日本皮膚科学会雑誌
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114 巻, 8 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
生涯教育講座
  • 竹原 和彦
    原稿種別: 生涯教育講座
    2004 年 114 巻 8 号 p. 1391-1397
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    The activity of the Atopic Dermatitis Treatment Problem Committee of the JDA was reported. Last year, a cancer risk of tacrolimus ointment was proposed by the NPO organization and was reported in the newspapers. The Ministry of Health and Labor regired the doctors who prescribe this ointment, to provide informed consent of cancer risk. To help in the better understanding of this risk and to support the doctors to explain it to the patients, JDA published their opinion on this problem through the internets and other routs. Based upon more proper usage of tacrolimus ointmant both for adults and childran, the treatment guidlines were changed in 2003 and 2004. Some other problems related to adequate treatment of this disease were also reported.
原著
  • 近藤 章生, 梅澤 慶紀, 小澤 明, 山崎 明久, 宮坂 宗男, 谷野 隆三郎, 内藤 志穂
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 8 号 p. 1399-1404
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    東海大学医学部附属病院入院患者766例を対象として,褥瘡患者の実態調査を行った.また,それらの解析において,病変の重症度の評価法について検討した.その結果,①褥瘡患者数は28例であり,全入院患者数の3.7%であった.その内,入院後に発生した数は17例(60.7%)であった.②褥瘡患者の平均年齢は60.5歳で,入院患者に対する年代別有病率は20歳以下と70歳以上の二峰性にピークを認めた.③日常生活自立度は,いわゆる「寝たきり」患者が26例(92.9%)を占めていた.④栄養状態は,ヘモグロビン値11.0 g/dl以下が21例(75.0%),アルブミン値3.0 g/dl以下が16例(57.1%)を占めていた.⑤褥瘡患者の基礎疾患は,悪性腫瘍9例(34.6%),脳・血管障害7例(26.9%),骨・関節疾患4例(15.4%)であった.⑥褥瘡の発生部位は仙骨部が最も多く18例(60.0%),次いで大転子部3例(10.0%),後頭部3例(10.0%)であった.⑦褥瘡の重症度は,深達度ではII度が15例(53.6%)と最も多く,DESIGNによる評価では,平均7.8点であった.今回我々の調査結果において2つの評価法を検討した.その結果,深達度分類とDESIGNによる評価は相関し,とくにII度褥瘡においてはDESIGNにより,より詳細な評価が可能となり,有用と考えられた.
  • 境 玲子, 相原 道子, 石和 万美子, 松倉 節子, 高橋 一夫, 木村 博和, 大西 秀樹, 山田 和夫, 小阪 憲司, 池澤 善郎
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 8 号 p. 1405-1414
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    疾患の治療過程において,“「自分にはこれだけできるのだ」という見通し”とされる“セルフ・エフィカシー(Self-Efficacy:以下SE)”という概念の向上が重要とされ,広く検討されている.SEの概念は「生活全般における(general)SE」および「ある行動の遂行に特異的な(task-specific)SE」に大別され,両者を同時に評価し,介入方法を検討することが有用とされる.今回,アトピー性皮膚炎(AD)患者の診療にSEの概念を導入する目的で,AD患者160例のgeneralおよびtask-specificなSEと心理状態を質問紙により評価し,これら2つのSEと,AD重症度・精神医学的診断・心理状態などとの関連について検討し,さらに結果を精神科医が個別にフィードバックするという取り組みを行った.本調査において,1)AD患者では健常群,および,他の慢性疾患患者群と比べて明らかなSEの低下は認めず,2)自覚的ストレスの高さとSEは負の相関を認め,3)実際の診療場面で個別にSEの向上について検討することが有意義であった.本調査から,医師および看護師がSEの概念を理解することがAD患者によりよい治療を提供する上で有用であると考えられた.
  • 濱田 尚宏, 河野 優子, Kowalewski Cezary, 辛島 美保子, 安元 慎一郎, 橋本 隆
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 8 号 p. 1415-1420
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    久留米大学皮膚科において施行した単純型先天性表皮水疱症のケラチン5,14に関する遺伝子診断について報告した.対象は本邦およびポーランドより収集した15家系であり,臨床的・電顕的に各家系についてWeber-Cockayne型,Köbner型,Dowling-Meara型そして色素異常型と診断した.遺伝子診断の結果,13家系についてケラチン5あるいは14のミスセンス変異を同定し得た.従来の報告と同様にDowling-Meara型の変異はケラチン5または14の1A,2Bの両端部分の20アミノ酸内に同定され,色素異常型ではケラチン5にP25L変異が同定された.一方,Weber-Cockayne型とKöbner型では遺伝子変異型と臨床型に一定の相関は認められなかった.今後,先天性表皮水疱症における病型診断の一端としての遺伝子解析は,個々の症例の重篤度や臨床的予後をある程度予測したり,治療方針の決定や家族への説明,生活指導,遺伝相談を行う上で重要性が増すものと考えられた.
  • 野呂 佐知子, 二神 綾子, 川名 誠司
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 8 号 p. 1421-1426
    発行日: 2004/07/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    皮膚骨腫は皮膚および皮下組織内に骨組織が発生する良性腫瘍である.先行病変のない原発性は,生下時あるいは乳幼児期より発生することが多い.我々は27歳女性の左側頭部に認めた局面状の原発性皮膚骨腫を経験した.本症例は13歳時の発生であったが,明らかな先行する皮膚病変やAlbright症候群の症状も認めなかった.病理組織像は典型的であり,原発性皮膚骨腫と診断した.皮膚骨腫は臨床像により4型に分類され,その中で局面状を呈するplaque-like osteoma cutisは稀である.
学会抄録
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