日本皮膚科学会雑誌
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99 巻 , 1 号
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  • 豊島 弘行
    1989 年 99 巻 1 号 p. 1-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    加齢が表皮に与える形態学的変化および日光がそれに加える影響を明らかにする目的で,高齢者の露出部表皮(A),被覆部表皮(B),若年者のそれぞれの表皮(C,D)の各標本群について光顕的観察を行った.その結果,1.C群の角質細胞は他の3群に比して小型であった(p<0.01)が,角質細胞の形態には加齢と日光の影響は認められなかった.2.老年者群では若年者群に比して,表皮突起の扁平化傾向がみられた(p<0.001).特にA群ではB群より,その傾向が著明(p<0.001)でほとんど消失していた.3.A,B両群のそれぞれ20例中の数例では角化細胞の軽度の配列の乱れ,空胞化などがみられた.4.A,B両群ではC,D群に比べ,表皮living layerの層数,厚さの減少が認められた(p<0.01).また,A群はB群に比し層数,厚さの減少が(p<0.01),C群はD群に比し層数の増加が認められた(p<0.01).以上の結果より,外的刺激に対する反応性は老化にともなって低下することが考えられ,加齢と日光曝露との間には複雑な,しかも密接な関係があることが示唆される.
  • 御藤 良裕
    1989 年 99 巻 1 号 p. 9-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    A群色素性乾皮症(XP-A)患者20例を対象に,紫外部単色光発生装置を用いて紫外線(UV)紅斑反応を観察した.255~340nmの波長域につきおよそ10nmごとに各波長別最少紅斑量(MED)を測定し,健常人のそれと比較検討した.その結果,XP-A患者のUV紅斑は,いずれの波長においても照射後に経時的増強がみられ,3日目に最強の反応を示した.また著明なMEDの低下はUVC,UVB域のみならず,UVA域にまで及んだ.XP-A患者の紅斑効果曲線は290と265nmに大小2つのピークを有する2峰性の曲線となった.すなわち最大紅斑効果は波長290nmに認められた.XP-A患者に対しては,UVB(サンバーン)防御はもとより,UVA域にまで及ぶ強力なUV防御が必要と考えられた.
  • 佐藤 元泰
    1989 年 99 巻 1 号 p. 15-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    1983年11月~1986年12月までの3年2ヵ月間に,接触皮膚炎あるいは薬疹の疑いのある患者のうち,水銀系列抗原のパッチテストを施行した686例と,1974~1986年までの13年間に経験した水銀皮膚炎59例および消毒剤のパッチテストを施行した118例について観察し,以下の結論を得た.1)チメロサールは11.5%と今回調査した消毒剤のうちで最も高い陽性率であった.塩化第2水銀は9.0%,マーキュロクロム,アミノ塩化第2水銀,黄色酸化水銀は3%台であった.2)有機水銀であるマーキュロクロムとチメロサールに交叉感作と認めなかった.マーキュロクロムはアミノ塩化第2水銀と交叉感作がみられ水銀アレルギーであった.チメロサールは交叉感作がみられなかった.3)チメロサールの反応基としてチオサリチル酸が関与しているのは一部で,多くはチメロサール構造自体が抗原性を有すると考えられる.4)水銀皮膚炎59例のうち,全身型29例,局所型30例であった.全身型29例中26例は体温計の破損,局所型30例中23例がマーキュロクロムおよびチメロサール皮膚炎であった.したがって電子体温計に変換,両薬剤の使用禁止により水銀皮膚炎の発生を減少できる.5)蛍光造影剤フルオレスセインとマーキュロクロムの交叉感作は認めなかった.6)アトピー性皮膚炎の有無と有機水銀および無機水銀のパッチテスト反応に関連性はなく,増悪因子として考慮する必要はない.
  • 吉永 花子
    1989 年 99 巻 1 号 p. 25-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    単発性皮膚腫瘍の治療5年後に,多彩な皮膚病変を次々に生じ,これらのすべてにlymphoma cellの浸潤が認められたATLの1例を報告する.ATLA抗体4,096倍,末梢血および皮膚腫瘍にproviral DNAを証明できた.腫瘍細胞は中型で核の切れ込みはほとんど認められず,クロマチンの核膜への凝集は中等度の比較的成熟型の細胞で細胞質には多数のvirus様粒子が集塊をなして認められた.このvirus様粒子は電顕的にA粒子とB粒子の構造に類似していると考えられた.
  • 森下 玲子, 児浦 純義, 太良 光利, 徳永 正義, 松元 正
    1989 年 99 巻 1 号 p. 37-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    鹿児島市立病院で経験したATL46例中4例に他臓器癌の合併を認めた.くすぶり型ATL3例,慢性型ATL1例で,臓器別にみると,胃癌2例,肺癌1例及び食道癌・歯肉癌とATLの3重腫瘍の1例であった.癌の発見がATL診断に先行した症例は3例あり,1例は剖検により他臓器癌が発見された.ATLと他臓器癌のいずれが先行したか,HTL-V-1はATLの発症の他に,各種癌の発生にも直接,間接的に関与するのか,ATLの発症に他臓器癌の治療が関与したかについて,ATLの症例数も少く明確にできないが,自験例及び既報告文献により考察した.
  • 市川 弘城, 藤原 作平, 松永 悦治, 板見 智, 高安 進
    1989 年 99 巻 1 号 p. 45-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    症例:41歳男性.9年前皮下硬結が両上腕に初発,以後徐々に下腿,躯幹,顔面に拡大した.個々の皮疹は中心部に陥凹を残しつつ徐々に遠心性に拡大した.5年前より少量のステロイド内服治療を行なっていたが,2年前より38℃の発熱を伴うようになった.皮膚生検の結果,皮下脂肪織に赤血球,白血球を貪喰した多数の組織球が認められ,cytophagic histiocytic panniculitisと診断した.プレドニゾロン60mgとアザチオプリン100mgを投与したところ皮疹は軽快傾向を示し,ごく少数の皮下硬結を認めるのみとなり,現在なお経過観察中である.検査成績において,白血球減少のほかに,LEテスト,抗核抗体陽性,IgA,補体の高値が認められた点が特異であり,これらの免疫能の異常が本症の発症に関与するものと推測された.
  • 加藤 英行, 村田 哲, 鈴木 正之, 矢尾板 英夫
    1989 年 99 巻 1 号 p. 53-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    尋常性天疱瘡・落葉状天疱瘡・水疱性類天疱瘡の3症例に対し,免疫抑制剤の一つであるシクロスポリンと副腎皮質ホルモン剤の少量併用投与を行ない著しい臨床症状の改善が得られた.両者を少量併用投与することにより症状改善の相乗効果と両者のもつ副作用を軽減・回避できることが,その利点である.とくに,水疱症治療の第一選択薬剤である副腎皮質ホルモン剤に抵抗性の症例や副作用をきたした症例また高年齢者には良い治療法と考える.
  • 加藤 直子, 金子 史男, 富沢 幸生, 月永 一郎, 武井 秀昭, 沖田 孝一, 大河原 章
    1989 年 99 巻 1 号 p. 59-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    MCTDとして非ステロイド系薬剤投与により経過観察中に,前胸部及び背部の絞扼感と疼痛を主訴として来院,急性心筋梗塞として治療をうけた症例を報告した.症例は36歳,女性,学校事務員.従来,ステロイド治療に比較的良く反応し,予後も良好な症例が多いとされてきたMCTDであるが,最近は間質性肺炎,肺高血圧症,心筋梗塞などを合併して死亡する症例の報告も見られる.SLEとの異同及び鑑別を含めて,内臓合併症についての考察をも試みた.
  • 高野 美香, 林 紀孝, 利谷 昭治, 曾爾 彊
    1989 年 99 巻 1 号 p. 67-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    25歳男子.小学生の頃より右膝窩に常色の皮下腫瘍を生じ,その後全身に同様の皮疹を多発し同時に聴力の低下,耳鳴り,めまいも出現してきた.腫瘤は表面平滑,皮膚との癒着はなく下床とも可動性があり,弾性硬である.病理組織学的にはneurilemmomaでAntoni A型を主として辺縁ではAntoni B型の像も認められた.皮膚以外では小脳橋角部にneurilemmomaを生じており,脊髄・副腎にも腫瘍の存在が確認された.また家族4世代17人中6人に同様の皮下腫瘤を認め,そのうち父親には小脳橋角部にも腫瘍があり病理組織学的にもneurilemmomaであった.本邦皮膚科領域において自験例を含めた119例について統計的考察を加えた.単発75例,多発44例で,多発例は男性に多くみられ,その初発年齢が低く,皮膚以外にも腫瘍の認められる例が多かった.
  • 盛岡 奈緒子, 大塚 藤男, 小林 敬三, 土田 哲也, 松山 友彦, 関 利仁, 石橋 康正
    1989 年 99 巻 1 号 p. 73-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    我々は,71歳女性熱傷患者の表皮細胞を培養してシートを形成し,これを熱傷創面に移植した.移植当初は表皮シートは比較的良く生着したが,約2ヵ月後,水疱を生じて脱落する部位が多く,最終的な生着面積は移植面積の24%であった.培養表皮を用いた熱傷創の治療例をここに報告するとともに,培養表皮片の臨床応用にあたっての問題点について考察を加えた.
  • 中川 秀己, 徳永 勝士, Dewald Georg, 尾本 恵市, 石橋 康正, 松木 一雅, 十字 猛夫
    1989 年 99 巻 1 号 p. 77-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    尋常性乾癬患者における補体成分およびHLA抗原の遺伝的多型の検索を行い,以下の結果を得た.1)C4では,C4A4が患者群で41.8%,C4B2が50.6%と正常人対照群の25.3%,30.1%と比べ,統計学的に有意に上昇し,それぞれの相対危険率は2.12および2.38であった.2)C2,C6,C7では有意に相関する対立遺伝子は見い出せなかった.3)HLA抗原の検索では,B39,Bw46,Cw6,Cw11で強い相関が得られた.4)以前,我々が報告したBFの結果を合わせると,HLA-Cw11-Bw46-C4A4,4B2-BFS-C2C-DRw8が日本人乾癬患者においてhigh riskのHLA複合haplotypeである可能性が示唆された.
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