日本皮膚科学会雑誌
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117 巻 , 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
皮膚科セミナリウム 第30回 梅毒とエイズ
  • 大里 和久
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第30回 梅毒とエイズ
    2007 年 117 巻 11 号 p. 1709-1713
    発行日: 2007/10/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    梅毒患者は近年減少している.一般に遭遇するのは偶然の機会に発見される潜伏梅毒患者である.これらは抗梅毒抗体を調べる梅毒血清反応検査によって診断される.治療はペニシリン剤の内服を行う.ペニシリンアレルギーにはビブラマイシン,ミノマイシン,テトラサイクリン,アセチルスピラマイシンなどを用いる.治癒判定はSTS抗体価の1/4以上の低下をもって行う.治療後ある程度の抗体が残存するのは免疫の面から望ましい.HIV感染者に梅毒検査陽性者が多いので,梅毒患者に抗HIV抗体検査を勧奨することが重要である.
  • 赤城 久美子
    原稿種別: 皮膚科セミナリウム 第30回 梅毒とエイズ
    2007 年 117 巻 11 号 p. 1715-1720
    発行日: 2007/10/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    HIV感染症では免疫不全の進行によって様々な皮膚粘膜症状がみられる.日和見感染症や二次性悪性腫瘍,搔痒性疾患などとともに,梅毒など性感染症の併発も特徴的である.1996年以降は多剤併用抗HIV療法が普及して,薬剤の副作用とともに免疫再構築症候群という新しい病態も注目されるようになった.
原著
  • 中尾 由絵, 関根 万里
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 11 号 p. 1721-1726
    発行日: 2007/10/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    1998年9月から2005年9月までの当病院におけるデング熱19症例について,その中の代表的な2例を症例呈示しながら,発疹の特徴を含めて臨床的検討を行った.初診時年齢は平均31.9歳と若く,全例が発症するほぼ前日まで推定感染国に滞在していた.臨床症状は,発熱,疼痛(頭痛・眼窩痛・筋肉痛・関節痛),下痢,白血球減少,血小板減少,肝機能障害,発疹がみられた.発疹は68.4%(13/19人)にみられ,解熱前日或いは解熱当日にかけて体幹・四肢を中心とした点状出血斑混じたびまん性紅斑を特徴とし,あたかもサンバーンのような発疹もあった.また,一部では紅色丘疹,手掌・足底の潮紅を伴った.海外渡航者の増えた現在,デング熱は発疹のみられる輸入感染症として皮膚科医も知っておく必要のある疾患と考えた.
  • 天羽 康之, 浜田 祐子, 増澤 幹男, 勝岡 憲生
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 11 号 p. 1727-1735
    発行日: 2007/10/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor(VEGF)family)やangiopoietinは主要な腫瘍新生血管の増殖因子である.近年,腫瘍の増殖,浸潤や転移に,これらの血管新生因子が重要な役割を果たすことが明らかにされている.VEGF familyはVEGFA,-B,-C,-Dからなり,血管やリンパ管内皮細胞上のVEGF receptors(VEGFRs)(Flt-1,KDR,Flt-4)と結合して,内皮細胞の増殖や透過性を亢進する.またangiopoietin-2(Ang-2)は,VEGF-Aとの共存下で血管内皮細胞上のそれぞれAng-1,-2のreceptor(Tie2),VEGFR-2(KDR)と結合して腫瘍新生血管増殖や腫瘍の増殖,浸潤,転移や炎症反応に関与する.我々はヒト頭部脈管肉腫細胞がVEGF-A,-C,-D,Ang-2を産生しており,正常血管内皮細胞と同様にVEGFRs(Flt-1,KDR,Flt-4)やAng-1,-2のreceptor(Tie-2)を発現していることを明らかにした.さらに,ヒト頭部脈管肉腫細胞はVEGF-Aの添加で増殖が亢進したことから,これらの血管新生因子は腫瘍新生血管の増殖亢進のみでなく,脈管肉腫細胞上の受容体と結合して腫瘍増殖に直接作用していると思われた.また,頭部脈管肉腫患者血清11例の検討では,健常人と比較して頭部脈管肉腫患者血清中のVEGF-A,-D,Ang-2濃度が上昇しており,特にVEGF-DとAng-2は病勢とよく相関していた.VEGF-DとAng-2は頭部脈管肉腫の増殖,浸潤や,血管やリンパ管新生を伴う転移に重要な役割を果たしており,脈管肉腫患者の病勢の指標に成り得ると考えられた.
  • 安齋 眞一, 福本 隆也, 木村 鉄宣
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 11 号 p. 1737-1743
    発行日: 2007/10/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    2001年5月から2005年8月の52カ月間に札幌皮膚病理研究所で病理診断した日光角化症1,466例について,腫瘍細胞の附属器上皮への進展の有無を検討した.検討した日光角化症は,女性に多く(男女比1:1.7),顔面に多く発生していた(87.7%).切除時年齢は平均76.8±10.9歳で,女性(78.4±10.8歳)は,男性(74.1±10.5歳)より有意に高かった.臨床病理学的に,日光角化症をBowen様型,早期型,そしてそれ以外の通常型の3型に分類した.Bowen様型は22.2%,早期型は7.6%,そして通常型は70.2%であった.女性では男性に比してBowen様型と早期型の占める割合が有意に高かった.切除時年齢は,Bowen様型(平均82.1±8.9歳),通常型(平均76.1±10.4歳),早期型(平均68.1±13.0歳)の順に高かった.全1,466症例中1,044例(71.2%)で毛包あるいはエクリン汗管上皮内に腫瘍細胞の増殖を確認した.腫瘍細胞の附属器上皮への進展のある例は切除時年齢(平均77.5±10.4歳)が,無い例(平均75.1±11.9歳)より有意に高かった.発生部位別の附属器上皮への進展の有無を見ると,顔面発症例では1,285例中924例(71.9%)と高率であった.病型別の附属器上皮進展率は,Bowen様型が83.1%と最も高く,ついで,通常型の72.5%,早期型では25.0%であった.日光角化症では,腫瘍細胞の附属器上皮への進展は稀ではないことを認識しておくことはその診断および治療面において重要である.
  • 野村 友希子, 冨田 幸希, 柴田 雅彦, 青柳 哲, 芝木 晃彦, 脇坂 ちひろ, 大楠 清文, 清水 宏
    原稿種別: 原著
    2007 年 117 巻 11 号 p. 1745-1751
    発行日: 2007/10/20
    公開日: 2014/12/03
    ジャーナル 認証あり
    58歳男性.生来健康.初診の2カ月前から全身に膿瘍が出現し,当科紹介入院となった.入院後右大腿筋膿瘍に対してデブリードマンを施行.培養,PCRにて原因菌がNocardia brasiliensisN. brasiliensis)と同定された.肺CT検査等で肺ノカルジア症から播種した続発性皮膚ノカルジア症と診断した.ST合剤,塩酸ミノサイクリン内服により皮膚症状,肺CT所見ともに改善した.ノカルジアは主に土壌中に生息し,易感染宿主に感染する日和見感染症の原因菌の一種である.本邦でのノカルジアによる筋膿瘍の報告は9例あり,その内N. brasiliensisによるものは2例のみであった.ノカルジアは培養における検出率が低く易感染宿主に発症しやすいことから全身播種した場合非常に予後不良である.N. brasiliensisによる続発性皮膚ノカルジア症は現在までに4例の報告があるが自験例を除き,全例敗血症等で死亡している.今回積極的なデブリードマンを行ったことにより予後を改善することができた.
学会抄録
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