日本皮膚科学会雑誌
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93 巻 , 12 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 名嘉真 武司
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1271-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
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    正常皮膚ならびに2,3の皮膚腫瘍における Carcinoembryonicantigen (CEA)について,PAP 法を用いて免疫組織化学的に検索した.対照試験として,Non-specific crossreacting antigen(NCA) や純化された CEA による吸収をおこなった.その結果,正常皮膚においては,抗 CEA 血清と反応する物質が存在するのはエックリソ腺およびアポクリン腺の腺部ならびに汗管のみであった.特にアポクリン腺にあっては幼時には殆どみられず,思春期に近付くにつれ出現した.他方皮膚腫瘍にあって, NCA 吸収抗CEA 血清でも強い反応のみられたのは,乳房および乳房外 Paget 病における Paget 細胞であった.これに対し,汗器官由来の腫瘍において,未吸収抗 CEA 血清を用いたときに陽性反応がみられたが,抗 CEA 血清を NCA で吸収することにより,その反応は弱くなった.
  • 宮入 宏之, 高橋 省三, 諸橋 正昭
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1281-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    38歳,女性.右鼻孔部に5,6年前より米粒大の紅色丘疹あり.組織学的には,上皮性細胞索と開葉系細胞群とが密接な関係を保って真皮内に増殖している腫瘍塊が認められた.さらにこれらの細胞索と連続して種々の成熟度を示す毛包構造や脂腺細胞への分化なども観察された.電顕的には,細胞索最外層の細胞が基底板を破って間質内に偽足状の細胞突起を出している所見や,上皮細胞と間葉細胞の細胞突起とが直接に接触している所見などが観察された.このような所見は胎児毛芽における上皮細胞と間葉細胞との関係 (epithelial-mesenchymal interaction) に非常に類似していた.これらの所見は,本腫瘍が毛芽に由来する腫瘍であることを積極的に示唆する所見と思われた
  • 鈴木 裕介, 増澤 幹男, 神崎 保, 西山 茂夫
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1289-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    α-L-fucosyl 基に特異的に結合する Ulex europeusagglutinin- I (UEA・D lectin を用いた免疫ペルオキシダーゼ法で,大血管(大腿動静脈),胸管(リンパ本幹),その他種々の脈管性皮膚疾患における脈管内皮細胞の発色態度を検討した.血管においては,内皮細胞膜表面に陽性像を示したが,大血管では弱く,細小血管から毛細血管にかけて強く発色した.またリンパ管においては,胸管では陰性,リンパ毛細管でも弁のみ陽性であった.病的脈管では,血管母斑において管腔形成部位の内皮細胞膜表面に沿って,また悪性血管内皮細胞腫においては腫瘍細胞増殖部位に一致して陽性像が得られ,逆に限局性リンパ管腫では弁のみに陽性像を示した. 以上より,本法は,第 Ⅷ 因子 PAP 法と並んで,膜表面マーカーとして組織内脈管内皮細胞の同定,鑑別に役立つと思われた.
  • 沢田 幸正, 小川 俊一
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1297-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    インフルエンザ HA ワクチン接種後,皮膚潰瘍を形成した9歳男児の1症例を報告した.インフルエンザ HA ワクチン100倍希釈液での皮内反応にて,ワクチン接種部と同様の肉眼的,組織学的所見が得られ,同液での対照者皮内反応では陽性所見が得られなかったこと,血液,免疫学的な検査で血中好酸球. IgE の低位,創の細菌学的な検索にても陰性であり,鶏卵,鶏肉に対する過敏性の既往もなく,皮内反応も陰性であったことかどから,ワクチンによる即時型とは異なる免疫学的機序で発症したことが疑われた.一般にインフルエンザ HA ワクチンの副作用は低頻度で,軽症であるとされているものの,鶏卵,鶏肉に対する過敏性を有しない者でも,今後同様な免疫学的副作用の発症が考えられる.
  • 内田 健一郎, 河村 甚郎, 朝田 康夫, 宮地 良樹, 丹羽 靱負
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1303-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
  • 林 良一
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1311-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    扁平疣贅患者の末梢血リンパ球機能をリンパ球幼若化試験および Con A 誘導抑制細胞活性の面から検討し,次の結果をえた. 1)扁平抱贅患者においては Con A に対する応答低下がみられたが, 2)この応答低下は易治癒者で明瞭であり, 3)それも抱贅数の多い者に著明であった. 4)この応答低下は治癒後に,健康対照者の値に近似する程度まで回復した. 5)この傾向は Con A 誘導抑制細胞の ConA 刺激に対する抑制能においても認められた. リンパ球の Con A 応答低下, Con A 誘導抑制細胞活性低下は,細胞障害性/抑制 T 細胞数の減少によるとされている.したがって,扁平抱贅患者の易治癒者においては,治癒反応惹起前に,これら T 細胞が末梢血から所属リンパ節に動員されているものと推定した. なお,扁平抱贅の予後推定には,末梢血リンパ球の Con A を用いる上記機能検査が有用であることが示唆された.
  • 石井 正光, 寺尾 祐一, 浅井 芳江, 濱田 稔夫
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1319-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    6例の斑状アミロイド症患者の皮疹を電顕的に観察し,線維芽細胞の種々の形態について検討した.光顕レベルでは貪食細胞と思われていた細胞の多くが線組芽細胞である事が判明した.すなわち,本症においては線組芽細胞の貪食能が充進して多量の滴落ノラノゾームを取り込んでおり光顕的には一見メラノファージ様に見える事が判った.線維芽細胞はさらに細長い細胞質突起を伸ばした先端で分岐してアミロイド塊をとりかこんだり,コラーゲンとアミロイドの間に選択的に突起を伸ばすなどの像をみせ,胞体内にはアミロイド様線維も存在するなど,高い貪食能亢進及びアミロイド貪食の可能性を思わせた.一方発達した粗面小胞体中には多量の蛋白物質を容れており,明らかな分泌能亢進をも示した.さらにこの高い細胞活性を有する線維芽細胞においてアミロイドの貪食又は分泌像を思わせる2,3の興味ある所見を示し議論を行なった.
  • 浅野 翔一, 長 等, 園田 優子, 相模 成一郎
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1329-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    皮膚腫瘤が周辺部リンパ管(LVと略す)に及ぼす影響について検討した結果,以下のことが明らかとなった(図18参照). 1)皮内腫瘤が表皮直下から真皮中層に限局する場合,LV は拡張しない. 2)皮下腫瘤が真皮中層に達する場合も LV は拡張しない. 3)皮内あるいは皮下腫瘤が真皮全層を占める場合に LV は拡張傾向を示す. 4)LV の拡張は腫瘍塊によるリンパ管網の機械的圧迫に因るものと考えられる. 5)上記項目1), 2)に対する3)の所見より,浅深リンパ管網をそれぞれ別個に圧迫しても腫瘤周辺の LV は拡張せず,これら両リンパ管網を同時に圧迫することによって LV は拡張してくるものと推察される.
  • 今村 隆志
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1337-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬の病態をリポ蛋白代謝の面から検討するため,HDL および LDL それぞれの主要アポ蛋白である apo A および apo B の局在を蛍光抗体間接法によって観察し,以下の結果を得た. apo A に関しては,尋常性乾癬の典型的皮疹および早期疹において真皮・表皮境界部,乳頭層内血管周囲および錯角化部にその沈着を高率に認めた.尋常性乾癬の無疹部および掌蹠膿疱症でも真皮・表皮境界部および乳頭層内血管周囲にその沈着を低率ながら認めた.しかし,慢性湿疹,アトピー性皮膚炎,脂漏性皮膚炎の各皮疹,黄色腫および慢性膿皮症の各無疹部,さらに正常人皮膚ではこのような沈着は認められず,したがって.この所見は掌蹠膿疱症を除いては尋常性乾癬に特異性が高いと考えられた. apo B に関しては,尋常性乾癬の早期疹において乳頭層内血管周囲にその沈着を比較的低率に,また尋常性乾癬の典型的皮疹および早期疹において錯角化部にその沈着を低率ながら認めた.しかし,尋常性乾癬無疹部,ならびに掌蹠膿疱症,慢性湿疹,アトピー性皮膚炎および脂漏性皮膚炎の各皮疹,黄色腫および慢性膿皮症の各無疹部,さらに正常人皮膚ではこのような沈着は認められなかった. 以上から, apo A および apo B, とくに apo A ないし HDL は尋常性乾癖の病因ないし病態に密接な関連を有することが示唆された.
  • 谷井 司, 濱田 稔夫, 浅井 芳江, 依藤 時子
    1983 年 93 巻 12 号 p. 1347-
    発行日: 1983年
    公開日: 2014/08/20
    ジャーナル 認証あり
    いわゆる non-venereal sclerosing lymphangitis ofthe penis の4例について, unlabeled peroxidase・antiperoxidase method を用いて第 VIII 因子関連抗原を染色し,罹患脈管が静脈であることが示された.冠状溝あるいは陰茎背面にみられる皮下索状物で罹患脈管の由来が静脈であることが明らかな場合には,Mondor's phlebitis of the penis などと呼称するのが適当と考えられた.
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