療を必要とした(Dsg3+/1+群vs. Dsg3–/1+群:5.4±1.9 vs. 2.8±1.8;p<0.01,Dsg3+/1–群vs. Dsg3–/1+群:4.7±0.8 vs. 2.8±1.8;p<0.05).しかも,経過中に臨床病型が移行する症例では,これら3種のプロファイルを経時的に解析することによって早期診断が十分可能であった.④治療強度に関わらず,Dsg ELISAsの結果から治療の効果判定,およびその後の治療計画を立てる上でも有用な知見が得られた.以上より,Dsg ELISAsは天疱瘡の重症度および病勢の把握,再燃の予測,病型移行例の診断,さらには必要とされる治療強度や治療方針の決定において鋭敏な指標となるため,日常診療において定期的に測定することが望ましいと考えられた.
  • 村澤 章子, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 6 号 p. 803-810
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    顔面の色素細胞性母斑531例の病理組織学的検討を行った.腫瘍細胞の存在部位により境界型,複合型,真皮型に分類し,さらに臨床病理組織学的にUnna型,Miescher型,Spitz型,Clark型の4型に分類した.なお,単純黒子はClark型の早期病変として分類した.病変の発症時期を考慮して,腫瘍の形態から,非隆起型と隆起型に分類し,非隆起型病変は隆起型病変より早期の病変と判断し検討した.顔面の色素細胞性母斑では,真皮型が531例中382例(71.9%)と最も多く,また臨床病理組織学的にはMiescher型色素細胞性母斑が531例中511例(96.2%)と最も多かった.境界型が531例中15例(2.8%)と非常に少ないことから,境界型の病変では,上皮内悪性黒色腫の可能性も考える必要があると考えた.また,顔面の後天性の色素細胞性母斑の形成機序として,腫瘍細胞が真皮内から発生する可能性と,後天性の病変と認識されている病変の中には,先天性の病変が含まれている可能性があることを指摘した.
  • 村澤 章子, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 6 号 p. 811-816
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    足底の色素細胞性母斑271例の病理組織学的検討を行った.病理組織所見から先天性と判断した病変は除き,また,顕微鏡下での病変の大きさが5 mm以下の後天性の色素細胞性母斑を対象とした.分類方法は,腫瘍細胞の存在部位により,境界型,複合型,真皮型に分類し,さらに境界型では,腫瘍細胞の胞巣の形成の有無により,胞巣型,孤立細胞型の2型に分類した.また,それぞれの型について表皮内の腫瘍細胞の分布様式により,腫瘍細胞が基底細胞層に限局する基底層限局型と,表皮内全層にばらけて存在する表皮内散在型に分類した.足底の色素細胞性母斑では,境界型が247例(91.1%)と大半を占めたが,胞巣型と孤立細胞型の両者を併せると,表皮内散在型は58例(21.4%)と稀ではないという特徴があった.
  • 村澤 章子, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 6 号 p. 817-820
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    体幹・四肢の色素細胞性母斑201例の病理組織学的検討を行った.部位は,胸部40例,腹部28例,背部76例,上肢33例,下肢24例,であった.なお,四肢では手部,足部は除いた.腫瘍細胞の存在部位により境界型,複合型,真皮型に分類し,また,臨床病理組織学的に,Unna,Miescher,Spitz,Clark型の4型に分類した.体幹,四肢の色素細胞性母斑では,真皮型およびUnna型の色素細胞性母斑が多いという特徴があった.また,Unna型の色素細胞性母斑の中には先天性の病変であると解釈可能な所見が見られた.
  • 村澤 章子, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 6 号 p. 821-827
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    Trichoepitheliomaをtrichoblastomaの一型と分類可能かどうか検討した.当科で過去にtrichoepithelioma(毛包上皮腫)と診断した6例について病理組織学的検討を行った.その結果,trichoepitheliomaとtrichoblastomaでは,両腫瘍ともに毛芽細胞様細胞で構成され,毛包への分化を示す所見があり,間質の性状が正常な毛包周囲の膠原線維(perifollicular sheath)に類似していた.よって,両腫瘍はいずれも毛芽細胞様細胞で構成される良性腫瘍であり,われわれは両者をtrichoblastomaとして一括する考え方を支持した.
  • 前川 武雄, 湧川 基史, 菅谷 誠, 林 伸和, 朝比奈 昭彦, 大河内 仁志, 伊豆津 宏二, 平井 久丸, 竹内 賢吾, 玉置 邦彦
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 6 号 p. 829-836
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    Blastic NK cell lymphomaは近年NK cell lymphomaの1亜型として報告されるようになった疾患で,皮膚に好発することや非常に予後が悪いことが特徴的である.今回我々は,Blastic NK cell lymphomaと診断し,末梢血幹細胞移植を施行した1例を経験したので報告する.症例は31歳,男性.初診の5カ月前より背部に紅斑が出現,徐々に増大し腫瘤を形成.初診時,左背部に57 mm×47 mm×6 mm大のドーム状に隆起した骨様硬の紅色腫瘤と45 mm×26 mm大の浸潤を触れる紅色局面を認めた.病理組織学的には真皮上層から脂肪織にかけてびまん性に中~大型の幼弱な異型リンパ球が浸潤し,免疫染色にてCD4,CD56陽性,in situ hybridizationによるEBERは陰性であった.また,左腋窩リンパ節にも同様の細胞浸潤を認めた.Blastic NK cell lymphomaと診断し,多剤併用化学療法,電子線照射療法を行い完全寛解となったが予後の悪さを考慮して,弟からの末梢血幹細胞移植を施行した.16カ月経った現在まで再発,転移を認めていない.過去のblastic NK cell lymphomaの報告例では,末梢血幹細胞移植の施行例はほとんどないことから,貴重な症例と思われた.
  • 守屋 美佳子, 古田 淳一, 梅林 芳弘
    原稿種別: 原著
    2002 年 112 巻 6 号 p. 837-843
    発行日: 2002/05/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    44歳女性.右大陰唇皮下の5×3 cm大の腫瘤を主訴に受診.MRIで,大陰唇皮下に境界明瞭な腫瘤を認め,T1強調画像では筋と同程度の信号,T2強調画像では高信号であった.組織学的に,腫瘍は細胞成分が粗で粘液腫様の部分と,卵円型及び紡錘型の細胞が密に増殖している部分より構成されていた.また壁の薄い血管が増生している像を認めた.免疫組織化学的に,腫瘍細胞はvimentin,desmin陽性,CD34,S-100,α-smooth muscle actin,myoglobinは陰性,progesterone receptorは70%の細胞で陽性,estrogen receptorは20%の細胞で陽性であった.臨床像,画像所見および組織学的所見よりangiomyofibroblastoma of the vulvaと診断した.
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