日本皮膚科学会雑誌
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99 巻 , 5 号
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  • 勝岡 憲生, 稲村 圭一, 西岡 清, 西山 茂夫, 小川 忠丈
    1989 年 99 巻 5 号 p. 529-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    ヒト健常頭皮の生長期毛および腋毛球部から分離した毛乳頭を培養し,遊走・増殖した培養毛乳頭細胞(PC)について,アンドロジェン受容体の局在を検討した.方法はdihydrotesterone(DHT) peroxidase conjugateを用いたcytochemical staining法を用いた.その結果,頭皮および腋窩毛乳頭由来のPCの核に染色陽性の所見を得た.比較対照した培養線維芽細胞では染色不明瞭であった.PCの培養系にDHTを添加し,細胞増殖,DNA合成,蛋白合成に及ぼす影響について検討した.培地に1μg/mlの濃度でDHTを添加した場合,PCではその何れの反応も促進される傾向を示した.一方,線維芽細胞ではDNA合成および細胞増殖は抑制され,PCと線維芽細胞の間に有意な差が認められた.10μg/mlのDHT添加群は全て抑制された.以上,PCの核にアンドロジェン受容体が存在することが示唆され,有効濃度のDHT添加は,PCのDNA合成,蛋白合成を促進する効果があることが明らかとなった.
  • 音山 和宣, 片山 一朗, 西岡 清, 西山 茂夫
    1989 年 99 巻 5 号 p. 537-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    当科受診の全身性紅斑性狼瘡(SLE)患者につき,酵素抗体法を用いて抗カルジオリピン抗体価を測定し,併せてSLEにおける臨床症状,臨床検査との関連性につき検討した.SLE患者では,68例中陽性者は35例(51%)に認められ,抗カルジオリピン抗体価は,経過中,SLEの病勢とよく一致し,ステロイド療法により低下する傾向が認められた.臨床的には,Discoid型皮疹,皮内結節型で組織学的に微小栓塞を認める症例で高値を示した.臨床検査的には,血小板減少,抗DNA抗体抗体価高値,肝機能障害,CPK低値を認める症例で高値を示した.しかしながら梅毒血清反応生物学的偽陽性(BFP),精神神経症状,習慣性流産と抗カルジオリピン抗体抗体価との間に相関性は認められなかった.
  • 浜崎 洋一郎
    1989 年 99 巻 5 号 p. 543-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    ヒト培養細胞株(KB cell)から抽出した抗原を用いたイムノブロット法で,自己免疫疾患患者血清中の抗SSA/Ro抗体,抗SSB/La抗体の検出を行い,従来の二重免疫拡散法による結果と比較した.その結果,イムノブロット法を用いた場合,有意に両抗体の検出率は高く,特異性も失なわれなかった.SSB/La抗原は42KD,40KDの2種類のタンパクとして検出された.SSA/Ro抗原は58KDのタンパクであったが,さらに64KDのタンパクと反応する抗SSA/Ro抗体陽性血清があり,抗体のheterogeneityを示すと考えた.また全身性エリテマトーデス(SLE)群を対象に,イムノブロット法で検出した抗SSA/Ro抗体,抗SSB/La抗体の存在と臨床症状および他の検査結果との関連を検討した.抗SSA/Ro抗体(58KD)と相関する臨床症状と検査項目はなかった.抗SSB/La抗体(42KD,40KD)陰性例は口腔潰瘍が少なく,抗nDNA抗体陽性を多く認め,抗SSB/La抗体陽性例ではリウマチ因子,抗Sm抗体を多く認める傾向を示した.抗SSA/Roの64KDは陰性例で顔面紅斑を多く認める傾向を示し,またCH50低値と抗nDNA抗体を64KD陽性例で有意に多く認めた.以上から,我々の検出法は臨床的にも充分評価に耐えるものと考えた.また,抗SSA/Ro抗体,抗SSB/La抗体陽性者の呈する臨床症状や検査値の異常について今後とも充分な検討が必要であると考えた.
  • 斎田 俊明, 吉田 永子
    1989 年 99 巻 5 号 p. 553-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
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    本邦人足底のメラノサイト性病変88病巣について,表内的におけるメラノサイトの存在様式を病理組織学的に検討した.悪性黒色腫(mm)の早期病変(mm in situ)では,表皮内に(異型)メラノサイトが個別性に増数し,かつ表皮基底層より上部にも認められることが病理組織学上の特徴的所見のひとつとされている.しかし,今回の検索では,足底の良性の色素細胞母斑群79病巣中59病巣(71%)の表皮内にメラノサイトの個別性増数がみられ,このうち27病巣(34%)では基底層より上部にもそれが認められた.また,これらの良性の色素細胞母斑群においても稀れならず(28%),表皮内に増数するメラノサイトに核異型が多少とも認められることが明らかにされた.これらの結果から,足底においては,mm in situと良性の色素細胞母斑のいずれであるか病理組織診断上迷う症例が稀れならず見出される可能性が示された.しかし,この両者を鑑別することはきわめて重要なことである.そこで,われわれは,メラノサイトの表皮内における個別性増数の程度と皮疹の最大径とを組み合わせることにより,足底のmm in situの病理組織学的診断基準(案)を下記の如くに作成し,提示した.1)メラノサイトの個別性増数が表皮有棘層の下1/3以上の部位にまで認められる病変(grade 3)は,皮疹の最大径によって次の如く判定する.i)最大径が9mm以上の病変はmmあるいはmm in situであることがほぼ確実である.ii)最大径が7mmを越え,9mm未満の病変はmm in situである可能性が高い.iii)最大径が5mm以上で,7mm以下の病変はmm in situである可能性が疑われるが確定しえない.2)メラノサイトの個別性増数が表皮基底層から有棘層の下1/3の範囲内に認められる病変(grade 2)は,皮疹の最大径により次の如くに判定する.i)最大径が12mm以上の病変はmmあるいはmm in situであることがほぼ確実である.ii)最大径が7mmを越え,12mm未満の病変はmm in situである可能性が疑われるが確定しえない.3)メラノサイトの個別性増数が表皮基底層部にほぼ限局されている病変(grade 1)については,その皮疹の最大径が15mmを越える場合にはmmあるいはmm in situであることがほぼ確実である.4)上記のいずれにも属さない病変は,少なくとも現時点ではmmないしmm in situであるということはできない.なお,以上の判定に際しては,病歴などによりあらかじめ先天性色素細胞母斑を除外しておく必要がある.足底の色素斑に関しては,われわれが先に提示した臨床指針によって,まず切除するか否かを決定し,切除された病変については上述の診断基準にて病理組織学的診断を決定する.このようにすれば,足底悪性黒色腫の多くが早期に検出され,かなり正確に診断されうるものと思われる.
  • 川原 繁, 高田 実, 広根 孝衞, 富田 勝郎, 浜岡 寛士
    1989 年 99 巻 5 号 p. 561-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    38歳,男性.生来背部皮膚の全体に青色斑が存在した.昭和62年1月,放射線学的に第3~5胸椎レベルの脊髄髄膜腫瘍が見出され,整形外科において腫瘍摘出術を受けた.腫瘍は淡黒色で,第3~5胸椎レベルで脊髄軟膜に密着し,第4―5胸椎間の椎間孔を通って縦隔内にはみ出していた.手術後皮膚科受診時,背部に約25×35cmの淡青色斑がみられた.左下背部に約4mm径の暗青色斑が2個みられた.組織学的に,背部の淡青色斑は蒙古斑,暗青色小斑は通常型青色母斑,脊髄髄膜腫瘍は脊髄軟膜に生じた良性色素細胞腫(benign melanocytoma)と診断された.この症例は,脊髄軟膜原発の良性色素細胞腫と背部皮膚における広範な高度濃色型蒙古斑が合併したもので,神経皮膚黒色症の散発型に属するものと考えられた.
  • 川部 美智子, 藤井 初美, 高岡 和子, 安江 隆, 大橋 勝, 長坂 徹郎, 原 一夫
    1989 年 99 巻 5 号 p. 567-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    63歳,女性.下腿内側のしびれ感を初発症状とし,両下肢,下腹部,腰部に無痛性の皮下硬結が多発した.組織学的に,真皮中層から皮下脂肪織の細小血管内に大型の腫瘍細胞がうっ滞,増殖する像がみられ,neoplastic angioendotheliosis(NAE)と診断された.これらの腫瘍細胞はリンパ球様の形態を示し,電顕では,血管内皮細胞に特有なWeibel-Palade小体は認められなかった.腫瘍細胞の表面形質の免疫組織化学的検索では,第Ⅷ因子関連抗原は陰性で,leukocyte common antigen(LCA,白血球共通抗原)とT cell系の表面マーカーであるT11,MT-1が陽性であったが,B cell系の表面マーカーであるB-1,B-2は陰性であった.また免疫電顕にて,核,細胞質,細胞膜において,S-100蛋白陽性所見が認められた.以上の結果より,自験例の腫瘍細胞は,S-100蛋白が陽性のT cell lymphomaの細胞であると考えられた.最近,NAEの腫瘍細胞の表面マーカー検索が行われるようになり,NAEの多くはB cell lymphomaであることが確認されている.T cell lymphomaと確認されたNAEとしては自験例が2例目である.自験例は,NAEの血管腔内に増殖している細胞が,S-100蛋白陽性のT cellであるという点で最初の報告例である.
  • 長谷 哲男, 金 秀澤, 馬場 直子, 宮本 秀明, 中嶋 弘
    1989 年 99 巻 5 号 p. 579-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    横浜市立大学皮膚科において経験した皮膚T細胞性リンパ腫の治療効果,予後を成人T細胞性リンパ腫(ATL),IBL様T細胞リンパ腫(IBL-T)とAILD,皮膚B細胞性リンパ腫(CBL)と比較検討した.この間のリンパ腫は菌状息肉腫(MF)紅斑期28例,局面期10例,腫瘍期11例,ALT12例,IBL-T/AILD11例,MFを除く皮膚T細胞性リンパ腫19例,CBL8例であった.皮膚T細胞性リンパ腫の治療はMF紅斑期,局面期では主に紫外線療法(PUVA療法),腫瘤期では電子線療法,化学療法及びこれらの併用療法を行った.いずれの治療法でも完全寛解を誘導することができた.MF腫瘤期以前の38例では死亡例はなかったが腫瘤期では11例中8例が死亡しており,平均生存期間も腫瘤形成以後38ヵ月であり,ATLの19ヵ月,IBL-T/AILDの28ヵ月に比べるとやや良好であったが,予後不良といえた.
  • 杼木 真理子, 川島 真, 石黒 直子, 皆見 春生, 松倉 俊彦
    1989 年 99 巻 5 号 p. 593-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    23歳女性の右第1指背に生じたmyrmecia(封入体疣贅)の典型例と,60歳男性の左下腿にみられ,臨床的に皮角様を呈した非典型例を報告した.組織学的に両者ではその封入体の性状に違いが認められ,前者では顆粒状の細胞質内好酸性封入体と核内封入体を認めたのに比し,後者では好酸性により均質に淡染する1個の細胞質内封入体を認め,核内封入体はみられなかった.両者の組織学的な相違がヒト乳頭腫ウイルス(HPV)のタイプの違いに基づくか否かをblotおよびdot hybridization法にて検討した結果,典型例では従来の報告通りHPV1型が検出されたのに比し,非典型例ではHPV1型以外のHPV DNAの存在が明らかとなった.この結果は,従来myrmeciaとして報告されてきたウイルス性疣贅を生じるHPVには複数のタイプが存在することを示すとともに,ウイルス性疣贅においては,HPV型と臨床および組織像が相関することを考えると,報告した非典型例にはmyrmecia以外の呼称を用いるべきかと考えられた.
  • 松田 真弓, 赤坂 俊英, 昆 宰市, 鈴木 是光
    1989 年 99 巻 5 号 p. 601-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
    皮膚の脆弱性,易挫傷性を主症状とし,臨床的にEhlers-Danlos症候群(以下EDS)のⅣ型と考えられた5歳,男児例につき報告するとともに,本症のコラーゲン線維の電顕的観察とタイプⅢコラーゲンの局在を免疫組織学的に検索した.その結果,コラーゲン細線維の大小不同,形態の不整などが観察され,タイプⅢコラーゲンの局在についても同年代の正常皮膚と比較して,明らかな相違を示した.
  • 1989 年 99 巻 5 号 p. 609-
    発行日: 1989年
    公開日: 2014/08/11
    ジャーナル 認証あり
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