日本皮膚科学会雑誌
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111 巻 , 2 号
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追悼
生涯教育講座
  • 高安 進
    原稿種別: 生涯教育講座
    2001 年 111 巻 2 号 p. 131-137
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    In the fronto—parietal scalp in androgenetic alopecia, hair follicles gradually become minuaturized, and the anagen period becomes shorter. Recent clinical findings clearly show that the type 2 isozyme of 5 α-reductase(5 αR2), which converts testosterone to dihydrotestosterone, plays a crucial role in beard growth and the development of androgenetic alopecia. Patients with 5 αR 2 deficiency possess less facial hair and do not become bald. In addition, finasteride, a 5 αR 2 inhibitor, partially reverses hair loss in androgenetic alopecia. There is considerable evidence to suggest that the dermal papilla plays a key role in hair growth and mediates the action of androgen. 5 αR of cultured beard dermal papilla cells shows the characteristics of the type 2 isozyme;the isozyme pattern of 5 αR in those from balding scalp remains unknown. Follicular epithelium such as the outer root sheath and hair matrix exhibits the activity of 5 αR 1. Freshly isolated hair follicles, containing both epithelial and mesenchymal portions, have been shown to have both 5 αR1 and5 αR 2 activities, and those from balding scalp have three times higher activity of 5 αR 2 than those from the occipital scalp.
原著
  • 丹羽 正直, 真鍋 求
    原稿種別: 原著
    2001 年 111 巻 2 号 p. 139-145
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    分化特異的ケラチンの線維形成過程を検索するため,マウスヘアーケラチンであるmHalとmHb4のcDNAを含む発現型ベクターを,ラットカンガルー腎細胞株(PtK 2細胞)と株化重層扁平上皮細胞(ラット表皮細胞)に導入した.PtK 2細胞では多くの細胞の細胞質内において,mHa 1とmHb 4は通常観察される蜘蛛の巣状のケラチンネットワークを形成せず,核近傍に種々の大きさの環状の凝集塊を生じていた.またこれらの細胞では,既在の内在性ケラチンのネットワークは崩壊し,更に興味深いことに,ヘアーケラチンの環状凝集塊と部分的に共存しながら,その周囲を取り囲んでいた.しかしながら,ラット表皮細胞ではPtk 2細胞と異なり,mHa 1とmHb 4は内在性ケラチンのネットワークと共存していた.これらの結果は,mHa 1/mHb 4ケラチン対はそれら自身ではケラチンネットワークを構築できず,また他のケラチンの間にネットワークを形成するためには,K 5/K 14のような適切なケラチン対が既に存在する必要があることを示唆した.
  • 川端 康浩, 藤田 悦子, 湧川 基史, 相馬 良直, 豊田 健嗣, 山根 謙一, 多田 弥生, 帆足 俊彦, 出月 健夫, 門野 岳史, ...
    原稿種別: 原著
    2001 年 111 巻 2 号 p. 147-155
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    皮膚悪性腫瘍に対する放射線療法は,術前放射線療法,術中放射線療法,術後放射線療法,放射線単独療法の4つに大別することができる.今回,照射目的の異なるこれらの放射線療法を行った有棘細胞癌患者4例を供覧し,その目的,適応について考察した.症例1:81歳,女性.左腎部の巨大な有棘細胞癌(T4N1M0,病期III)に対し,術前放射線療法により腫瘍を縮小させてから根治手術を行った.症例2:68歳,男性.有棘細胞癌の左肘窩リンパ節転移に対し(T4N1M0,病期III),腫瘍切除後,開創のまま術中放射線療法を行った後,閉創した.症例3:59歳,男性.頭部の熱傷瘢痕上に生じた有棘細胞癌(T3N0M0,病期II)に対し,切除・植皮後,術療法として放射線照射を行った.症例4:89歳,男性.後頭部の有棘細胞癌(T2N1M0,病期III)に対し,放射線療法単独で治療し,腫瘍はほぼ消退した.術前,術中照射の目的は,腫瘍縮小による手術適応の拡大と手術操作時の癌細胞の播種の抑制である.術後照射は結果的に根治術が不可能であった場合などに,補助療法として行われる.放射線単独療法は重篤な基礎疾患や全身状態不良のため,あるいは患者の手術に対する同意が得られない場合が適応となる.放射線療法は決して消極的な治療ではなく,少なくとも有棘細胞癌に対しては,根治性を十分に有する治療法である.我々皮膚科医は皮膚悪性腫瘍を取り扱う医師として,手術や化学療法のみならず,種々の放射線療法の適応および効果にも十分に精通し,個々の症例に最も適した治療法を選択していかなければならない.
  • 横田 田鶴子, 有田 賢, 横関 真由美, 伊東 英里, 小林 衣子
    原稿種別: 原著
    2001 年 111 巻 2 号 p. 157-164
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    最近では経験することが少なくなったバザン硬結性紅斑を3年間という比較的短期間に4例経験した.全例ともに病理組織学的には皮下脂肪組織におけるlobular panniculitisの像を示し,血管炎を伴い,乾酪壊死とその周囲に巨細胞を混じるリンパ球,類上皮細胞の浸潤を認め典型的な像であった.しかし,臨床所見は,従来言われているような潰瘍形成などの典型的な像ではなく,下肢に多発する硬結性紅斑として出現した.硬結性紅斑が自然消退した最初の2例のうち1例は初診の2年後に肺結核を発症し,はじめて確定診断に至り,他の1例は以前に他院での病理組織所見から長い間サルコイドーシスを疑われ経過観察中に腺病性苔癬を発症したために診断できた症例で,いずれも診断確定に至るまでに時間を要した.それらの教訓から他の2症例の早期診断が可能となった.全症例ともツベルクリン反応は強陽性,組織の結核菌染色は陰性,皮膚組織片を用いた培養においても結核菌の検出はなかった.PCR法を用いた結核菌検索も陰性であった.近年,全結核罹患率の増加が指摘されるなかで,バザン硬結性紅斑の最近10年間の増加も報告されている.最近の結核の動向を反映するような症例を4例経験したことは興味深いと思われたので報告した.
  • 浅野 善英, 久保 正英, 尹 浩信, 鹿田 純一郎, 門野 岳史, 菊池 かな子, 玉置 邦彦
    原稿種別: 原著
    2001 年 111 巻 2 号 p. 165-170
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    抗Th/To抗体陽性の汎発性強皮症の男性例を報告する.症例は64歳の男性.両手指の発赤,腫脹および手指の関節の腫脹にて発症した.当科受診時には強指症と躯幹に及ぶ皮膚硬化,Raynaud現象,指尖部虫喰様瘢痕,舌小帯短縮,瀰漫性色素沈着,右手掌の石灰沈着および手指と膝の関節痛を認めた.全身精査にて肺病変,腎病変などの内臓病変は認めず,甲状腺機能は正常であったが,シェーグレン症候群の合併を認めた.抗Th/To抗体は汎発性強皮症に特異的であると考えられているが,本邦では同抗体の疾患特異性や汎発性強皮症患者の臨床症状との関連は検討されていない.欧米の報告では,抗Th/To抗体陽性の汎発性強皮症患者の臨床的特徴として,limited typeが多く,手指の浮腫性腫脹,小腸病変,甲状腺機能の低下が高頻度で,関節炎および関節痛は稀とされている.自験例は過去の報告とは異なる臨床症状を呈しており,本邦での抗Th/To抗体陽性汎発性強皮症患者の臨床像について,更なる検討の必要性が示唆された.
  • 磯村 巌, 森田 明理, 辻 卓夫
    原稿種別: 原著
    2001 年 111 巻 2 号 p. 171-178
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    58歳,女性.1983年11月にRaynaud症状,下肢筋力低下が出現.近医にて強皮症,多発性筋炎と診断される.1987年に名古屋市立大学病院第3内科を受診.プレドニゾロン15 mg/日,ミゾリビン150 mg/日内服治療にて症状および血清学的にも安定していた.1999年2月中頃より右側胸部に腫瘤出現,その後増大し,さらに圧痛・局所熱感・39°Cの発熱・全身倦怠感が出現したため,3月9日入院.3月15日皮膚科紹介受診.4×3 cmのやや境界不明瞭な皮下腫瘤を認め,側胸部にかけて皮下硬結を認めた.検査上,白血球上昇,赤血球・血小板減少,LDH高値,CRP高値.骨髄穿刺にて血球貪食像.皮下硬結部の皮膚病理組織では,真皮および皮下組織への多数の大型異型リンパ球の浸潤と,bean bag appearanceを呈した組織球を認めた.以上より本例を血球貪食症候群を合併した悪性リンパ腫と診断した.悪性リンパ腫はCD 20(+),CD 45 RO(–),CD 3(–)でB細胞性であり,血球貪食症候群を合併する症例としてはまれであった.
  • 増澤 幹男, 原 尚道, 宮田 聡子, 天野 隆文, 浅井 俊弥, 加藤 一郎, 西山 茂夫, 勝岡 憲生
    原稿種別: 原著
    2001 年 111 巻 2 号 p. 179-183
    発行日: 2001/02/20
    公開日: 2014/12/27
    ジャーナル 認証あり
    慢性フィラリア症の41歳男性が学童期からの右下肢リンパ浮腫を主訴に18年前当科を受診した.さらに平成5年より陰嚢からの乳び性リンパ漏を併発した.種々加療するも年々増悪してきた.平成11年夏シロスタゾールの内服療法を開始してから,一日1,500 ml以上漏出していたリンパ漏が約1/3に減少し,内服半年後よりリンパ浮腫も徐々に改善してきた.この改善は抗血小板剤としてのシロスタゾールの薬理作用である“血管拡張を伴う血行促進作用”で,水流式アスピレーター様の機序により血管からのリンパ再吸収が促進されたためと考えた.本例の治療結果から,シロスタゾールはリンパ浮腫およびリンパ漏に対して有用な治療剤である可能性が示唆された.
学会抄録
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